芝草研究
Online ISSN : 1884-4022
Print ISSN : 0285-8800
ISSN-L : 0285-8800
17 巻 , 2 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 本多 侔
    1989 年 17 巻 2 号 p. 121-144
    発行日: 1989/01/25
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    現在各種造園・運動施設・土木工事等に広く使用され, また日本各地に自生する、日本芝の最も基本的な種類と考えられるシバ (Zoysia japonica Steud.) を用いて, その分類, 品種改良, 栽培管理につながる基礎的資料を得るために, 植物体各部の外部形態並びに解剖学的にその組織構造を調べた。そのうち直接栽培に関係すると思われる主なる点について摘記すると、
    1匍匐茎よりの発根は必ず節の部分より起る。その1節群 (極めて接近した3節より成る) よりの発根限度は平均3~4本であり, この根が中途より切断された場合には, その切口より改めて発根することはない。芝の植付時に, すでに各節群よりの発根数が, 限度に達している時には、その後の発根は直立茎の下部の節より行われるので, 活着及びその後の生長を促進するために, 目土入れは重要な意味を有する。
    2発根の深さは, 土壌条件や管理条件, 植付後の年数などにより左右されるので一概には言えないが, 60cm位までに最も多く分布する。さらに植付後3年の芝生で140cmまでの測定値を得ており, シバの根は可成深く伸長する性質をもっている。
    3匍匐茎の1節群には定芽が2個あるので, これより発生する直立茎数は最高2本に過ぎない。しかし直立茎の下部の節 (8~12節) に不定芽を形成させ, これより二次的に直.立茎を分けつさせることは可能であり, 適度の踏圧, 目土入れ, 刈込, 施肥などは, 密生した良い芝生をつくるのに有効な手段である。
    4新しい匍匐茎は元の匍匐茎より直接分岐するのではなく, 最初は必ず直立茎として出発し, 生長の過程において匍匐茎に転換したものである。直立茎の節は規則正しい1節づつの集合であるが, 匍匐茎は極めて接近した3節づつの節を必ずもっていることで証明できる。
    5茎の表皮, ことに匍匐茎の表皮, 内皮, 維管束の周囲には厚膜の器械組織が特に良く発達しているので, 摩擦や折曲げに対して, シバの植物体中で最も強い抵抗性をもっている。
    6葉には上面に開いたY字形のモーター細胞の発達が著しく, 水分を失うと, この細胞は萎縮し, 容易に葉を巻くようになる。上面表皮には気孔の分布が多く, 表皮もうすいので, このような構造をもつことにより, 旱ばつに強い抵抗性が発揮される。
    7葉の表面細胞のクチクラ化, 維管束の周囲及びその上下には, 厚膜細胞の発達が良いので, 踏圧などの外力に対する抵抗性が大きい。
    8シバの東京附近での開花期は, 4月下旬~5月上旬頃で, この頃外頴の先端部は黒紫色となり, 芝生の外観を損ずるので, 採種を目的としない庭園などでは, 早目に刈込むことが肝要である。
    9花粉はよく発芽し, 雌蕊の柱頭は羽毛状で授精に有効な構造であり, 稔実率も可成高い (稔実率88~95%) 。
    10開花結実した直立茎は, 分蘖して来た茎部まで枯れ込むが, 直立茎のすべてが出穂することはないので, この枯れは目立たない。
    11開花後1か月前後で, 外頴は黄白色となり完熟するが, 種子は間もなく自然落下を始める。
    12種子の最外層の果皮, 種皮及びこれに密着する内外頴の存在は, 種子の発芽と密接な関係があり, 物理的, 化学的処理により発芽率を大幅に向上させることが出来る。
  • 大原 洋一, 大坪 秀典, 平林 征夫
    1989 年 17 巻 2 号 p. 145-155
    発行日: 1989/01/25
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    草地造成後の管理技術の確立が急がれ, 研究されているなか, 今回の試験により次の結果が得られた。
    (1) 粒剤の抑制効果が強く, 抑制期間も長いが, 薬剤散布量の増加に伴い, 草色褐色化の影響が若干みられた。水和剤は粒剤ほど抑制効果は強くないが, , 薬害がない。
    (2) 粒剤・水和剤, 共に, それらの抑制効果の持続は, ほぼ2ヵ月間である。
    (3) 水和剤は, 薬剤散布2カ月経過後は抑制力が弱まりコントロール区以上の草丈の伸長をみせる場合もあるので, 刈取り時期を十分考慮して管理方針を設定すべきである。
  • 反保 宏行, 谷 利一, 河野 悦子
    1989 年 17 巻 2 号 p. 156-164
    発行日: 1989/01/25
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    最近, 我が国各地のゴルフ場ではベントグリーンにダラースポット (病原菌Sclerotinia homoeocarpa F.T.Bennett) が多発しはじめ, 重要病害の一つとみなされるようになってきた。本研究では, 主として香川, 兵庫, 静岡の分離菌株を供試して試験を行ない, 以下の知見をえた。
    (1) ベントグラスソッドを用いた接種試験によると, 供試4菌株すべての接種区において, 発病は10℃でおこり, 温度に比例して激しくなった。最適温度は25~30℃で, 接種3日後には芝草は完全に枯死した。
    (2) イネ科植物12種類に2種の分離菌を接種したところ, 25℃, 3日後には下記のソッドで強い発病がみられた。
    幼苗: ベントグラス (シーサイド) , イタリアンライグラス, ケンタッキープルーグラス, ペレニアルライグラス, トールフェスク, ノシバ, バピアグラス, センチペドグラス, ウィーピングラブグラス
