現在,植込み型補助人工心臓が開発され,心臓病患者は退院できるまでになっている.しかしながら,補助人工心臓の最大の問題点は血栓の形成であり,患者にとっての命綱は血栓可視化計測システムの存否であるが、未だ実用化されていない.
本研究では,プロセス・トモグラフィー法を用いた血栓可視化計測法の基本コンセプトを提案し,本手法を用いて,静止血液中での様々な種類の血栓を用いて血栓沈降の断面導電率分布の可視化を行った.その結果,血栓がセンサー断面を通過すると,相対電圧が増加した.同時に,平均相対空間導電率が減少し,血栓の中心通過位置を定性的に特定することが出来た.このことから,血栓沈降時の相対空間導電率の減少を検出でき,血栓可視化計測システムの実用化の可能性について示した.
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