目的予備実験で図案のピックアップが可能なことを確かめ, 同時に機械の調整もできたか2, 今回は実際に図案を機械にかけて穿孔し, 毛布を織って実用になるかどうかを確かめ, かつまた織物に現われた各種の事故を分析し防止手段を考えたり, 機械の操作上の改良を加えたりして設計上の資料を得るのが目的である.結果基本的図案として幾何模様を採用し, 直線, 斜線円形, 正方形などの大小図形が織物にどのように現われるかを実際に織って調べたところ, 十分商品価値があることが解った.そして数回試験織を繰り返し, 自動穿孔機の性能を確かめた結果はつぎのごとくである.(1) 図案をかけるドラム装置は精密工作を要すること.間欠的送り運動は電気的より機械的の方がよい.(2) 導電性絵具は塗りにくい.適当な分散剤を用いること.(3) 線幅3mm以下はピックアップ不確実である.(4) たて方向の直線縞は図案の境界が乱れやすい.縞が太ければ目立たない.(5) トランジスタ増幅器は故障は起こらない.マイクロリレーはプラグイン方式とする.水銀接点リレーを使えば一層よい.(6) 試作機はカードをたて方向に供給しているから生産性は悪いが, 実際機械はカードをよこ方向に供給し, その上ダブルパンチヘッドに設計すること.この場合の生産能力は300枚/hrとなる.
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