The 16th International Display Research Conference(EuroDisplay'96)が10月1日から3日までバーミンガムで開催された。その中でPassive LCDs関連の発表は45件であった。ポスターセッションで50%を占めた発表がPassive LCDsであった。特に従来提案されているモードの配向構造の高分子による安定化、およ反射型モードに関する報告が多かった。
Euro Display'96発表講演から新規表示材料関連(セッション7)3件、駆動表示方式(セッション13)4件、BM&カラーフィルタ関連(セッション16)4件についてまとめて報告する。液晶と高分子を組み合わせた機能材料、画質改善のための表示方式、開口率向上のためのアレイ構成など、高い表示性能を実現するための技術や応用例が各々のセッションで主に報告された。
Euro Display'96はCRT関連で10件、FEDで7件で、CRTでは日本からの発表が過半数を占めた。内容ではシャドウマスクをドット孔からスロット孔にしたディスプレイ管(クロマクリア管)やアノード電圧を24kVから20kVに下げた省電力ディスプレイ管等の新規製品の発表があった。要素技術では、主レンズを30%大口径化する電子銃システムやランディング補正システム(Elanシステム)などの提案の他、シャドウマスク振動の解析やバルブ衝撃破壊のシミュレーション解析手法など基礎解析的な内容が多かった。FED関係では、大画面化に向けてマイクロ球を用いた新露光プロセスの他、表面伝導素子を用いた新型パネルの提案があった。