芝草研究
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15 巻, 2 号
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  • 広田 秀憲, 小林 正義, 関東 良公, 上田 一之
    1987 年 15 巻 2 号 p. 125-130
    発行日: 1987/02/28
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    著者らの観察ではセンチピードグラスは新潟市の気象環境の下でも10数年は生きるものと考えられ, 耐寒性はバーミュダグラスとほぼ同じ程度に強く, 冬の極値が12°F (-11℃) 以上の気温で生育する。晩秋の霜枯れしたあと生育を停止する。年平均気温13℃の地域を北限としているため, 限界地帯では年によりかなり冬枯れするが, すべて枯死することはなく春になれば再び旺盛に生育を始める。
    ほふく茎は2次茎も3次茎も太く, 葉幅も3~4mmと芝草の中では広い方である。芝地としては管理しやすい草種である。病虫害にも強い。早春と秋にモグラの害を蒙ることがありモグレスなどの忌避剤をまく必要がある。
    本草種の用途としては, ゴルフ場のラフ, 公園の植込みの間, 運動場のフィールドや観覧席, あるいは道路, 堤塘などにおける平面や斜面の緑化などに普及性が高い。ほふく茎のもつ被覆力, 各節からの旺盛な発根力をもつと種々の方面に活用したいものである。
    なお, 本草種は飼料としての価値はあまり高くないとみられているが, 平準的な季節生産性を利用して兎, 羊など中小動物による放牧利用の可能性がまだ残されている。
  • 竹内 安智, 米山 弘一, 近内 誠登, 竹松 哲夫
    1987 年 15 巻 2 号 p. 131-136
    発行日: 1987/02/28
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    本研究はクロレラ抽出液 (クロレラエキス) の芝草にたいする生長促進, 特に不良環境下における耐性発現の機構を明らかにするために, クロレラエキス中のサイトカイニン類とブラシノライド願の活性, およびカルス細胞の増殖効果について検討を加えたものである。
    その結果, オオムギ葉のクロロフィル保持試験, ダイコン下胚軸伸長試験およびイネラミナジョイント屈曲試験においてクロレラエキス中にはサイトカイニンおよびプラシノライド活性はほとんど認められなかった。しかし, クロレラエキスはオーキシンの存在下でニンジン, ダイコン, タバコ, イネ, タイヌビエおよびノシバのカルス細胞の増殖を促進した。
    これらの結果から, クロレラエキス中の何らかの物質によって植物体内のサイトカイニン, またはブラシノライドのレベルが高められ, 植物の生理機能が向上するものと推察された。
  • 竹松 哲夫, 近内 誠登, 竹内 安智, 杉山 日出男
    1987 年 15 巻 2 号 p. 137-144
    発行日: 1987/02/28
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    ベンスライドは雑草発生前処理により, 1年生イネ科雑草と1年生カヤツリグサ科雑草に卓効を示したが, 1年生広葉雑草には効きにくい。雑草発生後の処理では除草効果は全雑草に劣った。
    ベンスライドと多くの除草剤の組合せ実験のなかで雑草発生前処理で除草効果を著しく向上させ, 殺草スペクトラムも拡大させる相手剤はアトラジン, シマジンであり, 次いでアシュラム・プロピザミド・エースフェノン・MCPAであり, これらの後にペンディメタリンであった。
    雑草発生後においても良好な組合せはアトラジン, シマジン, MCPAやアシュラムなどとの場合であった。しかし, 雑草の生育がメヒシバで3葉期をすぎるようになると効果は不完全になる。
    ヒメコウライシバにたいしてはアトラジン, シマジン, MCPA, アシュラム, プロピザミドやエースフェノンなどとベンスライドの組合せは全く薬害がなく, ベントグラスにたいしてはエースフェノンとの組合せが無害であった。
  • 廿日出 正美
    1987 年 15 巻 2 号 p. 145-150
    発行日: 1987/02/28
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    昆虫寄生性線虫が重要な芝草害虫に対してどの程度の感染力をもち, 殺虫力を示すか, さらに実用性があるか否やについて室内試験と小規模なフィールド試験を試みた。
    1.スジキリヨトウ幼虫に対する効果
    室内試験において3種類の昆虫寄生性線虫のスジキリヨトウ幼虫に対する感受性を調べた。N.c.Mexicanはどの令期においても高い殺虫力を示したが, N.c.Allは若令幼虫には高い殺虫力を示したが, 終令幼虫になるとその効果は劣る傾向を示した。効果の優れたN.c.Mexicanはかなり低濃度 (LIIIが50頭/ペトリー皿) でも感染力は強いことが明らかとなった。感染して死亡した幼虫からは, 処理後12日目には最高値で約20万頭の線虫の増殖が観察された。
    また, 小規模のフィールド試験においてN.c.Mexicanの: LIIIが8×104, 16×104頭区で高い殺虫力を示した。したがって, この線虫はスジキリヨトウに対して実用性が期待される。今後の問題として, 短時間に線虫がhostに侵入し, 感染させるための手法が課題になると思われる。
    2.コガネムシ類に対する効果
