運輸政策研究
Online ISSN : 2433-7366
Print ISSN : 1344-3348
最新号
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学術研究論文
  • 木俣 順, 竹林 幹雄
    原稿種別: 学術研究論文
    2020 年 22 巻 p. 006-019
    発行日: 2020/02/29
    公開日: 2020/05/12
    [早期公開] 公開日: 2019/04/18
    ジャーナル 認証あり

    本稿では,東南アジア航路の西日本における寄港地集約についてネットワーク均衡分析による評価を試みる.船社による欧米基幹航路の寄港地集約と同様に,今後のターゲット市場であるASEANを中心とする東南アジア航路についても集貨効率性を求め拠点港へ集約する動きがある.本稿では,東南アジアコンテナ市場のうち,西日本発のベトナム向けコンテナ貨物をケーススタディーとしてbi-levelモデル型のネットワーク均衡分析を適用し,ベトナム航路を阪神港に集約したケースについてシミュレーションを行った.その結果から,寄港地集約は阪神港の集貨に有効であるものの,海外トランシップ利用の増大や荷主の効用低下を招く可能性があることを示した.

  • -範囲の経済性と規模の経済性の計測をめぐって-
    井口 智史
    原稿種別: 学術研究論文
    2020 年 22 巻 p. 020-027
    発行日: 2020/02/29
    公開日: 2020/05/12
    [早期公開] 公開日: 2019/05/08
    ジャーナル 認証あり

    本稿の目的は,日本の地方都市における路面電車・LRT事業者を対象にして,範囲の経済性と規模の経済性を計測することである.2005~2014年度のパネルデータを用いて計測した結果,①路面電車・LRT事業と鉄道事業との兼業による範囲の経済性が存在する,②鉄軌道業全体,路面電車・LRT事業および,鉄道事業において,それぞれ規模の経済性が存在する,③範囲の経済性による費用節約効果は,鉄軌道業全体における規模の経済性および,路面電車・LRT事業と鉄道事業の各個別事業における規模の経済性による費用節約効果よりも大きい,が明らかになった.

報告論文
  • -先行研究を踏まえた考察と今後の展望-
    杉村 佳寿, 朝岡 大輔
    原稿種別: 報告論文
    2020 年 22 巻 p. 028-039
    発行日: 2020/02/29
    公開日: 2020/05/12
    [早期公開] 公開日: 2019/04/09
    ジャーナル 認証あり

    我が国港湾へのクルーズ船の寄港回数,特に外国船社の寄港が急増し,中でも博多港は寄港回数国内最多を誇る.本稿では,港湾を中心とするクルーズ受入側での政策立案,施策展開に対して先行研究から示唆を得ることを目的に,クルーズ市場の拡大経緯とクルーズ船社・港湾の戦略に関する先行研究の成果を踏まえ,ケーススタディ的に博多港が日本一の寄港回数を誇るようになった理由を考察し,クルーズ港湾の今後の展望を述べる.博多港は上海港との地理的近接性,迅速な受入れ体制の整備等により,クルーズ船社の戦略と相俟って寄港回数が増加しており,ターミナル運営,リピーター対策等,今後の展望についても先行研究が多くの示唆を与える.

  • 飯田 純也, 渡部 大輔, 鈴木 健之, 福原 智幸, 永田 健太
    原稿種別: 報告論文
    2020 年 22 巻 p. 040-051
    発行日: 2020/02/29
    公開日: 2020/05/12
    [早期公開] 公開日: 2019/04/11
    ジャーナル 認証あり

    本研究では,英国における港湾関連行政手続を一元的に処理する情報システム(Maritime Single Window, MSW)の試行的な構築・運営状況および関連する情報システムの設置状況について調査・分析を行った.その上で,我が国の港湾EDIとよばれるMSWとの比較を行った結果,相違点として,国家間共同体による設置の義務化・通関システムとの分離・Port Community System(PCS)の役割・電子申請の義務化等があげられ,類似点として,関係省庁が所有する行政手続システムとの連携についての段階的整備があげられる.また比較に基づく考察から,国家が新たなMSWを構築する際には,国家間共同体や条約による構築の促進と支援施策の提供,構築体制の確立などが重要と考えられる.

