樹木医学研究
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27 巻, 2 号
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論文
  • 小久保 亮
    2023 年 27 巻 2 号 p. 103-110
    発行日: 2023/04/30
    公開日: 2024/12/13
    ジャーナル フリー

    共振測定は外観に欠陥が見られない幹の非破壊診断において有用と考えられる.最近,幹を振動させ非破壊診断する振動共振測定装置が開発されたが,計測可能な範囲としての幹の直径は分かっていない.そこで,5樹種14個体(シラカンバ,ニオイヒバ,イチョウ,メタセコイア,クリ)を用いて振動共振装置による測定を用い,幹周と共振時の振動の大きさの関係を調べた.加振して幹に生じた振動を高速フーリエ変換し,3つの振動のパラメータの条件(共振周波数 > 500 Hz,-90° < 位相 < 35°,振動の大きさ > 12 dBV)を満足する最も低い周波数の振動のピークを共振とした.その結果,樹種に関わらず,幹が太いほど共振時の振動の大きさが小さくなる傾向を示し,(共振時の振動の大きさ = 41.52-19.32 × 幹周,相関係数:r = 0.890),そして幹周0.47~1.85 mが測定できた.従って,もし共振時の振動の大きさが0なら,幹周は約2.2 mである.以上より,本試験の振動共振装置では,供試した直径15~60 cmの幹は測定可能だが,70 cm以上は測定不能であることが示唆された.

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シリーズ:マツ材線虫病をめぐる今昔物語
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