芝草研究
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13 巻, 1 号
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  • 大部 善之, 稲葉 孝己, 冲中 健
    1984 年 13 巻 1 号 p. 5-8
    発行日: 1984/07/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    寒地型芝草は, 夏季の高温時に生育が緩慢となり, 雑草に駆逐されやすい難点をもつため, 雑草防除が極めて重要なものになってくる。
    本研究では, 雑草防除条件が寒地型芝草の生育に及ぼす影響を把握することを目的とした。実験区として, 人の手による除草区 (H.P.区) , 除草剤散布による除草区 (HERB区) , そして, 無処理区の合計3処理区を設定した。
    実験結果を要約すると以下のとおりである。
    1) H.P.区において, 芝草の被度は9月上旬には約54%にまで減少したが, 再び増加傾向を示し, 10月中旬には約94%まで回復した。
    2) HERB区と無処理区の両方とも, 芝草の被度の変動は雑草の被度変化に密接に関連していた。
    3) ペレニアル・ライグラスの茎密度は, 全処理区とも8月下旬まで減少し, H.P.区はその後回復する傾向を示し芝草の被度の増加に関連すると考えられた。
    4) ペレニアル・ライグラスの分けつ数は, 8月下旬以降に各処理区の間に差異がみられ, H.P.区が最も大きな増加傾向を示した。
  • (2) 選択作用性と植物体内の行動
    竹松 哲夫, 竹内 安智, 米山 弘一
    1984 年 13 巻 1 号 p. 9-14
    発行日: 1984/07/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    1.アシュラムの芝草に対する影響
    (a) コウラィシバとギョウギシバに対する茎葉処理による影響
    300gと750g (10a) のアシュラムを茎葉処理し, 20日, 40日および60日後に芝草の茎葉部刈取重量を測定したところ, コウライシバでは20日後に10~30%減少したが, 40日では0~13%, 60日後には0%の減少であった。しかし, ギョウギシバでは300g (10a) 区で20日, 40日後も40, 45%減であったがその後徐々に薬害は小さくなった。750g (10a) 区では処理後, 日数の経過とともに薬害が大きくなり芝草は著しく退化した。
    (b) コウラィシバに対する根部処理の影響
    300gと750g (10a) のアシュラムを根部処理し, 20日40日および60日後に芝草の茎葉部刈取重量を測定した。20日後には50~60%, 40日後には4~5%~20%減少したが, 60日後には無処理区と差がなかった。
    (c) コウライシバに対する処理時期と薬害
    5月中旬~6月中旬あるいは10月上旬の処理は芝草に対する影響が小さいが, 夏期の高温・多湿時には葉焼けと軽い生育抑制があり, 冬期の低温時処理は春になってから根部を通じての生育抑制がみられた。
    (d) 他の除草剤がアシュラムのコウライシバ選択性におよぼす影響
    ほとんどの除草剤はアシュラムのコウライシバ選択作用性に影響を与えないが, 製剤形態が乳剤のものとオーキシン型除草剤はアシュラムとの組合せでわずかながら芝草茎葉の黄化・抑制を促進した。
    2.コウライシバとギョウギシバ植物体内におけるアシュラムの残留
    5, 000ppmのアシュラムを茎葉処理し, 6日後, 10日後および16日後にコウライシバとギョウギシバ植物体内のアシュラムの残存量を測定した。コウライシバでは6日後に21ppmであったが, 16日後には6.3ppmまで低下した。ギョウギシバでは6日後に9.9ppmであったが, 16日後でも8.8ppmであった。
  • 竹松 哲夫, 近内 誠登, 竹内 安智
    1984 年 13 巻 1 号 p. 15-22
    発行日: 1984/07/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    1.殺草スペクトル
    雑草発生前の土壌処理ではChlornitrofenは250g (10a) でイネ科雑草のメヒシバ, スズメノカタビラに卓効があったが, ある種の広葉雑草には効きにくかった。しかし, 500g (10a) ではほとんどの雑草に効果があった。雑草発生後の茎葉兼土壌処理ではイネ科雑草には効きにくかったが, 広葉雑草にはやや効果が大きかった。
    2.他剤との共力効果
    Chlornitrofen 125~250g (10a) とAtrazine, またはSimazineを30g (10a) 組合せると雑草発生前の土壌処理でも, 雑草発生後幼植物期の茎葉兼土壌処理でも共力効果がみられ, ほとんどの雑草に卓効があった。
    3.土質と除草効果
    Chlornitrofenのメヒシバとスズメノカタビラに対する土壌処理による除草効果は土壌の種類が違っても大きく変動しなかった。しかし, 土壌表層にサッチが存在するとメヒシバに対する除草効果は低下した。
    4.芝草に対する薬害
    芝草の根部を通じても, また茎葉を通じてもChlornitrofenの薬害は全くなく, 高温時処理でも芽立ち直前の処理でも薬害がなかった。
    5.圃場試験