紹介
  • ─国際法の観点を中心に─
    坂本 尚繁
    原稿種別: 紹介
    2020 年 22 巻 p. 052-057
    発行日: 2020/02/29
    公開日: 2020/05/12
    [早期公開] 公開日: 2019/11/08
    ジャーナル 認証あり

    1──はじめに
     国際海事機関(IMO)の海洋環境保護委員会(MEPC)は2016年10月に,公海を含む一般海域で使用される舶用燃料に含まれる硫黄分濃度を3.50%以下から0.50%以下とする規制強化(SOx規制.MARPOL条約(海洋汚染防止条約)附属書Ⅵ(船舶に起因する大気汚染物質の排出を規制)の規則14.1)を,2020年1月に開始すると決定した.本規制は硫黄酸化物(SOx)や粒子状物質(PM)による環境や人の健康への被害・悪影響を,世界全体で改善することを目的とする.

  • ─デスティネーション・ブランディングの限界とエリア全体でのブランド戦略─
    岩田 賢
    原稿種別: 紹介
    2020 年 22 巻 p. 058-063
    発行日: 2020/02/29
    公開日: 2020/05/12
    [早期公開] 公開日: 2019/12/13
    ジャーナル 認証あり

    1──はじめに
     2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催決定や訪日外客の劇的な増加,明日の日本を支える観光ビジョン構想会議(議長・安倍晋三首相)において決定された訪日外国人旅行者数の政府目標4,000万人(2020年目標),6,000万人(2030年目標)対応など,今後,ブランディングの必要性は加速することが予想される.

書評
  • ─国境を越えて世界を流れる貨物─
    根本 敏則
    原稿種別: 書評
    2020 年 22 巻 p. 064-
    発行日: 2020/02/29
    公開日: 2020/05/12
    [早期公開] 公開日: 2019/04/08
    ジャーナル 認証あり

    巨大なコンテナ船,長編成のコンテナ二段積み貨車が,世界の主要物流ルートで活躍している.経済のグローバル化により,資源・製品を最も高く売れる地域へ輸送する必要が生じたわけだが,輸送において規模の経済が発揮できるため機材の大型化が進んでいる.さらに,輸送サービスの効率化のためには,港湾・鉄道・道路などの交通インフラの高度化,通関・輸出入手続きの電子化・簡素化,越境交通の自由化など制度整備も必要となってくる.

  • ─波及効果のエビデンス─
    武藤 慎一
    原稿種別: 書評
    2020 年 22 巻 p. 065-
    発行日: 2020/02/29
    公開日: 2020/05/12
    [早期公開] 公開日: 2019/05/08
    ジャーナル 認証あり

    インフラの整備効果を科学的に明らかとすることの重要性は,1997年の費用便益分析制度の導入に際しかなり精緻に議論がなされ,その結果,安全側でみて最低限かつ確実に捉えられる発生ベースの便益として,いわゆる三便益(走行時間短縮便益,走行経費減少便益,交通事故減少便益)による整備効果計測が標準化された.これに対し,インフラ整備の波及効果も制度に取り込むべきとの意見が強く出されるようになった.しかし,安易な波及効果の導入は便益の二重計測につながる恐れがあり,それは費用便益分析が導入される際に最も懸念されていたことであるため,絶対避けるべきである.本書は,この懸念に対し「科学的」な計測手法を用いることにより,二重計測等の問題を生じさせることのないインフラ整備の波及効果を計測するための方法論を,丁寧に解説した良書である.

  • モビリティ革命の先にある全産業のゲームチェンジ
    原田 昇
    原稿種別: 書評
    2020 年 22 巻 p. 066-
    発行日: 2020/02/29
    公開日: 2020/05/12
    [早期公開] 公開日: 2019/05/14
    ジャーナル 認証あり

    この本は,MaaS(Mobility as a Service)の実践を検討している若手の騎士四名(日高洋祐,牧村和彦,井上岳一,井上佳三)が,世界的に進むMaaSの議論と実践を踏まえて,MaaSの「本質」を事例とともに解説し,その「先」にある交通,社会,ならびに全産業のビジネスモデルの変革を論じたものである.世界にやや遅れてMaaSへの取り組みが進んでいる我が国において,MaaSに取り組むあらゆる人たちに,そして,その社会的影響に関心のある人たちに,役立つ内容となっている.

