地域社会において大学機関の果たす役割は,学生,教員,職員,保護者,さらには大学の周辺に位置するステークホルダーにとっても益々重要な関心事となってきている。中央教育審議会答申 (2005)の「我が国の高等教育の将来像」を端緒に大学の社会貢献の重要性が強調されている。このような大学教育改革を背景に,学生による地域社会における取り組みもまた具体的な実践が積み上げられている。各々の学生による実践は,全国的な傾向や潮流の中でどのように位置づくのかを明確化する必要がある。さらには今後の地域社会において,大学機関が果たす役割の改善に生かすためにも,客観的かつ包括的にデータを蓄積することが求められる。千葉市にある U 大学のピアサークルは,令和4年度より「中高生の居場所カフェ」を運営し始めた。本報は,ピアサークルを中心として広がった学生達による地域連携の一事例を速報として報告するものである。
放課後等デイサービスを利用しながら小学校通常学級に在籍する児童40名(8.2±1.1歳)に,JPAN 感覚処理・行為機能検査 Short Version を実施し,各検査項目の人数比と標準児の分布推定値を比較した。その結果,臨床的に重視される0-25%タイルの低値群の推定値より有意に人数が多かったのは,かっこよくまねしよう,ひこうきパート2,けがして大変,お宝さがし,クレーンゲーム,仲良くおひっこしクロスであった。以上より,対象児の神経学的特徴として,模倣や両側運動の行為機能,および抗重力姿勢や姿勢背景運動の姿勢・平衡機能,能動的な触覚探索である体性感覚機能の未熟さが確認された。これらは,体育やダンス等の活動における動作模倣や身体図式,およびリコーダーやひも結び等の両手操作,座立位の良姿勢保持,鉛筆や箸などを扱う手先の器用さの困難感に関連していると推察された。