害虫の総合防除の試みとして, 生物防除資材と化学薬剤の併用を検討するため, コガネムシ類幼虫に対し高い殺虫能力を持つ昆虫寄生性線虫
S.teinernema kushidaiを用い, 10種類の化学殺虫剤 (有機リン剤6種, 合成ピレスロイド剤1種, IGR剤3種) に対する耐性およびコガネムシ類幼虫に対する協力効果を調査した。
薬剤溶液中での線虫の活動性は, すべての薬剤処理区においての200ppmでは低下した。特に有機リン系殺虫剤処理区においては顕著に影響を受け, すべての薬剤処理区において, 10ppmでも波動個体数は低下傾向を示した。一方, ペルメトリンおよびテフルベンズロン処理区では, ある程度の耐性が確認された。
土壊中での線虫の生存率は有機リン系殺虫剤処理区においては, いずれも無処理区に比べて低い値を示した。一方, ペルメトリン, クロルフルアズロン, フルフェノクスロン, テフルベンズロン処理区においては対照区と同程度, もしくはそれ以上の生存率と波動率を示した。
また, チビサクラコガネ3齢幼虫を用いて行った,
S.kushidaiと2種薬剤 (ペルメトリン, テフルベンズロン) の併用によるポット試験では, ペルメトリンでわずかに協力効果が認められた。
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