  • ─自動運転は人を幸せにするか─
    谷口 守
    原稿種別: 書評
    2020 年 22 巻 p. 067-
    発行日: 2020/02/29
    公開日: 2020/05/12
    [早期公開] 公開日: 2019/09/10
    ジャーナル 認証あり

    楽しい本である.たとえて言えば,まるでバイキング料理のようだ.執筆者はそれぞれの専門分野から総勢18名.書き方や内容を特に調整している様子はうかがえない.自動運転というキーワードのみ著者間共通で,あとは素材の切り取り方も味付けもそれぞれに自由奔放である.全部で16章ある各章のポイントとなる用語を独断で抜き出して並べてみても,「幸せ」「安全・安心」「戦略」「つながる」「管制システム」「ゲームAI」「ロボット」「イノベーションジレンマ」「建築」「都市」「公共交通」「高齢ドライバー」「パーソナルモビリティ」「運輸人手不足解消」「農業自動化」「電力事業」とそのカバーする範囲は極めて広い.自動運転がタイトルにつく書籍は近年とみに増えているが,その中でも異色の存在といえよう.また,内容から判断し,自動運転だけの領域にとどまらず,いわゆるCASEと呼ばれるモビリティ・イノベーション全体を視座に含めた書籍と位置付ける方が適切だろう.

  • ─住みやすいまちとLRT─
    青木 亮
    原稿種別: 書評
    2020 年 22 巻 p. 068-
    発行日: 2020/02/29
    公開日: 2020/05/12
    [早期公開] 公開日: 2019/10/04
    ジャーナル 認証あり

    読んで楽しく,見ているとワクワクする本である.フランスを中心とする欧州と,我が国での路面電車を活かしたまちづくりを簡潔に紹介すると共に,LRTによるまちの変化や導入の仕方をわかりやすく,かつコンパクトに解説している.本書は全部で4章から構成されており,第1章では「トラムでヨーロッパ地方都市のまち歩き」として,フランスを中心に欧州の9都市の事例を紹介している.続く第2章は「暮らしに根付いた日本の地方都市の路面電車」として,日本で路面電車が存続している諸都市の中から9都市を取り上げている.欧州,日本ともに各都市はそれぞれ4ページでコンパクトに特徴をまとめており,多数の写真を載せたことで直感的に理解しやすくなっている.第3章と第4章は理論編とも言うべき存在で,第3章「LRTがもたらすまちの変化」では,LRT整備がまち作りに与える影響を論じ,第4章「LRTをつくるためには」で,LRT導入の要件や制度,社会的合意形成の問題などを取り上げている.

  • ─インバウンド4000万人時代の副作用─
    矢ケ崎 紀子
    原稿種別: 書評
    2020 年 22 巻 p. 069-
    発行日: 2020/02/29
    公開日: 2020/05/12
    [早期公開] 公開日: 2019/10/17
    ジャーナル 認証あり

    オーバーツーリズム,あるいは,観光公害という言葉をメディアで見かけることが多くなった.これは,観光客の急増によって市民生活や自然環境に悪影響が出ることであり,国内外の著名な観光地を中心に社会問題となってきている.わが国では,日本人の国内旅行の頻度や日数,実施時期等に大きな変化はないが,急増している訪日外国人旅行者の特定の観光資源・エリアへの集中が,その地域の受入容量に対して過大になる時に顕在化している.

  • ─海外鉄道プロジェクトのための技術と人材─
    金山 洋一
    2020 年 22 巻 p. 070-
    発行日: 2020/02/29
    公開日: 2020/05/12
    [早期公開] 公開日: 2019/12/23
    ジャーナル 認証あり

     鉄道の海外展開は,少子高齢化の進展等による国内市場の縮小が懸念されるなか,一層重要となっている.

  • 波床 正敏
    原稿種別: 書評
    2020 年 22 巻 p. 071-
    発行日: 2020/02/29
    公開日: 2020/05/12
    [早期公開] 公開日: 2020/01/28
    ジャーナル 認証あり

    本書は都市公共交通を扱う教科書に必ず登場する「運輸連合」についての専門書である.

  • ─鉄道大国・日本の「先進」と「後進」─
    金山 洋一
    原稿種別: 書評
    2020 年 22 巻 p. 072-
    発行日: 2020/02/29
    公開日: 2020/05/12
    [早期公開] 公開日: 2020/02/28
    ジャーナル 認証あり

    本書は,交通に関するデータと広範で深い交通経済学的知見をもって,鉄道をはじめとする内外の交通市場,交通政策に関する変遷を過去から現在まで縦串と横串を通しながらダイナミックに示す.そして,日本の鉄道の将来に向けた骨太の課題を提示する.

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