    Chlornitrofenは1年生イネ科雑草には大きな効果を示したが, 広葉雑草にはやや劣った。しかし, ChlornitrofenにSimazine, またはAtrazineを1/10位加用すると1年生イネ科および広葉雑草に大きな防除効果がみられた。
    サッチの少ないところでは250~500g (10a) と, サッチの多いところでは500~750g (10a) とSimazineまたはAtrazineと混合して使用すると安定した効果が得られる。
  • 広田 秀憲, 塩沢 克之
    1984 年 13 巻 1 号 p. 23-28
    発行日: 1984/07/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    芝草の初期生育における耐陰性の強弱とその機作を知るために寒冷紗を用いた人工的な庇陰環境 (60%遮光, 80%遮光) のもとでポット試験によって幼植物を栽培した。
    供試草種はすべて市販種で, ケンタッキープルーグラス (KB) , レッドトップ (RT) , リードカナリーグラス (RCG) , バビアグラス (BaG) , バーミュダグラス (BeG) の5種である。
    遮光すると草丈は伸長するが, 葉数, 茎数, ほふく茎数, 根数, 根長, 葉面積, 乾物生産などはいずれも著しく低下した。
    初期生育における耐陰性はRCGとRTはやや高く, KBとBaは低かった。BeGは60%遮光ではRCGと同等の生育を示したが80%遮光では5草種中最も生育が劣った。
    芝草類は直立型の牧草類に比べて光が不足すると, 地上部, 地下部ともに生育が著しく抑制される。これらの草種を成植物群落の中へ追播する場合には, 光環境の改善のために頻繁な刈取が必要であろうと示唆した。
  • 輿水 肇, 藤原 亮三, 宮原 弘樹, 大久保 雅弘
    1984 年 13 巻 1 号 p. 29-34
    発行日: 1984/07/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    芝生地の雑草の発生態様が刈込みによってどのように変化するかを調べた。雑草防除は薬剤散布による方法が主流であるが, 公園芝生のように雑草の混在がある程度許容されるところでは, 刈込みによる雑草の制御が期待されるからである。
    1.神奈川県川崎市の西部台地上に位置する, 明治大学生田キャンパス内の, 造成後12年経過したコウライシバ芝生地を利用した。18m×9mの方形の試験地を設定し, 刈込み条件を変えて, 雑草の優占する群落の面積変化と出現種を, 5月から1か月毎に調べた。
    2.刈高は2.5cmと5.5cm, 刈込み間隔は1週, 2週, 4週間に各1回の3水準とし, 計6通りの試験区を設けた。全体を2分割し, 粒状化成肥料 (5-5-5) を179g/m2与える多肥区とその1/3の少肥区を設けた。11月にホールカッターで採取した試料について, シバの直立茎, ほふく茎, 根の部分に分けて長さと重量を求めた。
    3.刈込み頻度の高い区, 多肥区の方が直立茎の割合が多くなったが, 根部には差がなかった。刈高が5.5cmと高く, 刈込み頻度の高い区, 多肥区でいずれも直立茎と根の単位長さ当りの重量が増加した。
    4.シバ地の面積は8月に最小となり, 10月に最高となった。しかし週1回刈込み区はシバ地の面積が漸増し, 2週1回刈込み区は夏期のシバ地の減少はあるが, 秋には回復し, 4週1回刈込み区では雑草地の方が増加し, 特に5.5cmの刈高では雑草によって占められた。
    5.刈込みによる雑草の生活型スペクトルをみると, 低い刈込みではほふく型が減少し, 高刈ではこれが少なくならない。刈込み頻度は影響がなかった。ロゼット型は2.5cmの刈高で週1回の刈込みではほぼ一定の割合をしめ, それ以外ではいずれも増加した。
  • ―その基本的研究課題をめぐって―
    浅田 泰次
    1984 年 13 巻 1 号 p. 35-40
    発行日: 1984/07/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
  • 増田 拓朗
    1984 年 13 巻 1 号 p. 41-46
    発行日: 1984/07/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
  • 谷 利一
    1984 年 13 巻 1 号 p. 47-50
    発行日: 1984/07/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
  • III芝草に対する昆虫類の害虫化
    吉田 正義
    1984 年 13 巻 1 号 p. 51-72
    発行日: 1984/07/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
  • ―1981年度までは造園学年報より抜録補筆―
    北村 文雄
    1984 年 13 巻 1 号 p. 73-75
    発行日: 1984/07/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
  • 日本芝草学会芝草用語策定委員会
    1984 年 13 巻 1 号 p. 76-80
    発行日: 1984/07/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
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