芝草研究
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44 巻 , 2 号
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総説
研究論文
  • 加藤 正広, 安藤 光一
    2016 年 44 巻 2 号 p. 128-137
    発行日: 2016/03/31
    公開日: 2021/04/22
    ジャーナル オープンアクセス
    耐暑性および耐病性の異なるクリーピングベントグラス (Agrostis palustris Huds.) 品種シーワイツーとペンクロスを用い, 品種間の違いが夏季の芝生品質と芝生表面に結露した水滴のEC値と無機成分濃度および葉身からのEL値と葉身の振とう抽出液の無機成分濃度に与える影響を調査し, これらの関係について検討した。その結果, 夏季の高温時のダラースポット病のパッチ数およびブラウンパッチの発病面積率はシーワイツーがペンクロスに比べて少ない傾向がみられ, 芝生品質もシーワイツーがペンクロスに比べて常に高く推移した。芝生表面に結露した水滴のEC値は, シーワイツーがペンクロスに比べて常に低く推移し, 品質評価の品種間の違いと一致した。しかし, 葉身からのEL値の品種間の違いは, 品質評価の品種間の違いを反映しない場合があった。葉身中位部の振とう抽出液のMgとCa濃度は, シーワイツーがペンクロスに比べて低く, 品質評価, 芝生表面に結露した水滴のEC値および無機成分濃度の品種間の違いと一致した。以上のことから, シーワイツーとペンクロスの夏季の生育衰退程度の品種間の違いは, 夏季の高温や病害による葉身の損傷に伴う葉身からの無機成分の溶出に影響を及ぼし, 芝生表面に結露した水滴のEC値, 葉身中位部の振とう抽出液のMgやCa濃度に反映されると考えられた。
短報
  • 岡崎 麻衣子, 小笠原 勝
    2016 年 44 巻 2 号 p. 138-141
    発行日: 2016/03/31
    公開日: 2021/04/22
    ジャーナル オープンアクセス
    グリーンおよび果樹園由来のスズメノカタビラ種子を2014年9月に播種し, 野外条件下で育成した。グリーン由来個体は2014年11月, 2015年3月, 4月および5月に, 果樹園由来個体は2014年11月, 12月, 2015年3月, 4月および5月にそれぞれ種子を生産した。種子の生存率は形成時期の違いにかかわらずグリーンおよび果樹園由来個体で約90%以上であった。種子千粒重はグリーンおよび果樹園由来個体で3月に形成された種子で最大値を, 5月に形成された種子で最小値を示した。
    培養器内発芽率はグリーン由来個体では11, 3, 4および5月形成種子で84.0±4.2%, 39.5±7.5%, 72.4±4.6%および65.8±17.6%と比較的高かったのに対して, 果樹園由来個体では11, 12, 3, 4および5月形成種子で0.4±0.9%, 0%, 0%, 0%および0.6±0.4%と著しく低かった。野外発芽率はグリーン由来個体では3月および5月形成種子で36.0±11.5%および41.5±19.4%であったが11月および4月形成種子は全く発芽しなかった。一方, 果樹園由来個体では, 5月形成種子で1.0±2.1%の種子が発芽しただけで, 11月, 12月, 3月および4月形成種子は全く発芽しなかった。培養器内発芽率と野外発芽率の結果から, グリーン由来個体のスズメノカタビラ種子の休眠性は果樹園由来種子より浅く, 形成時期によっては一次休眠, 二次休眠あるいは環境休眠に入ることが示唆された。
  • 朝野 聡, 堀川 浩之, 福長 一義, 大貫 雅也, 小林 杏奈, 小林 千史, 田島 治
    2016 年 44 巻 2 号 p. 142-147
    発行日: 2016/03/31
    公開日: 2021/04/22
    ジャーナル オープンアクセス
    教育やスポーツ環境としての校庭芝生化の効果を実証するための基礎資料を得ることを目的として, 芝生グラウンドと土グラウンドの異なる2つの環境下に滞在時の生体の反応を生理学的な指標, 特に唾液アミラーゼ活性の測定や近赤外分光法 (NIRS) による脳血流の変化に着目して比較を試みた。
    6名の被験者に対し2つのグラウンドの環境下でアイマスクを装着して視覚を遮断したのち芝生あるいは土表面を注視しながら安静状態で測定を行った。2つの条件下では心拍数と血圧はほぼ同値であり差がなかったが, 唾液アミラーゼ活性は芝生グラウンドでの値が土グラウンドに比べて低値を示した者が多く, 土グラウンドで測定された平均値と標準偏差は30.6±9.3 (KU/L) に対して芝生グラウンドでは20.7±3.3 (KU/L) であり, 芝生グラウンド滞在時の方が若干低い傾向がみられた (p=0.055) 。NIRSによる脳血流の比較において芝生グラウンドに滞在時の値の方が高い傾向があり, 特に前頭葉中央部 (9ch; p<0.05) と左側部 (13ch; p<0.10) では脳血流の積分値にその違いが観察された。
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