    成植物: ベントグラス (ペンクロス) , イタリアンライグラス, トールフェスク, コウライシバ, ノシバ, バピアグラス, ティフトン, ウィーピングラブグラス (3) 平板培地 (6種類) 上における菌叢の性状を比較したが, 供試5菌株間に大差はみられなかった。また, いずれの菌株とも, 培地上で胞子様構造体しか形成しなかった。PDA上の菌叢発育は5~35℃でみられ, 最適温度は20~30℃であった。以上の結果より, 我が国で本病を起こす病原菌は米国, オーストラリアに分布する主な系統と同じであると推定した。
  • 谷 利一, 反保 宏行, 上田 顕秀
    1989 年 17 巻 2 号 p. 165-168
    発行日: 1989/01/25
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    ベントターフに発生するダラースポットの効率的防除法を確立する一環として, 魚毒性が低く, かっ, 有効な殺菌剤を検索し, 以下の結果をえた。
    (1) PDA培地上における本病病原菌 (Sclerotinia-homoeocarpa) に対する抗菌性は低魚毒性 (TLm48<10ppm) のイプロジオン, プロシミドン, ビンクロゾリンの3剤が優れており, ED50は1ppm以下であった。
    (2) ベントグラスソッドを用いて接種試験を行なった結果でも, この3剤の防除効果は優れていた。
    (3) ゴルフ場のベントグラスターフにおける防除試験によると, 春期の初発期ではプロシミドンとビンクロゾリンが0.25g/m2の施用で極めて有効であったが, イプロジオン (0.23g/m2) の効果はやや劣った。夏期の激発期でも前者の2剤は優れた防除効果を示した。しかし, イプロジオンは全く効果がなかった。したがって, イプロジオンは発病前または軽度発病時に有効であり, プロシミドンおよびビンクロゾリンは重度発病時でも有効であるといえよう。
  • 小林 堅志
    1989 年 17 巻 2 号 p. 169-176
    発行日: 1989/01/25
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    1.この報告はラージパッチに殺菌剤を散布し, その後の病原菌の消長を調査し, さらに, 薬液量の多少と浸透剤の加用による殺菌剤の透過性, 並びに, 異る芝地への同一薬液量散布による効果の差について実験を行ったものである。
    2.秋に発生した病斑に数種殺菌剤の慣行濃度液を散布したあと春まで, 刈取面から深さ1.5cmまでの茎葉部分を対象に, 経時的に病原菌の分離を行い消長を調査した。
    その結果, 病原菌は散布当日から極端に減少するが, 皆無にはならず, そのままの状態で一定期間持続したのち再発生が見られた。
    持続期間はトルクロホスメチルでは16週間以上あったが, TPN, メプロニル, イプロジオンでは8週間までであった。
    慣行量の2倍を散布すると, トルクロホスメチル, TPN, メプロニルでは散布当日からさらに病原菌は減少し, 一部は皆無になるものがあったが, やはり一定期間の後再発生が見られた。殺菌剤の種類にもよるが持続期間も若干長くなった。なお, イプロジオンでは病原菌の減少も持続期間も慣行量と変らなかった。
    さらに, 散布後の効果発現はいずれの殺菌剤とも散布3時間後であった。
    3.さらに深さ1.5~3.5cmのほふく茎の部分を対象に, 慣行量のトルクロホスメチルは1回, TPNは2週間後にもう1回散布したあと病原菌の消長を調べたところ, 病原菌はいずれも期間中無処理区と同じような割合で検出された。
    4.殺菌剤の芝地中への透過性を見るために, トルクロホスメチル, TPNの薬液量を増やして散布し, ほふく茎の部分とさらに深さ3.5~5.5cmの根の部分に生息する病原菌を対象に実験を行った。
    その結果, ほふく茎の部分の病原菌はいずれの殺菌剤とも慣行量の8倍を入れても無処理区の半分ぐらいにしか減少しなかった。
    また, 浸透性が強いといわれている市販の浸透剤を加用し, 通常の展着剤と透過力を比較したところ, いずれも透過力に差はなかった。
    5.グリーンとフェアウエイにトルクロホスメチルの同じ量を散布したところ, ほふく茎に生存する病原菌に対してはグリーンよりもフェアウエイでの効果が弱かった。また, 薬量だけを2倍にするよりも薬液量を2倍にして散布する方が効果は高かった。
  • 三嶋 公明, 梅田 兼弘, 杉山 日出男
    1989 年 17 巻 2 号 p. 177-182
    発行日: 1989/01/25
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    土壌改良剤のなかで有機質改良剤のフミン酸が最も殺虫剤の土壌吸着に大きな影響を与えた。砂土だけでは吸着率が20%以下であったが, フミン酸Bを加えた時, 最高84%の吸着率になった。鉱物質系のパーライト, バーミキュライトはほとんど影響がなかった。
    フミン酸A添加量とスミチオン濃度の関係による吸着量の変化をみると, (一方を一定にして他方を増加させると) 比例的に増加することがわかった。
    土壌カラム試験では, 改良剤が入っていても殺虫剤散布後に, 散水を行う事により, 又, 土壌浸透剤AQUA-GROを加用する事により, 殺虫剤の下方移動量を増加させる事ができた。
  • 福岡 壽夫
    1989 年 17 巻 2 号 p. 183-190
    発行日: 1989/01/25
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
  • 庄司 舜一
    1989 年 17 巻 2 号 p. 191-198
    発行日: 1989/01/25
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
  • 角田 三郎
    1989 年 17 巻 2 号 p. 199-213
    発行日: 1989/01/25
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
feedback
Top