ばね論文集
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1985 巻 , 30 号
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  • 坪野 秀良, 西村 強, 藤原 忠義, 井岡 博一
    1985 年 1985 巻 30 号 p. 1-10
    発行日: 1985/03/31
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    本報告は, 焼入れ, 及び焼もどし側ともに高周波誘導加熱装置を装備した新しいタイプのオイルテンパー炉で製造した高強度オイルテンパー線の性能について述べたものである。 高強度にするための方法としては, オイルテンパー処理の焼もどし温度を低めることにより行なった.
    結果を要約すると以下のとおりである。
    (1) 本法により製造した195kgf/mm2級の高強度炭素鋼オイルテンパー線は, 急速加熱の効果によりオーステナイト結晶粒度が微細であり, 良い機械的性質を示す.
    (2) 高強度化に伴う利点としては, 疲労強度の増大と室温におけるばねの耐へたり性の向上が認められるが, 耐熱性は期待できない。
    (3) 高強度炭素鋼オイルテンパー線は, 低温焼鈍に対する温度感受性が高いので, 使用に当っては, コイリング後の低温焼鈍において温度管理が重要となる.
  • 斉藤 誠, 伊藤 幸生
    1985 年 1985 巻 30 号 p. 11-19
    発行日: 1985/03/31
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    乗用車用懸架ばねの高応力化指向, 弁ばねのパワーアップ指向は, 両者の要求レベルに差はあるとはいえ, いずれも耐久性の向上が共通した目標である. これを達成するには, 素材であるばね鋼の超清浄鋼化が1つの有力な手段であると考えられる.
    そこで, 低コスト・大量生産を前提とした脱ガス法を一般ばね鋼に適用して超清浄鋼を製造し, 懸架ばね用あるいは弁ばね用素材としての特性を検討した. その結果,
    (1) 200kgf/mm2級高強度懸架ばね用材料として, 酸素レベルを15ppm以下に下げたULO鋼が1つの有効な手段であるとの見通しを得た.
    (2) 低酸素化 (ULO) および低TiN化 (UL・TiN) 処理を適用したULO+UL・TiN鋼は, 疲れ強さがVAR材なみになることを確認し, 弁ばね用として十分対応できる見通しを得た.
  • 山本 進, 佐藤 和良
    1985 年 1985 巻 30 号 p. 20-24
    発行日: 1985/03/31
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    この論文はばね用高強度導電ステンレス綱線について述べたものである. リン青銅やベリリウム銅は高強度で導電性が必要なときによく用いられるが, 実際には強度 (疲労や捩りも含む) が充分でなかったり, 耐熱性や耐食性が劣っていたり, 更には耐摩耗も充分でないこともある. この論文で紹介された材料は銅芯を有するステンレス綱線で前記問題点を改良したものである. この材料の導電率は高強度銅合金の2-4倍ある. もちろん強度は銅合金より優れているばかりかステンレス綱そのものより10-30%劣るだけである. したがってこの材料はばね, シャフト, 電極等導電性の必要な用途に利用できる.
  • 佐藤 繁美, 浜野 俊雄, 川口 茂, 斉藤 清一
    1985 年 1985 巻 30 号 p. 25-32
    発行日: 1985/03/31
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    TiNi合金を用いた形状記憶合金コイルばねに関してばね単体における基本的な使用法 (定温状態, 定荷重状態, 定たわみ状態) と応用的な使用法の例としてバイアスコイルばねと組合せた状態についてそれぞれのばね特性試験を行い各状態の相互の関係について検討した. その結果, 以下のことがわかった.
    (1) 形状記憶合金コイルばね (SMAばね) 単体における基本的な3つの使用法においては, それぞれ荷重特性が厳密には異なる.
    (2) 組合せ状態においては, バイアスコイルばねのばね定数が比較的小さいような状態で使用するならば定温状態の荷重特性のみでSMAばねの特性を推察可能である.
    (3) バイアスコイルばねとの組合せ状態においてP-δ, δ-T, T-P面に現われるヒステリシスは形状記憶合金コイルばね単体の定温状態, 定荷重状態, 定たわみ状態におけるヒステリシスにそれぞれ対応する.
  • 対馬 一憲, 久納 孝彦, 河合 通文, 北川 元洋, 辻岡 康, 水野 正夫
    1985 年 1985 巻 30 号 p. 33-43
    発行日: 1985/03/31
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    本論文では, 2本ピン方式コイリングマシンによるコイルばねの冷間成形法における工具配置と製品形状との関係について記述している.
    それらの結果を要約すると以下の通りである。
    1) 圧縮コイルばねの成形中の形状曲線を二つの円孤で近似したモデルを仮定すると, 解析結果と実験結果とが良く一致する.
    2) 成形コイルの中心位置を水平方向にずらさず, 常に切断の刃の作動線上に定めるためには, 2本のコイリングピンの変位の比を一定に保てば良い.
    3) 線とコイリングピンとの接点は, ピンを移動させるにつれて, 一定方向に移動する. 従って, 適切にピンを作用させるには, ピンを鉛直線に対して一定の角度をもって移動させることが望ましい.
