目的 現在実用化されているヘルド, おさへの糸通し装置は, 金属のニードルでたて糸を引き通しているため, ヘルド, おさに損傷を与える恐れがある.そこで, ヘルド, おさにきずを付けずに, かっ, たて糸をヘルドのメール, おさ羽の隙間に一度に通す糸通し装置を開発する.結果 (1) たて糸をジェットエアでヘルドのメール, おさ羽の隙間に一度に通すことができる糸通し装置を試作した.(2) エアノズルの噴射口を上下に細口形状とし, 噴射口の上下の左右に補助噴射口を設けたことにより, 噴射口からの噴射エアの平行直線的な作用領域が拡大され, たて糸をヘルドのメールに確実に案内できた.(3) エアガイドのエア通路幅を糸排出用スリット幅より広くしたことにより, 糸通し最中の糸排出用スリットからの糸の飛び出しが抑制された.また, エアガイドのエア通路の上縁にエア逃がし孔を設けたことにより, たて糸が排出用スリットからの飛び出しがさらに抑制された.(4) エアガイドのスリット形成壁の下縁の入口側角部に切欠傾斜部を設けたことにより, たて糸のエアガイドからの排出が確実になった.
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