芝草研究
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19 巻, 2 号
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  • 佐藤 節郎, 福山 正隆, 菅野 勉, 小田 宣人
    1991 年 19 巻 2 号 p. 143-147
    発行日: 1991/03/31
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    ジベレリンを0, 5, 10, 20及び40ppm添加したアルギン酸ゲルにシバ種子を封入したカプセル化種子を作製後, ポットで25℃・光条件で14, 21及び28日間培養し, その発芽率, 草丈及び根長を種子と比較して, カプセル化がシバ種子の発芽及び初期生育に及ぼす影響を検討した。結果は以下の通りである。
    1) カプセル化種子の発芽率は, ジベレリン添加濃度10ppm以上で対照区より大となり, カプセル化による発芽促進効果が認められた。特に, 20ppmにおいてカプセル化の効果が高かった。
    2) カプセル化種子の草丈は, 播種後14, 21及び28日目のいずれにおいても, ジベレリンを5ppm以上添加することにより対照区より大となり, カプセル化による草丈伸長促進効果が認められた。特に20ppmまたは40ppmにおいてカプセル化の効果が高かった。
    3) カプセル化種子の根長は, 播種後14及び21日目では対照区より小となる傾向があり, カプセル化による根長伸長促進効果は認められなかった。しかし, 播種後28日目のカプセル化種子の根長は対照区と同等または大となった。
  • 佐藤 通浩, 石塚 諒, 三沢 彰
    1991 年 19 巻 2 号 p. 148-154
    発行日: 1991/03/31
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    人工粒状土を芝草種子播種時に種子増量材および覆土として導入することを考え, 芝草の発芽および生長に適するにように調製し, その特性を十分把握した後, 芝草の発芽・生長に与える影響について検討を行った。さらに, 実際のグリーンでの検証を試みた。
    1.人工粒状土は保水性, 保温性, 保肥性, 透水性について, 川砂に対して高い値を示し, 芝草の生育に有効と考えられた。
    2.人工粒状土を種子増量材および覆土として使用した結果, 発芽の促進効果および生育の促進効果が認められた。
    3.実際のサンドグリーンでの造成試験において, 慣行法に比べて, 均一な発芽とその後の良好な生育が認められ, 播種から2箇月で使用可能な状態となった。
    以上の各試験の結果は, 人工粒状土が芝草の発芽と生長を促進する効果を有しており, サンドグリーンのような特殊な環境下においても, その利用が有効に作用していることを示している。
  • 金 錫井, 竹内 安智, 小笠原 勝, 近内 誠登, 竹松 哲夫
    1991 年 19 巻 2 号 p. 155-163
    発行日: 1991/03/31
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    3種類の芝生用スルポニルウレア系除草剤とイミダゾリノン系除草剤の殺草スペクトル, コウライシバに対する影響, 土壌中の下方移動性および残効性についてガラス室内で実験を行い, 以下の結果を得た。
    1.殺草スペクトル
    スルホニルウレア系除草剤は5~10g/10aで, イミダゾリノン系除草剤は20~40g/10aで, それぞれ優れた除草効果と幅広い殺草スペクトルを示したが, イヌノフグリやカラスノエンドウに対する除草効果は低かった。イネ科雑草には, フラザスルフロンーエチルが最も高い除草効果を示した。多年生雑草のヒメクグとシロッメクサには, いずれの除草剤とも卓効を示した。
    2.コウライシバ (Zoysia matrella) に対する影響
    スルホメチュロンーメチルは萌芽期処理および生育期処理, フラザスルフロンとイマザキンは萌芽期処理で, それぞれ生育を抑制した。スルポメチュロンーメチルは光合成を阻害したが, 他の3剤の影響は小さく, 呼吸に対しては4剤とも殆ど阻害しなかった。
    3.土壌中の挙動
    土壌中の移動性は, いずれの除草剤とも4~6cmまでであった。移動の大きさはスルホメチュロンーメチル>フラザスルフロンーエチル>ピラゾスルフロン, イマザキンの順であった。
    生物試験によって得られた土壌中における持続性は, スルホメチュロンーメチルでは40日以上, ピラゾスルフロンーエチルとフラザスルフロンは30~40日位であったが, イマザキンは60~70日であった。
  • 野間 豊, 村田 義宏
    1991 年 19 巻 2 号 p. 164-174
    発行日: 1991/03/31
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    芝地に発生する雑草の伸長生長 (栄養生長) 抑制を目的としてPaclobutrazolを処理して雑草の伸長生長に及ぼす影響を明らかにした (Tablel and 7) 。
    1.年間を通じた発生雑草草量は, Paclobutrazol継続処理により対照無処理区の39-40%に抑制された (Table 2) 。
    2.1年間だけPaclobutrazol処理を実施し, その後処理を中止した区における雑草発生量は, 年数の経過と共に多くなったが, 2年後においても発生量は51-63%に抑制された (Table 2) 。
    3.草種別発生量に及ぼすPaclobutrazolの影響を明らかにするため, Bromus catharticus (イヌムギ) およびDigitaria adscendens (メヒシバ) を対象として発生消長について調査した。
