既存床土との親和性や芝面の硬度などを考慮したうえ, 軟質ウレタンフォームFに加え, 半硬質ウレタンフォームSR1, SR2およびSを試作し, 厚さ5mmと10mm及び厚さ5mmと8mmのフォームを用い, それぞれコウライシバとペンクロスの栽培試験を行った。芝ソッドの生育状況, 機械強度, 移植後の活着状況, 芝面硬度とウレタンフォームの生分解性について検討した。
1.試作ウレタンフォームの種類と厚さに関係なく, いずれの場合でも, 川砂実験区に相当する芝苗が栽培できた。地上部乾物質量では, 実験区間の有意差が認められなかったが, コウライシバの10mm厚区が5mm厚区より, また, ペンクロスの8mm厚区が5mm厚区より大きい値を示した。
2.コウライシバ及びペンクロスの場合では, ウレタンフォーム芝ソッドは引張強度がそれぞれ川砂ソッドの1.7~3.8倍及び2.4~6.3倍であり, 質量がそれぞれ川砂ソッドの約70%及び50%であった。
3.各種ウレタンフォームの芝ソッドは川砂芝ソッドと同様に, 移植後10ケ月までに, 根が10~15cm程度伸び, 良好な生長を示した。
4.半硬質ウレタンフォームSR1, SR2およびSによる芝面硬度は1.09~1.32kgf/cm
2で, 川砂の1.12~1.32kgf/cm
2に近い値が得られた。軟質ウレタンフォームFによる芝面硬度が0.51~0.65kgf/cm
2しかなかった。
5.半硬質ウレタンフォームSは移植後, 速やかに土中で完全分解した。移植後ウレタンフォームF, SR1, SR2の質量減少率は踏圧区がそれぞれ31.1%, 55.4%, 61.1%で, 無踏圧区の7.1%, 19.5%, 28.7%よりかなり大きい値を示した。
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