芝草研究
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20 巻, 2 号
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  • 金 錫井, 米山 弘一, 竹内 安智, 小笠原 勝, 近内 誠登, 竹松 哲夫
    1992 年 20 巻 2 号 p. 157-164
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    シマジンとペンディメタリンをコウライシバの萌芽前と生育期に散布した場合, これらの除草剤は芝草茎葉にかなり付着した。その付着量は草丈の高い条件, 散布水量の少ない条件, 展着剤を添加した条件および製剤形態が水和剤の場合に多いことが明らかになった。
    葉面に付着したシマジンは降雨によって容易に落下せず, 葉面上に長期間保持された。一方, 葉面に付着したペンディメタリンは降雨により徐々に土壌に落下した。葉面上での光分解は少ないが, 日射が強く, 気温の高い場合は, 葉面に付着したペンディメタリンの一部は大気中に揮散するものと考えられた。
    また, シマジンおよびペンディメタリンのいずれの除草剤においても, 一旦, 葉面に付着した薬剤の流亡 (落下) 量は, 茎葉の繁茂している10月処理よりも, 芝草萌芽前の4月処理で多い傾向であった。
    以上の結果から, シマジンとペンディメタリンのコウライシバ茎葉への付着には, コウライシバの生育ステージ, 除草剤の製剤型と散布水量および散布後の降雨が大きな影響を及ぼすことが示され, 刈高を低くして, フロアブル剤を多めの水量で展着剤を添加せずに散布することにより, シマジンとペンディメタリンの葉面付着量を減少させることの可能性が示唆された。また, 薬剤散布後の早い時期に, 多量の散水を行うことによっても, 薬剤の葉面付着量を減少させることも可能と考えられる。
  • 團 和美, 反保 宏行, 谷 利一, 上田 顕秀
    1992 年 20 巻 2 号 p. 165-172
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    イプロジオンを常用しているゴルフ場ベントグリーンで, 同剤のダラースポットに対する効果が著しく低下し, 激甚な被害を受けた。
    そこで, ジカルボキシイミド系殺菌剤処理後に残存したパッチよりS. homoeocarpaを分離し, 本菌のベントグラスに対する病原性, 菌学的性質および各種殺菌剤に対する感受性を感受性菌と比較した。
    (1) ジカルボキシイミド系殺菌剤処理後に分離したS. homoeocarpaの同系3剤およびPCNBに対する感受性は, 感受性菌に比べEC50値で300倍~1500倍以上低下していた。耐性の強さと発病の強さに一定の関係は認められなかった。
    (2) ジカルボキシイミド系殺菌剤耐性菌はベンズイミダゾール系, トリアゾール系殺菌剤に対して強い感受性を示した。
    (3) イプロジオンに対するMIC値は4.0~5.0, 200~500, 1000~1600ppmの3群に別れ, 耐性菌は感受性菌に比べ菌叢発育が遅い傾向にあった。
    (4) ジカルボキシイミド系殺菌剤耐性菌はイプロジオン添加培地による培養で耐性の強さが維持されるのに対して, 薬剤無添加培地では耐性が低下する傾向にあった。
    (5) ジカルボキシイミド系殺菌剤を1年間使用しなかったベントグリーンに発生したパッチからの分離菌株は, ジカルボキシイミド系, ベンズイミダゾール系およびトリアゾール系殺菌剤のいずれにも強い感受性を示した。
    以上の結果より, 本病の防除および耐性菌の発生の抑制には3系統以上の殺菌剤の交互施用あるいは混合施用が有効であると結論される。
  • 酒井 隆, 石塚 千司, 島津 是之, 内山 武夫, 広田 秀憲
    1992 年 20 巻 2 号 p. 173-182
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    グリーンの地下より排水されてくる水の量およびその中に含まれる農薬濃度を知るために完全集水設備を施した試験グリーンを造成し, 排水量と農薬濃度の測定を行った。
    その結果は以下の通りであった。
    1. 湿潤状態における地下排水の排水パターンは, 強制散水後ほぼ1時間後に排水のピークが認められた。これに対して乾燥状態においては, 強制散水後ほぼ2時間後に排水のピークが認められた。またその後の排水量の減少も湿潤状態にくらべ緩やかであった。
    2. 月別の排水率と散水率および月別の降雨量と排水量の相関関係の結果より, グリーンから排水される水の量は, 散水による影響はあまり受けず, 降雨量に影響されるものと考えられた。さらに集中降雨量とその排水量の相関関係をみた結果, 2つの間にはr=0.9688という高い相関係数が得られた。
