本論文では, 非定常二次元速度・温度分布の同時計測法を提案した. これは, 波長の異なる二種類のレーザーを利用し, 散乱粒子を追跡する PTV 法と実時間ホログラフィー干渉法とを組み合わせた手法である. そして, 1 定常な二次元正方形サーマルキャビティフロー, 2 密閉矩形容器内で鉛直に配置された水平二円管により水を冷却する場, 3 上部開放矩形容器中の液体燃料を固定熱源により加熱する場, に この計測法を適用した. これにより, 1 の計測を通して, この手法のノウハウを蓄積し, 2・3 の計測を通して, この手法の実用性を確認して可能性を検討した. 特に 1・2 に関しては, 数値計算結果との比較も行った. 以上より, 本論文では, 提案した手法が非定常二次元速度・温度分布計測に対して非常に有効であることを示した. 加えて, 速度・温度分布に関して あまり報告されていない, 2・3 の挙動を定量的にも明らかにした.
抄録全体を表示