    4.Paclobutrazol処理によるイヌムギの栄養生長に対する影響は, 発生草量, 伸長量共に顕著であった。又, 花芽分化など生理面への影響も認められた (Table 3 and 5) 。
    5. Paclobutrazol処理によるメヒシバに対する栄養生長への影響は, イヌムギ同様顕著に現れた。花芽分化など生理的面への影響は不明であった (Table 5 and 6) 。
  • 山河 重弥, 上山 良人, 林 幸之
    1991 年 19 巻 2 号 p. 175-178
    発行日: 1991/03/31
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
  • 半田 真理子
    1991 年 19 巻 2 号 p. 179-188
    発行日: 1991/03/31
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    1.緑のオープンスペースをめぐる動向
    近年, 地球的規模での環境のあり方が問われ, 「自然と人間の共生」が未来に向けての重要な課題になっている。このような中で, わが国でも, 国際化, 情報化, 高齢化など国民生活を取り巻く経済社会の変化を背景に, 自然志向, 余暇志向, 健康志向などが高まり, 都市公園など緑のオープンスペースへのニーズが増大している。国においても都市公園等整備五箇年計画を策定するなど, 鋭意事業を推進しているところである。
    2.芝生広場の特性
    1) 芝生広場は, (1) 環境保全 (微気象の緩和, 飛砂の防止等) , (2) 修景 (空間の美化, 「緑の絨毯」の創出等) , (3) 感触改善 (快適なレクリエーション地の創出等) など多様な機能を有している。
    2) 広がりのある「芝生広場」は通常, 活動するための空間であるが, 観賞するための空間として性格付けられる場合もある。また, 地域によっては, 大震火災時の避難地としての役割も担っている。
    3) 芝生広場での活動は, 座る, 散策するといった「静的な行動」, 凧あげ, ハンカチ落としといった「遊び的な行動」, ボール蹴り, バドミントンといった「軽スポーツ的な行動」など, 多様である。また, イベントとして野外コンサート, 祭りなどが開催されることもある。芝生広場は, 状況に応じて柔軟な利用が可能な空間である。
    4) アメニティのためには, 踏圧による芝生の損傷への対策などがまずは必要である。
    3.今後の課題
    芝生広場をめぐる課題の中から, 次の事項に焦点を絞って問題提起を行う。
    (1) 風景づくりの探求を
    わが国で芝生広場がっくられるようになって久しいが, 地形, 樹木, 灌木などを含む「風景」として捉えた場合, 必ずしも質の高いものであるとは言い切れない場合もあるのではないか。歴史のあるヨーロッパの風景式庭園においては, 「書き割り」 (舞台の背景として自然の風景などを描いたもの。Kulisse) の概念のもとに樹林を配し奥行きのある空間をつくっている例が見られる。より立体的に空間を把握し, 適確なスケール感をもって設計, 施工し魅力的な風景をつくる必要がある。
    また, 花のある風景についても, そのあり方を検討する必要がある。
    (2) 人にも生き物にもやさしい植栽を
    専ら芝草が生育する端正な芝生広場だけではなく, ある程度の雑草も混じりあったラフな原っぱが求められるようになってきた。このような原っぱの場合でも原則として適宜刈り込みを行い, 一定の状態に保たなければならないが, 原っぱの周辺部など部分的には伸びるままにしておくのも良いだろう。芝草と雑草の地には野の花が咲き, 昆虫が棲みつくようになる。エコロジカル・ライフの波とともに, 「草苑」とも呼ぶべき空間が期待されている。
    (3) 利用と景観の両立を
    芝生広場においていかに「人の活動」と「美しい景観」を両立させ, 良好な状態を保っていくか。部分的に一定期間閉鎖するなど管理面での対応もあるが, 整備段階で土壌改良 (物理的, 化学的) , 排水など適切に対応する必要がある。
  • 亀山 章
    1991 年 19 巻 2 号 p. 189-196
    発行日: 1991/03/31
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
  • ―東京都立若洲ゴルフリンクスの事例から―
    中島 宏
    1991 年 19 巻 2 号 p. 197-207
    発行日: 1991/03/31
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
  • 日本芝へのウインター・オーバーシーディング
    柳 久
    1991 年 19 巻 2 号 p. 208-215
    発行日: 1991/03/31
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
  • 佐々木 正人, 遠藤 利光
    1991 年 19 巻 2 号 p. 216-220
    発行日: 1991/03/31
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
  • ―砂グリーンと土グリーンの比較―
    本村 悟, 木下 彰
    1991 年 19 巻 2 号 p. 221-232
    発行日: 1991/03/31
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
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