インドネシア西 スマトラの熱帯雨 林 に設置された1 haの 生態調査用プロット内に自生する樹木のうち樹木の樹皮の分析を 15 元素 (S,K,ALCa,M&a,Si,Na,B,Cu,Fe,Mn,P,Sr, Zn)について行った。それらの分析結果 より,それぞれの元素について最も含有量の 低い下位 5% (この場合23樹木) を各元素の非集積性樹 木と定義した。これら非葉 樹木の分布と土壌養 性との関係を調べた。プロット内において K, Si, Na, B, Cu, Mn, P, Sr非 集積性樹木は集中的な,Al, Mg, Cl, FE非集積性樹木はランダムな,そしてS, Ca集積性樹木は規則的な分布を示した。いくつかの元素芽の集 積性 樹 木の分布パターンは土壌養 性に影響を受けているようであった。K, Al, Ca, Na, B, Cu, Mn, Sr, Zn集積性樹木はそれぞれの元素の土壌中可溶態 の低い部分に分布する傾向が認められた。しかし他の元素の 芽集 積性 樹 木の分布については土壌との間に明らかな関係は認められなかった。次に,樹木(集積性樹木と非集積性樹木)中の元素含有量と土壌中の養分濃度との関係を調べた。その結果K, Al, B, Mn, Srについて 1-10% の 危険率で正の相関が、Sに 5% の危 険率で負の相関が認められた。また,有意性 は認められなかったが,Mg, Si, Pは負の相関を,そしてCaとZnは正の 相関を示した。
抄録全体を表示