樹木医学研究
Online ISSN : 2189-7204
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10 巻, 2 号
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口絵
巻頭言
論文
  • 渡邉 章乃, 矢口 行雄
    2006 年 10 巻 2 号 p. 63-68
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2020/10/01
    ジャーナル フリー
    2003年11月,東京都世田谷区でイチョウの葉に褐色の斑点を生じた後,周縁部が黄化褐変し,早期に落葉する病害が発生した.病斑上には分生子層および子嚢殻が多数観察された.これら病斑部の分生子層には,無色,単胞,円筒形,大きさ17.9〜20.4×5.1〜7.7 µm(平均18.4×6.9 µm)の分生子が形成され,発芽時には褐色,厚膜,棍棒状,大きさ8.9×9.6 µmの付着器を形成した.子嚢殻は黒色,球形〜楕円形で,大きさ114-178 µm,子嚢は無色,棍棒状,大きさ33.2〜63.8×5.1〜10.2 µm(平均43.5×7.8 µm)で内部に8個の子嚢胞子を形成した.子嚢胞子は,無色,単胞,円筒形〜紡錘形でやや湾曲し,大きさ12.8〜17.9×5.1〜7.7 µm (平均17.1×6.4 µm)であった.また得られた分離株を用い接種試験を行った結果,イチョウの葉に病原性を示した.これらの結果から本病はGlomerella cingulata (Stoneman) Spaulding & Schrank (=Colletotrichum gloeosporioides (Penzig) Penzig and Saccardo)によって引き起こされた炭疽病であることが確認された.本病をイチョウ炭疽病と呼称することを提案する.
短報
  • 村木 尚子, 柳川 久
    2006 年 10 巻 2 号 p. 69-71
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2020/10/01
    ジャーナル フリー
    北海道帯広市において森林性鳥獣類による樹洞の利用実態を明らかにするために,利用種および利用数の季節変化を,一年を通して日中と夜間に調査した.樹洞の一次生産者であるキツツキ類3種と,二次利用者である鳥類および哺乳類12種が確認された.樹洞は,日中,夜間ともほぼ一年を通して利用され,利用率が最も高い時期は日中で6月,夜間で7月であったが,利用率の季節変化は日中と夜間で同調していた.二次利用者鳥類による利用は繁殖期(夏)に多く,アカゲラ,コアカゲラ,ゴジュウカラおよびエゾモモンガによる利用は一年を通してみられた.繁殖のためだけでなく,ねぐらや休息のために樹洞を利用する種もみられ,樹洞は多様な鳥獣類によってさまざまな用途で利用されていた.
臨症事例
解説
シンポジウム
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