本研究で対象とする,まち歩き事業大阪あそ歩はコミュニティツーリズムであり,毎年春秋のシーズンにまち歩きのコースを設定している.大阪市周辺部の旧市街地でのコース設定も多く,全区にコース設定がある.まち歩き事業では,新しい視点で旧市街地の地域資源を見直し,コース設定がなされている.また,まち歩き事業は,旧市街地に来訪者が増加しても,地域へ大きな負の影響を与えることが無い.まち歩きガイドは地域資源を見直し,テーマを決めてコース設定を行い,まち歩きを催行する.そして,地域に伝わる場所の記憶の真正性を確認し,語りにより参加者に伝えることで,地域の歴史と文化を後世に継承することを図る.本研究では,場所の記憶と真正性(authenticity)の観点から,まち歩き事業の分析を行い,場所の記憶が地域へどのように広がるのか,次に,まち歩きにおいて真正性をどう捉えるかを明らかにした
抄録全体を表示