Tropics
Online ISSN : 1882-5729
Print ISSN : 0917-415X
ISSN-L : 0917-415X
11 巻, 1 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 若月 利之
    2001 年 11 巻 1 号 p. 1-2
    発行日: 2001年
    公開日: 2009/01/06
    ジャーナル フリー
  • 金子 洋三
    2001 年 11 巻 1 号 p. 3-4
    発行日: 2001年
    公開日: 2009/01/06
    ジャーナル フリー
  • 高橋 一馬
    2001 年 11 巻 1 号 p. 5-13
    発行日: 2001年
    公開日: 2009/01/06
    ジャーナル フリー
    アフリカ・サヘル地域の砂漠化防止と地域住民の生活改善・食糧自給を目指して,緑のサヘルは 1991 年に東京で結成された。創立直後,現地調査団を派遣し,地域住民のニーズの掘り起こしや行政府との折衝を行い,翌 92 年よりチャドのオペレーションを開始した。チャドの事業をすすめる一方,都合 3 回の現地調査を経て. 1996 年に調整事務所を開設して,ブルキナファソのプロジェクトを立ち上げた。プロジェクトサイトのあるタカバングゥ村はフソレキナファソ圏内でも最北東部に位置し,雨期の 300~400mm の降雨で,住民は基幹作物であるソルガム(モロコシ) .ミレット(トウジンビエ),ササゲ等を栽培している。しかしそれだけでは充分ではなく,ウシ,ヤギ,ヒツジを飼養する半農半牧で生計を立て,不足分は近傍での金掘りとアビ、ジャン等の大都市への出稼ぎで補っている。プロジェクトは村内の男女 2 組の農民組合と共同で,出来るだけ外部からの投入財を押さえること,話し合いに基づき労働力や事業費の一部負担等,住民の積極的な参加を条件として:
    1) ミレッ卜栽培地でもある古砂丘斜聞上に生じたガリ侵食の防止
    2) コミュニティフォレストリー,居住空間の緑化,果樹等有用樹の植栽,植生保護区内への補植,植林活動の活性化
    3) 女性組合を対象に,改良カマドの普及および乾期の浅井戸を活用した野菜栽培の普及 等の活動を重点的に実施している。
  • 増田 美砂
    2001 年 11 巻 1 号 p. 15-21
    発行日: 2001年
    公開日: 2009/01/06
    ジャーナル フリー
    報告では,まず熱帯林をめぐるグローバル化の流れとして,植民地期における林野制度の近代化. 1990年代以降における木材市場の拡大,および 1990 年代以降,国際社会主導のもとに展開する熱帯林対策という 3つの段階に分けて概観した。次に,近年普及した参加型手法ならびにステイクホルダーという概念に照らして熱帯林をみたのち,日本の林業分野における国際協力のあり方について検討した。その中で新たに登場してきた社会林業について,その背景をなす分権化の問題点をインドネシアの黒檀産地を事例に考察し,国際市場に翻弄される産地の脆弱さ,および地方政府の有するキャパシティの問題として整理した。
  • 当事者としての現場
    安藤 和雄
    2001 年 11 巻 1 号 p. 23-31
    発行日: 2001年
    公開日: 2009/01/06
    ジャーナル フリー
    国際協力における熱帯研究、なかでも国際協力の一環として行われている農村開発の現場では、当事者的なかかわりがもてる現場にしっかりと足をおろした研究が求められています。農村開発の現場は、熱帯における人々の暮らす実体がともなった地域です。その地域に暮らす自分をつよく意識することが当事者的意識を育て、地域を捉える視点を覚醒させます。国際協力事業団の研究協力事業として実施されてきたパングラデシュにおける農村開発にかんする実践的な研究の現場でっかむことができた見方が、在地性という地域を捉える視点です。農村開発によってもたらされる変革は過去と未来が、水彩画の修正が元の絵に馴染ませるように色を塗ることで達成されるように、現実が変化していくことです。これが農村開発における求められる開発の姿です。馴染むことこそが、開発によってもたらされた変化が在地化することであり、在地性を獲得していくことです。在地の技術とは、在地性を核にし、絶えず変化しつつづける、農民の知恵が主体的に育んでいる技術です。この点が過去に重きをおいた固定的な伝統技術とは大きくことなります。本報告では、在地の技術の典型例として、乾季の高収量品種栽培における伝統稲作技術の適用、深水アマン稲栽培における2 回移植方法を、農村開発における在地の技術の応用例として私たちが開発した河川侵食進行防止法を紹介します。在地の技術の発見と展開には、当事者的に現実と向かいあう主体的な研究アプローチが必要です。こうしたアプローチは国際協力の現場における熱帯研究の醍醐味でもあります。研究と実践の求離が「熱帯研究栄えて、熱帯滅びる」という状況をつくりださないためにも、農村開発という国際協力の現場にかかわていきた経験から、当事者的意識によって現場とかかわる熱帯研究をおおいに模索してはどうかと提言します。
  • アフリカの稲作振興に対する台湾の国際協力の過去,現在,そして将来展望に焦点を当てて
    謝 順景
    2001 年 11 巻 1 号 p. 33-58
    発行日: 2001年
    公開日: 2009/01/06
    ジャーナル フリー
    アフリカは南半球で最も大きな大陸である。南端と北端の 2 つの温帯地域とそれに連なる 2 つの亜熱帯地域に挟まれた熱帯地域を包含し,極めて多様な生態環境を有する。この地理的条件により,アフリカの人々は多様な作物を栽培する。 6 億 5500 万人の大部分は農業に従事している。 主要食物はソルガム,ミレット等の雑穀類,とうもろこし,小麦,大麦,米,それにヤム,キャッサパ,サツマイモ,ジャガイモ,タロイモ等の根塊茎作物から成る。アジア稲は大変好まれている穀物であり,現在では,在来のアフリカ稲にとって代わっている。
    人口増加による食糧問題を解決するために,ほとんどのアフリカの国々が稲の生産増に尽力している。稲の生産増を助けるために,台湾はアフリカへ技術援助を行った国の一つである。ここ 39 年間,国際技術合作委員会および国際合作発展基金会を通して,台湾は多数の専門家および技術者を世界の 6 つの地域に派遣した。台湾のアフリカにおける農業合作計画は. 1961 年に農業技術協力隊をリベリアに派遣して始まった。翌年. 23 の協力隊(合作隊)チームがアフリカ各地に配置されたが,後にそのうちいくつかは撤退した。 2001 年 5 月 1 日現在. 8 つの協力隊チームがアフリカ諸国で活動している。
    この 39 年間で,アフリカの農業技術協力隊チームは 24 カ国,全体で 28,631 ha の水田を開墾した。同時に 18,244 ha の濯瓶水田に導水するため,全体で 2,784 km の濯淑用水路と1,524 km の排水用水路も建設した。このような稲作基盤の整備はアフリカ諸国の稲生産力を向上させるのに重要な役割を果たした。
    報告では,アフリカ 13 カ国(ブルキナファソ,チャド,中央アフリカ共和国,カメルーン,ベニン,ガンピア,ギニアビサウ,コートジボアール,リベリア,マラウイ,モーリシャス,ニジエール,セネガル)における台湾の稲生産技術援助に焦点を当てた。アフリカにおける稲作技術協力におけるこれらの台湾モデルの過去の成果と技術移転時の諸問題を考察して,今後の技術協力の展望を述べた。
feedback
Top