目的 仕立映えする布地と, その力学的性質との関連を判別分析の手法を用いて分析し, 布地の選別に実用できる判別式を導くとともに, 他方, 布地製造の設計目標のための基礎的資料を得る.
成果 1) 男用夏スーツ地に関して, 仕立映えする布を布の基本力学量から判別する判別式を導き, その判別度や的中率を点検して式の実用性を確かめた.
2) 仕立映えする布には基本力学特性の引張り, 曲げ, せん断特性が強く関連し, その関与の仕方が明確になった.
3) 衣服の機能特性値で判別すると仕立映えのする布の性格が判明し, ソフトで弾力, 張りのある布が仕立映えすることがわかった.
4) 一工場内での判断に基づく判別式は同社内で使う限り高い判別度をもち, 他社試料への適用ではやや判別度はにぶる傾向がみられた.しかし, 仕立映えの判断は工場が異なってもほぼ共通の基準があることが分析結果から推察された.
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