  • 小木曽 克彦, 浜野 俊雄, 伊東 正信, 佐藤 繁美, 大野 明
    1985 年 1985 巻 30 号 p. 44-51
    発行日: 1985/03/31
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    測定時間を短縮する目的で, 2個のPSPC (位置感度型比例計数管) を用いた迅速X線応力測定装置 (RAXS) を開発し, その性能評価を行った. 発散スリットは, ソーラスリットを用いており, 入射ビーム幅を1-5mmと広げた場合の, 回折線半価幅広がり, ひずみ感度への影響を実験的に検討した結果, 発散角の小さなソーラスリットであれば, 5mmのビーム幅でも1mmの値と比べ殆んど変わっていないことがわかった.
    サンプルに対するミスアライメントにより生ずる見掛けの応力値は1mm当り2.5Kgf/mm2程度であることがわかった. 測定に要する時間は45°単一入射法 (Schaal法) で約5秒であり, 従来のポイント型検出器を用いているゴニオメータ装置と比較して1/200-1/400を短縮させることができた.
    開発された本装置は, 自動車用各種ばねの残留応力測定機としてすでに2台稼動中である.
  • 非金属介在物評価法調査委員会
    1985 年 1985 巻 30 号 p. 52-67
    発行日: 1985/03/31
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    高応力化, 高硬度化した最近のばね材料において, 適切な非金属介在物の評価は疲労強度や品質保証の面から非常に重要な問題である. 本報告では国内各機関で実施されている各種非金属介在物評価の現状と問題点を把握する目的で行ったアンケート調査の結果を述べる. アンケートは製鋼メーカー, 製線メーカー, ばねメーカー及びユーザーを対象として行った.
    回答の解析結果から, JISの顕微鏡試験法が最も多く用いられているが, ASTM諸法や, ミシュラン, ベカルトなど外国法も用いられていることがわかった. 非金属介在物測定における問題の中心は, 対象が弁ばねや懸架ばねの疲労問題に関係していることにあり, JIS法は製鋼段階での品質管理などには有効であるとしても, 疲労の起点としての介在物評価という点からは必ずしも有効とは言えない点にあることが指摘された.
  • 各種表面処理の耐食性評価委員会
    1985 年 1985 巻 30 号 p. 68-116
    発行日: 1985/03/31
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    小型のコイルばね, 薄板ばね, 直線材に, 最も一般的な電気亜鉛めっき, 化成皮膜処理を含めて8種類の表面処理を実施し, その耐食性を評価した.
    試験方法として塩水噴霧試験, 大気ばく露試験, 疲れ試験及びそれらの組合せ試験などを行ったところ, 次のような結果を得た.
    1. 各種表面処理の特性を概略的に知ることができた.
    2. 表面処理の耐食性及びその挙動を把握することができた.
    3. 試験方法による耐食性評価の相異点並びに関連性 (例えば大気ばく露日数と塩水噴霧試験時間との間には相関が認められる.) が把握された.
  • 線ばねの加工疵の影響委員会
    1985 年 1985 巻 30 号 p. 117-149
    発行日: 1985/03/31
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    本報告は, 線ばねの成形加工中に発生する種々な要因別の加工きずのなかから, 圧縮コイルばねの加工きずを3種類, 引張コイルばねの加工きずを2種類選び, 加工きずが疲れ強さに及ぼす影響について調査したもので, この結果を要約すると以下の通りである.
    圧縮コイルばねの一巻目コイルに発生する座巻端末部切り口との当りによる加工きずは, 疲れ寿命にそれ程影響を及ぼさない.
    しかし, コイルの外周側や内周側の加工きずで, ショットピーニングのないものはきずの深さのレベルが線径の約3%程度になると疲れ強さは, きずのないものに比べて約50%低下する. なお, ショットピーニングを施すと同レベルのきずの深さでも低下率は10-30%にとどまる. さらに, 内周側のきずの疲れ強さに対する感受性は, 外周側より顕著である.
    引張ばねのフック部内周側の加工きずは, きずの幅の深さに対する比 (w/d) が小さい場合には疲れ強さの低下は著しい. また, フック立上り部の加工きずは今回の実験では著しい差は認められなかった.
  • 熱間成形コイルばねへたり試験法委員会
    1985 年 1985 巻 30 号 p. 150-168
    発行日: 1985/03/31
    公開日: 2010/02/26
    ジャーナル フリー
    コイルばねのへたり試験法であるクリーム試験, 締付試験の試験方法, 条件は一定していない. その共通化をはかるためのステップとしてへたり試験の共同実験を行い次の結果を得た.
    へたり測定は常用点の試験前後の変化を測定するのが良い. 試験時間は96hrが適切である. 試験温度のへたりへの影響, 両試験のへたりの相関を把握した.
    耐へたり性を評価できる材料独自の試験法の開発が望まれているので3方法を調査した. それらはねじりクリープ法, ねじりリラクセーション法, ヒステリシスループ法であるが, ねじりクリープ法が精度も良く, ばねのへたりとも対応づけが可能である.
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