    3. 最も流出濃度が高かった農薬は, アセフェートで, 次いでイプロジオン, フルトラニルが高い値を示した。これに対し有機銅, MEP, ダイアジノンは, ほとんど流出してこなかった。特にダイァジノンにおいては, 検出することさえできなかった。
    4. 各農薬の流出パターンは, フルトラニルを除いた他の農薬においては, 前半にその流出のピークが表れるのに対し, フルトラニルのみが後半に流出のピークが認められた。
  • 金 錫井, 小笠原 勝, 米山 弘一, 竹内 安智, 近内 誠登, 竹松 哲夫
    1992 年 20 巻 2 号 p. 183-188
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    1.シマジン, プロピザミド, ペンディメタリンおよびアシュラムの除草活性
    スズメノカタビラおよびメヒシバに対するシマジン, プロピザミド, およびアシュラムの除草活性は, 土壌水分の高い滅菌土壌で高かった。一方, ペンディメタリンの活性は, 土壌水分の低い滅菌土壌で高かった。このことから, 除草活性に及ぼす土壌水分の影響は除草剤によって異なるが, いずれの除草剤においても滅菌土壌で高い活性を示すことから, 土壌中におけるこれらの除草剤の分解過程には, 主に土壌微生物が関与していることが示唆された。
    2.芝生地におけるシマジン, プロピザミド, ペンディメタリンおよびアシュラムの残存量
    シマジン, プロピザミドおよびペンディメタリンの芝生地における土壌中の残存量は, 春から初夏にかけて処理した場合には比較的速やかに減少した。しかし, 秋期に処理した場合には, 処理5ヵ月後においても処理薬量の5~25%が残存した。一方, アシュラムは, いずれの時期に処理した場合にも, 処理2週間後には殆ど検出されず, 土壌中では速やかに分解, 消失することが明らかになった。
    このように, シマジン, プロピザミド, ペンディメタリンの土壌中における残存期間は処理時期により異なるが, アシュラムの残存期間は処理時期に関係なく比較的短いことが判明した。これらの除草剤の芝生地の土壌中における残存期間は, 除草剤の物性だけではなく, 土壌微生物の生育に影響を及ぼす気温, 降雨量や, 光分解に影響を及ぼす日射量などの気象条件により変動しうるものと考えられる。
  • 野間 豊
    1992 年 20 巻 2 号 p. 189-194
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    ペレニアルライグラス (Lolium perenne L.) およびクリーピングベントグラス (Agrostis atolonifera L.) に対する6- (N-benzyl) aminopurin (6-BAP) の作用機作解明に関し, 植物重量およびクロロフィル含有量に対する影響と植物体内への吸収・転流について試験を行った。
    その結果, 処理した8-14C-BAPのペレニアルライグラスおよびベントグラスに対する14C吸収・転流量は, 処理部位の違いによって差が認められることが明らかになった。
    6-BAPはまた, ペレニアルライグラスの生体重量およびクロロフィル含有量の増加を促進する事が明らかにされた。
    さらに, 植物体への14C吸収量あるいは転流量は, 草種によって異なることも明らかになった。
    以上の試験結果から, 6-BAP処理による影響発現の芝草草種間差の原因として芝草の6-BAP吸収量の差および転流量の芝草草種間差異が関与している可能性が示唆された。
  • 輿水 肇
    1992 年 20 巻 2 号 p. 195-202
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
  • 大西 武
    1992 年 20 巻 2 号 p. 203-205
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
  • 森本 千尋
    1992 年 20 巻 2 号 p. 206-210
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
  • 研究者からの提言 (人類と自然)
    竹松 哲夫
    1992 年 20 巻 2 号 p. 211-214
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
  • 1992 年 20 巻 2 号 p. 215-253
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
  • 眞木 芳助
    1992 年 20 巻 2 号 p. 254-257
    発行日: 1992/03/31
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
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