    芝草の難防除害虫に相当するコガネムシ類に対する有効な線虫の発見が望まれる。3種の線虫を用いて, ドウガネブイプイ, オオサカスジコガネ, マメコガネ幼虫に対する感染力を調べた。飼料混合法と浸漬法の2方法で感染性を調べたが, コガネムシに対して有望といわれていたN.glaseyiにおいても, それ程期待できる結果は得られなかった。
    スジキリヨトウには効果が認められたにもかかわらず, 何故, コガネムシ類には効果がないのか。その疑問については, 腸壁の厚さ, 腸内における線虫の生理的な問題, 共生菌の種類等々, 未知の分野が多く, 今後の研究成果が期待されよう。
  • 山岡 和美, 安原 稔, 室伏 武, 天野 昌二
    1987 年 15 巻 2 号 p. 151-160
    発行日: 1987/02/28
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    1.砂の割合を異にして透水性の異なるベントグリーンでの施肥法を確立するため緩効性肥料を主体とした約30gN/m2年の施肥設計により昭和59年および60年の2ケ年にわたり静岡県東部の富士小山ゴルフクラブのグリーン芝を供試して芝の品質の指標として芝中の全窒素含量の推移を経時的に測定した結果2年間の全体 (n=87) でT-N5.96%, 標準偏差0.517, 変動係数8.7が得られ, 透水性の異なるグリーンでも窒素含有量のほぼ同一で変動巾の比較的少さい芝を生育させることができた。
    2.砂の割合が大きく透水速度300~700mm/hrの床土でも塩基置換容量の大きい土壌改良資材の添加と緩効性肥料主体の施肥法により窒素含有量の高い芝を維持することができた。
    3.芝中窒素濃度の測定はグリーン芝の栽培管理に一つの客観的な指標を与え, 有力な武器になることが確認できた。
  • 春季、異なる薬剤散布日による影響について
    貴島 茂, 川添 永典
    1987 年 15 巻 2 号 p. 161-169
    発行日: 1987/02/28
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    ベントグラスに安全性が高いと考える6種類の発芽前処理型除草剤を使用し, 1982年3月2日, 3月10日3月19日, 4月1日に造成6.5年のペンクロス練習グリーンへ散布した。薬量は各薬剤共製品量で標準量と2倍量である。
    (1) シデュロン水和剤1.8g/m2, 3.6g/m2, ベンスライド乳剤2.0cc/m2, 4.0cc/m2, エースフェノン乳剤2, 0cc/m2, 4.0cc/m2およびTCTP (DCPA) 水和剤2.0g/m2, 4.0g/m2は各散布日共薬害は認められなかった。
    (2) MBPMC・MCP水和剤は各散布日共0.89/m2, 1.6g/m2の薬量で薬害は認められた。しかし, 4月1日散布では薬害の程度は微少であり回復も早く3月2日, 3月10日, 3月19日散布と異なる状態であった。
    (3) ニトラリン水和剤は1.Og/m2で3月2日, 3月10日散布で微少の薬害が認められた。しかし, 3月19日4月1日散布では薬害が認められなく, 散布日によって薬害の程度が異なった, 薬量0.5g/m2では薬害は認められなかった。
    ニトラリン水和剤のみ1981年2月24日, 3月3日, 3月17日, 3月30日, 4月7日散布した。
    造成5.5年のペンクロスベントグラス練習グリーンである。
    (4) ニトラリン水和剤0.5g/m2, 1.0g/m2共2月24日, 3月3日散布で薬害は認められた。しかし, 3月17日, 3月30日, 4月14日散布では薬害は認められなかった。
    (5) ペンクロスベントグラスの根は2月下旬頃から伸長し, 根の長さと除草剤の薬害の関係が認められる除草剤はニトラリン水和剤, MBPMC・MCP水和剤と考える。
    (6) ベントグラスグリーン周辺へ安全な発芽前処理型除草剤を使用することが大切だが, ベントグラス自身根が深くて充実した芝草に栽培しなくてはならない。
    (7) また, 散布日を吟味することによってよりベントグラスに安全でかつ雑草防除の適期を各コース考えなくてはいけないと考える。
  • 羽柴 輝良
    1987 年 15 巻 2 号 p. 170-178
    発行日: 1987/02/28
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
  • 樽本 勲
    1987 年 15 巻 2 号 p. 179-184
    発行日: 1987/02/28
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
  • 西尾 道徳
    1987 年 15 巻 2 号 p. 185-192
    発行日: 1987/02/28
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
  • 都留 信也
    1987 年 15 巻 2 号 p. 193-196
    発行日: 1987/02/28
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
  • 北村 文雄
    1987 年 15 巻 2 号 p. 197-201
    発行日: 1987/02/28
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
  • 日本芝草学会芝草用語策定委員会
    1987 年 15 巻 2 号 p. 202-213
    発行日: 1987/02/28
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
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