目的 : 被服の保温性能を決める上で, 被服材料と空気層との相互作用は重要な要素であるので, 多様な被服材料について, 空気中に水平に設置した熱板から被服材料および介在する空気層を通して大気への熱損失を測定し, 自然対流による熱輸送が支配的な極低風速のもとでの, 布および空気層からなる系の伝熱特性を調べた.成果 : 多様な材料のうち, とくに, サージ, モスリン, フラノ, レザーの典型的な4種類の材料については, 測定結果を布/大気, 空気層/布/大気の伝熱モデルと比較することによって, 各構成要素の熱輸送への寄与を分離し, 空気層, 布, 大気, 各々の熱通過率, および, 布のみで被覆した場合の布と熱板との接触抵抗にっいて定量的な評価を行うことができた.その結果に基づいて, 空気流動に伴う熱輸送における, 被服材料の表面特性の影響, および通気性の役割についても議論できた.
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