インドネシアにおける森林減少問題の原因を, インドネシア林産業の今後の原料需要と関係付けて明らかにしようとした。研究の結果は , インドネシアの森林減少の主要な原因は外領(インドネシアの中のジャワ島以 外の地域) への移民政策, 林地の他地目への変換, 粗雑な焼畑, 森林火災, そして過伐乱伐さらにほ盗伐といった林木の不法伐採であることを示している。こうした不法伐採が行われ続けている根本的な原因は木材加工施設が過剰に設立·操業されていることにある。現状のままて推移すれば,早くも2000年に木材需要量は 木材供給の許容量を超える。事態を打開するために講じられるべき施策の主なものは,(1)林木伐採と均衡する再造林事業の遂行,(2)過伐乱伐や不法伐採を規制するための法的規制と森林監守体制の強化, (3)持続可能な経営を実現するための森林経営のあり方の是正, である。
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