芝草研究
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35 巻, 1 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 山家 愛祈, 三堀 友子, 土田 智美, 新宮 良宜, 有江 力, 米山 勝美
    2006 年 35 巻 1 号 p. 1-14
    発行日: 2006/10/31
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    芝草病害の診断をより簡便に行うために, 病原菌ゲノムDNAのrDNAにおけるintemal transcribed spacer (ITS) 領域の多型に基づくDNAマーカーを用いた簡易同定法の開発を行った。芝草病害としては葉腐病 (ラージパッチおよびブラウンパッチ) , 葉枯病, ダラースポット病, 赤焼病, ピシウム病, 擬似葉腐病, 炭疽病, 立枯病の発生が大きな問題となっている。そこで, これら病害の病原菌のrDNAにおけるITS領域の違いに着目して特異的なPCR用プライマーの構築を試みた。カーブラリア葉枯病のCurvularia sp.難胞子形成菌に対するプライマーCD1-CD2, ダラースポット病菌Sclerotinia homoeocarpaのプライマーDr1-Dr2およびDrL1-DrL2, 葉腐病菌Rhizoctonia solani AG2-2菌およびR.solani AG-1に対するプライマーとして各々RSY1-RSY2とR1S1-R1S2, 疑似葉腐病菌binucleate Rhizoctonia AG-DのプライマーAGD1-AGD2, 赤焼病菌Pythium aphanidermatumのプライマーPas1-Pas2, ピシウム属菌を広く検出できるプライマーPAV1-PAV2, 炭疽病菌Colletotrichum graminicolaのプライマーCg1-Cg2, 立枯病菌Gaeumannomyces graminis var. triticiに対するプライマーGTA1-GTA2を構築した。これらのプライマーを用いて, 病原菌ゲノムDNAを鋳型としてPCRを行ったところ, 各病原菌に対して特異的なDNA増幅断片長が確認、された。さらに, 各病原菌の増幅DNA断片長に相違を生じるようにプライマーセットを構築することで, 一度のPCRで4種類の病原菌を同時に特定することに成功した。この簡易同定法は罹病葉における微量な病原菌の存在も確認できるため, 発生初期の病害診断技術として応用可能であると考えられる。
  • 大西 一弘, 廣森 創, 廿日出 正美
    2006 年 35 巻 1 号 p. 15-18
    発行日: 2006/10/31
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    静岡県の西部地区のゴルフ場で発生するクシナシスジキリヨトウとスジキリヨトウの発生消長を比較するため, フェロモントラップを使って成虫の捕獲数調査を行った。クシナシ成虫の発生は, スジキリヨトウの第1化期に当たる5月中旬では, バミューダグラス主体のゴルフ場を除いて確認ができず, 7月に入ってから確認できた。スジキリヨトウの発生は, 調査したすべてのゴルフ場で9月下旬に発生が終了し, 第4化期の発生は起こらず, 代わりに12月上旬までクシナシスジキリヨトウ成虫が, トラップで捕獲された。
  • Yoshie Terashima, Azusa Fujiie
    2006 年 35 巻 1 号 p. 19-24
    発行日: 2006/10/31
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    気温と3種類の担子菌, チビホコリタケ (Bovista dermoxantha) , ヒダホコリタケ (Vascellum curtisii) , キコガサタケ (Conocybe lactea) の芝生における夏季の子実体発生との関係を, 害虫の発生時期の予測に使われる手法により調べた。千葉市の芝草試験圃場における1999年から2003年の子実体数と測候所での平均気温記録を利用した。チビホコリタケ, ヒダホコリタケ, キコガサタケの低温側の理論的発育零点は, それぞれ14.6℃, 17, 0℃および8.8℃と推定された。各菌の発育零点以上の日平均気温を積算した (有効積算温度) 。5年間の総子実体発生に対する累積子実体数百分率のプロビットと有効積算温度とは3種類とも相関関係を示し, 単回帰式の寄与率は約0.6以上であった。170m2以下の面積の観察地における毎日の子実体数調査から得られたプロビットと有効積算温度との間にも同様の相関関係が見られた。チビホコリタケとキコガサタケの日々の生長を測定した結果, 前者子実体の平均直径と発生期間は11.5mm, 5.8日間で, 後者子実体の高さと発生期間は36.8mm, 1.8日間であった。このように, これら菌の特徴のひとつとして, 寿命が短いことが挙げられた。
  • 赤嶺 光, 河瀬 亮輔, 川本 康博, 石嶺 行男
    2006 年 35 巻 1 号 p. 25-27
    発行日: 2006/10/31
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    コウライシバが優占する与那国島北牧場において, 海崖の縁2mの地点から内陸に向け約50m間隔で0.25m2の方形区を5カ所設け, 年間6回の刈り取り調査を行い乾物生産量の季節的推移を明らかにした。また, 放牧密度を推定し芝生の成立条件を検討した。
    乾物生産量は, 2m地点で極端に少なく, 50m地点でも他の内陸部調査地点の半分以下となり, 著しい抑制が見られた。冬季の日乾物生産量は, 夏季に比べ減少するものの一定の生産量が維持されていた。
    また, 年間生産量は約3.5t/ha/年と推定され, 放牧密度は牛馬合わせて約1頭/haと試算された。
    以上から, 北牧場のコウライシバ草地の成立条件を考察すると, 海岸前縁部においては, 潮風による環境圧とコウライシバの適応能力が要因となり, 内陸部においては, 低温期にも一定量の生育を保つコウライシバの生育特性と適正な放牧圧が要因となると考えられる。
  • 小林 真, 蝦名 真澄, 霍田 真一, 高原 学, 稲福 政史, 中川 仁
    2006 年 35 巻 1 号 p. 28-34
    発行日: 2006/10/31
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    夏季利用を想定した低コストグラウンド造成試験を栃木県那須町で行い, トールフェスクおよびケンタッキーブルーグラスの播種翌年にシバポット苗を立毛中移植する方法により, 芝草被覆率が試験期間を通じて50%以上, 5年でシバ被覆率90%以上の芝生が造成できた。第1年の造成費は217万円, 管理費は145万円/年以下で, 芝刈機の共用化等を行えば年間管理費は数10万円レベルに低減できうることが示された。グラウンドの利用は夏季に集中したものの, 人数・時間当たりの芝生面積 (試算値) は校庭における既報と比較して試験地は数10分の1であった。このような利用条件であれば, 本報で示した造成法によって灌水施設のないところでも低コストで芝生グラウンドが造成できることを示し, 芝生のグラウンドをより身近なものにできると考える。
  • 小笠原 勝
    2006 年 35 巻 1 号 p. 35-37
    発行日: 2006/10/31
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
  • ―全国現場からのレポート―
    山田 孝雄
    2006 年 35 巻 1 号 p. 38-44
    発行日: 2006/10/31
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
  • 藤崎 健一郎
    2006 年 35 巻 1 号 p. 45-47
    発行日: 2006/10/31
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
  • 飯塚 克身
    2006 年 35 巻 1 号 p. 48-49
    発行日: 2006/10/31
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
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