芝草研究
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18 巻, 2 号
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  • 反保 宏行, 塚本 貴章, 谷 利一, 生越 明
    1990 年 18 巻 2 号 p. 125-132
    発行日: 1990/02/28
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    近年, 一部のゴルフコースにおいて, 梅雨明けから盛夏にかけてベントグリーンに原因不明のパッチが多発するようになった。本研究ではこのパッチより病原菌を分離して試験を行い, 以下の知見をえた。
    (1) ベントグラスソッドおよび子苗を用いた接種試験によると, 供試2菌株とも15~30℃で病原性が認められ, 最適温度は25~30℃であった。
    (2) 平板培地 (5種類) 上における菌叢の生育はPDA, コーンミール, オートミール培地で良好で, 斉藤氏醤油培地では悪かった。菌核の形成はPDAで良好で, Czapek培地では認められなかった。
    (3) PDA上の菌叢発育は10~35℃でみられ, 最適温度は25~30℃で, ブラウンパッチ菌と差異がなかった。しかし, 菌叢は橙色, 菌核は橙色, 不定型で, ブラウンパッチ菌と明瞭に異なった。1細胞当りの核数は多核であった。菌糸融合はR.oryzaeおよびR.zeaeに対してみられた。これらの結果より, 本病の病原菌はRhizoctonia oryzae Ryker et Goochによるものであると結論した。
    (4) PDA上での殺菌剤の抗菌性は分離株間に差は認められなかった。ブラウンパッチ菌との比較では数種の殺菌剤で明瞭な差異を認めた。
    (5) R.oryzaeによるベントグラスの病害はわが国では本報告が最初である。和名を白葉腐病とし, また, プラウンパッチの葉腐病を褐色葉腐病と改変することを提唱したい。
  • 土壌の深さと殺虫効果との関係
    廿日出 正美, 杉山 稔
    1990 年 18 巻 2 号 p. 133-138
    発行日: 1990/02/28
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    一般に, 芝草を加害するゴガネムシ類幼虫は, 防除が非常に困難である。本研究では, それらの防除において有効な薬剤を探索するために, 簡便で再現性の高い試験方法を考案し, いくつかの実験を行なった。
    その結果は以下の通りであった。
    1.ドウガネブイブイ3令幼虫を対象として, 土壌の深さと殺虫効果との関係を調べるために行なった実験では, 土壌の深さが5cm以上になると, 薬剤の殺虫効果は著しく低下した, しかし, diailnon 5Gは薬剤成分の蒸気圧が高いので, ガス化作用によって, 10cm区での死亡率がfenthion 5Gおよびisofenphos 5Gよりも高かった。
    2.殺虫剤とAgua-GROとの混合施用によって, 10cm区においても高い殺虫効果が得られた。特に, diazinon 5G, isofenphos 5G, chlorpyriphos 40ECおよびfenitrothion 50ECで効果が非常に高かった。さらに, これら2週間の処理後の土壌を使って行なった残効試験においては, Aqua-GROを用いなかった区の下層5cmの土壌では殺虫効果は認められなかったが, Aqua-GROを用いた区では, 下層の土壌においても, 比較的高い殺虫効果が認められた。これは, Aqua-GROが, 薬剤成分の土壌への浸透性を高めたためであると思われる。
    3.Aqua-GROの保水効果を調べたところ, 処理2日後まではその効果は高く, 蒸発による土壌水の上昇移動を抑える働きがあることが認められた。この作用は, 薬剤が土壌中に浸透する上で, 重要な役割をもっと思われる。
    4.土壌害虫の防除において, 既存の薬剤を有効に利用するという点で, 浸透補助剤は非常に有効であると思われる。
  • 小笠原 勝, 竹内 安智, 近内 誠登
    1990 年 18 巻 2 号 p. 139-144
    発行日: 1990/02/28
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    各種土壌処理型除草剤の寒地型芝草とスズメノカタビラ間の選択殺草性をガラス室内ポット試験により検定した。その結果, Fig.1からFig.10に示すように, 多くの除草剤はペレニアルライグラス (Lolium perene L., 品種: マンハッタンII) やトールフェスク (Festuca arundinaceae Schro Festuca elatior var. arundtnacea., 品種: ファルコン) に比べてケンタッキーブルーグラス (Poa pratensis L., 品種: ハンツビル) においてより小さな選択殺草性を示した。また, それぞれの芝草における選択殺草性は芝草の播種前や出芽前の処理で最も小さく, 刈り込み後処理で最も大きいことが判明した。これらの選択殺草性を指標として, 土壌処理型除草剤の寒地型芝地への適用性を検討した結果, ベンスライドは1葉以上のケンタッキーブルーグラス, トールフェスクおよびペレニアルライグラスにおいて, エースフェノンおよびベンフルラリンは1葉以上に生育したトールフェスクおよびペレニアルライグラスにおいて, それぞれ発生前のスズメノカタビラ防除剤として高い適用性を有することが示唆された。
  • 小笠原 勝, 近内 誠登, 竹松 哲夫, 加藤 祥三, 石崎 雅彦
    1990 年 18 巻 2 号 p. 145-152
    発行日: 1990/02/28
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    NSK-850の芝生地への適用性を明らかにすることを目的に, ガラス室内ポット試験により土壌処理効果と各種芝草の生育に及ぼす影響を検定した。
    その結果, NSK-850は芝生地の主要雑草であるスズメノカタビラ, エノコログサおよびメヒシバなどの多くの一年生イネ科雑草に対して3g/a相当量の薬量で極めて高い土壌処理効果を示した (Table3) 。また, これらのイネ科雑草に対する土壌処理効果は土壌水分の多い条件ほど高く (Fig.1) , 土壌水分が36.0%の宇都宮畑土壌では10l/aの水量で土壌に噴霧した場合に最も高かった (Fig.2) 。さらに各種芝草の生育に及ぼす影響を30g/a相当量の薬量を用いて検定した結果, 刈り込み後処理におけるNSK-850の薬害は, ベントグラスで若干認められたが, コウライシバおよびノシバでは全く認められなかった (Fig.3) 。また目土を粘土含量や有機物含量の少ない砂壌土で行った場合にコウライシバの根部に対する薬害が僅かに認められた (Fig.4) 。根部処理における薬害は刈り込み後処理や目土後処理における薬害よりも大きく, 特にベントグラスがNSK-850に対して高い感受性を示した (Fig.5) 。しかし, 同一薬量で比較すると各種芝草に対するNSK-850の薬害はシマジンの薬害よりも小さく, その薬害症状はシマジンの処理で観察される完全枯死あるいは葉先枯れと異なり草丈や根伸長の抑制であった。
    以上の結果より, NSK-850はコウライシバおよびノシバに対して根部に直接処理した場合を除いて極めて安全であり, これらの芝生地における一年生イネ科雑草防除剤として高い適用性を有することが示唆された。
  • 谷 利一
    1990 年 18 巻 2 号 p. 153-170
    発行日: 1990/02/28
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
  • 村田 道雄
    1990 年 18 巻 2 号 p. 171-175
    発行日: 1990/02/28
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
  • 後藤 真康
    1990 年 18 巻 2 号 p. 176-188
    発行日: 1990/02/28
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
  • (日本グリーンキーパーズ協会報告より抜粋)
    1990 年 18 巻 2 号 p. 205-230
    発行日: 1990/02/28
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
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