芝草研究
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29 巻, 2 号
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  • 神崎 充, 大石 博實, 白川 憲夫, 倉持 仁志, 竹内 安智, 近内 誠登
    2001 年 29 巻 2 号 p. 115-120
    発行日: 2001/03/25
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    カフェンストロールの芝生地への適用性を明らかにすることを目的として, 土壌処理による除草効果, 各種芝草の生育におよぼす影響および土壌中の移動性を検定した。
    その結果, カフェンストロールは芝生地の主要雑草であるメヒシバ, スズメノカタビラおよびエノコログサなどの多くの一年生イネ科雑草に対し, 5ga.i./a相当量の薬量で高い土壌処理効果を示した (Table2, 3) 。またこれらのイネ科雑草に対する処理適期は発生前であり, 葉令が進むと効果が低下した (Fig.2, 3) 。
    各種芝草に対する薬害は, コウライシバおよびノシバに対し刈り込み直後の10~200ga.i./a処理で, 全く認められなかったが, ベントグラスでは20ga.i./a以上の処理で観察された (Table4) 。
    コウライシバおよびノシバの植付け後に, 10~20ga.i./aのカフェンストロールを処理した場合の生育におよぼす影響は, 根部を含めて認められなかった (Table5) 。
    また2年間にわたって秋期, 春期, 秋期および春期に20~80ga.i./aのカフェンストロールを処理した場合の, コウライシバおよびノシバに対する薬害は, 全く認められなかった (Table6) 。
    さらにカフェンストロールの土壌移動性は軽埴土で1cm, 砂土壌では2cmで, シマジンよりも小さかった (Fig.4) 。
    以上の結果, カフェンストロールはコウライシバおよびノシバに対して安全性が高く, これらの芝生地における一年生イネ科雑草防除剤として, 優れた適用性を有することが示唆された。
  • 朴 烽柱, 浅野 義人
    2001 年 29 巻 2 号 p. 121-128
    発行日: 2001/03/25
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    本研究は, 主要な5種類の暖地型芝草に寒地型芝草のケンタッキーブルーグラス, 或いはトールフェスクを混植した場合の雑草抑制効果, 及び暖地型芝草のバミューダグラスとケンタッキーブルーグラス, 或いはトールフェスクとの混植区における踏圧耐性向上効果について検討した。
    雑草の調査では, センチピードグラス, セントオーガスチングラスは単植区においても発生数, 全乾重とも少なかった。いずれの混植区も単植区より雑草の発生が著しく抑制されており, 暖地型芝草と寒地型芝草の混植による雑草抑制効果は, 特にノシバ, バミューダグラス, バッファローグラスで顕著であった。
    夏期の踏圧処理では, バミューダグラス単植区よりも寒地型芝草との混植区の方が地上部の緑葉面積率が高く維持され, また, 冬期の踏圧処理では, バミューダグラス単植区では著しく裸地化が進行したのに対し, 寒地型芝生との混植区ではまったく裸地化しなかった。冬期の踏圧処理後の土壌の仮比重は, バミューダグラス単植区では増加したが, 寒地型芝草との混植区では有意に増加しなかった。
  • 後藤 誠二朗, 伊藤 操子
    2001 年 29 巻 2 号 p. 129-134
    発行日: 2001/03/25
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    芝地の多年生雑草ヒメクグのコウシュンシバに対する競争力を, de Witの置換栽培法によって検定した。両種の個体数の割合を16: 0, 12: 4, 8: 8, 4: 12および0: 16として野外で約4か月生育させ, 地上シュートの形成数, 根茎 (コウシュンシバでは根茎+ほふく茎) 分枝の数および長さ, ならびに茎葉部, 根韮部および根部の乾物重を測定した。
    両種の乾物重の相対収量 (RY) 値曲線の比較から, ヒメクグのコウシュンシバに対する著しい優位性が明らかになった。また, この傾向は茎葉部よりも根茎部においてより顕著であった。相対収量合計 (RYT) 値は混植によって1.0以下になり, ヒメクグによるコウシュンシバの抑制に非競合的要因が関与している可能性が示唆された。地上シュート数および根茎分枝数でみた個体当りの生長量は, ヒメクグでは自種の割合が少ないほど多かったが, コウシュンシバでは全く逆であった。コウシュンシバに対するヒメクグの優位性は, 地上部はまだ混み合っていないが, それぞれの根茎が伸長して他個体の生育領域に侵入し始めた頃から始まり, 生育の進展につれて顕著になった。
  • 赤嶺 光, 石嶺 行男, 重川 弘宣, 倉持 仁志
    2001 年 29 巻 2 号 p. 135-137
    発行日: 2001/03/25
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    ノシバ (Z.japonica Steud.) やコウシュンシバ (Z. matrella Merr.) が黄化・休眠する冬季に, 常緑のまま越冬するコウライシバ (Z. tenuifolia Willd.) を選抜した。この株の越冬中における葉身の数種アミノ酸を測定し, 同株を温室で養生した株と比較した。その結果, 定量した数種アミノ酸のうち, プロリン含有量が低温ストレスによって大幅に増加することが判った。コウライシバの自生環境が西南暖地の海岸近くであることから, 選抜した株のプロリン合成・蓄積能力は, 塩や乾燥に対処するために獲得された機能と考えられ, それが低温ストレスの際にも同様に機能し, プロリン合成に至ったのではないかと推測された。
  • 朴 南一, 小笠原 勝, 米山 弘一, 竹内 安智
    2001 年 29 巻 2 号 p. 138-141
    発行日: 2001/03/25
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    スズメノカタビラの変異の実態を明らかにすることを目的に, 無作為に抽出した全国83カ所のゴルフ場から採取したスズメノカタビラ種子について, 種子の休眠性, 光発芽性および低温発芽性を調べた。これらの発芽特性を関東, 静岡, 九州の地域別の集団間あるいはフェアウェイとラフのプレー区分別の集団間で比較すると, 九州集団の光発芽性が他の集団よりも小さかったものの, 各集団間には著しい差異は認められなかった。また, 83サンプルのスズメノカタビラ種子の休眠性, 光発芽性および低温発芽性の度数分布を比較すると, 休眠性では広い範囲に散らばっているのに対して, 低温発芽性ではピークが明瞭で極く狭い区間に大多数の個体が含まれていたことから, 低温発芽性は休眠性に比べて変異の小さい特性であることが示唆された。さらに, 休眠性, 光発芽性および低温発芽性の相互関係を調べたところ, 休眠性と光発芽性間には, 何らかの相関関係が存在し, 休眠性の浅い種子ほど発芽に際しての光要求性が高いことが推察された。
  • 野田 敏秀
    2001 年 29 巻 2 号 p. 142-144
    発行日: 2001/03/25
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
  • 2001 年 29 巻 2 号 p. 145-146_2
    発行日: 2001/03/25
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
  • 2001 年 29 巻 2 号 p. 159
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
  • 2001 年 29 巻 2 号 p. 174
    発行日: 2001年
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
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