管巣燃焼ボイラは燃焼室内に直接水管が配置されており,水管群による燃焼の促進と火炎温度の適切な抑制により,サーマルNOxの発生抑制とボイラの小型化が同時に実現される.本研究では管巣燃焼ボイラのコールドモデルを用いて非燃焼場における流れの可視化を注入トレーサ法により行い,管群の熱伝達特性を把握する上で重要となる炉内の3次元流動構造について明らかにした.その結果,バーナを模擬した環状ノズル出口部の環状噴流の内側にトーラス状の安定した再循環流の形成が確認された.また管壁面上での流れを把握するため油膜法による流れの可視化を行い,環状噴流と壁面上との流れの関係を明らかにするとともに,噴流の衝突するよどみ線,流れのはく離線を示し,圧力分布との対応関係について明らかにした.また,ノズル出口部での安定した再循環流の形成には,ノズル直後の空間の大きさ,管群の配置が特に重要であることがわかった.
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