ニュージーランドで採集された
Zoysia minimaの種子および茎頂からのカルス形成と植物体再分化に及ぼす基本培地に添加された2, 4-Dの濃度, 硝酸銀, 炭素源およびBA添加効果について検討した。種子からの高い再分化率は, LS基本培地に2, 4-Dを比較的低い濃度 (0.5および1mg/l) で添加した培地から得られたカルスで観察された。硝酸銀の添加効果は, コンパクトカルス誘導および植物体再分化において認められなかった。5種類の炭素源を比較した結果, マルトースが再分化培地に加える炭素源として比較的有効であった。コンパクトおよびフライアブルなカルスは, 培養開始後約10日で茎頂の基部に発生した。茎頂からの高い再分化率は, 1mg/12, 4-D添加培地で形成されたカルスを, 比較的低い濃度 (0.5~2.0mg/l) のBAを添加した再分化培地移植した場合に観察された。本研究で, 茎頂から形成されたコンパクトカルスから植物体再分化に成功し,
Z.minimaにおいて茎頂は高い再分化率をもたらす外植体であることが明らかとなった。
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