芝草研究
Online ISSN : 1884-4022
Print ISSN : 0285-8800
ISSN-L : 0285-8800
40 巻 , 2 号
選択された号の論文の20件中1~20を表示しています
総説
研究論文
  • 加藤 正広, 安藤 光一
    2012 年 40 巻 2 号 p. 130-136
    発行日: 2012/03/31
    公開日: 2021/04/22
    ジャーナル オープンアクセス
    クリーピングベントグラス品種シーワイツーとペンクロスの殺菌剤無処理および殺菌剤処理管理下における病害発生程度および芝生表面に付着した水滴のEC値, 無機成分含量を調査した。その結果, 殺菌剤無処理区では, 殺菌剤処理区よりダラースポット病のパッチ数は多く, ブラウンパッチの発病面積率は高く推移する傾向がみられた。また, ペンクロスにおけるダラースポット病のパッチ数は, シーワイツーよりも多い傾向がみられた。殺菌剤無処理区の芝生表面に結露した水滴のEC値は, 殺菌剤処理区におけるEC値より高く推移する傾向がみられた。また, シーワイツーのEC値は, ペンクロスのEC値より低く推移する傾向がみられた。殺菌剤無処理区の芝生表面に結露した水滴のK, Ca, Mg濃度はいずれも殺菌剤処理区より高く, シーワイツーの芝生表面に結露した水滴のK, Ca, Mg濃度はペンクロスより低かった。これらの分析結果から, クリーピングベントグラスの芝生表面では, 結露した水滴中へ葉からK, Ca, Mgが溶出し, その濃度には品種間差があり, 病害発生による茎葉部の障害に伴い芝生表面に結露した水滴中へ無機物質が溶脱することが示唆された。
    以上のことから, 病害や殺菌剤の処理の有無がクリーピングベントグラスの芝生表面に結露した水滴のEC値および無機成分濃度に影響を与え, 水滴のEC値および無機成分濃度は, 病害等によって被った障害の程度を簡易にかつ客観的に評価する指標になると考えられた。
短報
  • 安藤 光一, 加藤 正広
    2012 年 40 巻 2 号 p. 137-140
    発行日: 2012/03/31
    公開日: 2021/04/22
    ジャーナル オープンアクセス
    クリーピングベントグラスの芝生表面に晩秋に結露した水滴の無機成分の原子吸光法による測定時の干渉抑制剤の添加効果が確認された。K濃度の測定では, 干渉抑制剤として炭酸カルシウムの添加が無添加に比べて高い値となる傾向が認められた。Ca濃度の測定においては, 干渉抑制剤として塩化ランタンの添加が無添加に比べて有意に高い値を示した。しかし, Mg濃度の測定においては, 干渉抑制剤として塩化ランタンを添加しても測定精度の明確な向上は認められなかった。ペンクロスの葉身上に晩秋に結露した水滴の無機性分濃度はシーワイツーに比べて高いことが示された。EC値と干渉抑制剤を添加して測定したK, Ca, Mgの値との相関は非常に高かった。
  • 田 禾, 浅井 俊光, 近藤 三雄
    2012 年 40 巻 2 号 p. 141-144
    発行日: 2012/03/31
    公開日: 2021/04/22
    ジャーナル オープンアクセス
    芝生屋根緑化によって冬季に室内の暖房効率を高めることができるか否かについて明らかにするため, GRC製の約0.32m3の空間面積を有する模擬実験装置を作成した。これに, 日本芝と西洋芝を植栽した実験区と無植栽区の3実験区を設置し, 冬季の屋外環境下と人工環境気象室内にて土壌層や模擬実験装置内部の温度変化を測定した。
    その結果, 日本芝区, 西洋芝区共に無植栽区よりも暖まりにくく, 平均温度は低かったが, 温度の変動幅については小さく, 特に夜間やヒーターユニット作動停止後の温度低下を抑えることが可能であった。また, 日本芝区, 西洋芝区共に植栽層や土壌層が熱を奪う性質が強く, 断熱材としての利用には不向きであり, むしろ, 冬季の太陽放射を積極的に受け蓄熱することによって, 室内の温度を高く保つことができるものと推測される。さらに, 冬季の室内の保温という観点からは, 冬枯れをする日本芝の方が土壌水分量や蒸発散量が大きくなり過ぎず効果的であった。
  • 岡崎 麻衣子, 阿部 拓也, 小笠原 勝
    2012 年 40 巻 2 号 p. 145-147
    発行日: 2012/03/31
    公開日: 2021/04/22
    ジャーナル オープンアクセス
    スズメノカタビラのグリーンへの適応性を解明するために, グリーン由来系統と果樹園由来系統の履歴の異なる2つの系統を用いて, 種子生産に対するエネルギー投資率を比較した。
    その結果, 果樹園由来系統の種子生産へのエネルギー投資率 ((総種子数/個体)/(茎葉乾燥重/個体), (総種子重/個体)/(茎葉乾燥重/個体)) は, いずれも出穂30日後では, グリーン由来系統の値を上回ったが, 出穂60日後では, 両者の値が近似し, 出穂90日後では逆に, パッティンググリーン由来系統の値が果樹園由来系統の値を大きく上回った。このことは, 種子へのエネルギー投資率は出穂後の比較的に間もない時期では, 果樹園由来系統でやや高いが, 出穂から時間を経過した時期では, パッティンググリーン由来系統の投資率が著しく高いことから, スズメノカタビラのパッティンググリーンへの適応戦略の一つとして, 種子生産により多くのエネルギーを投資することが考えられた。
実用記事
報告
資料
講演要旨
feedback
Top