日本の空港・港湾で輸入品に混入していたホソヒラタムシ科甲虫を調査した結果,94 個体の標本から 11 属 17 種を確認し,各種の識別法を検討した.このうち,10 種はこれまで日本から記録がなく,
Telephanus 属と,
Monanus 属の
Monanops 亜属は属・亜属単位で記録がなかった.また,確認された種のうち 9 種はこれまで物資の移動による導入が確認されておらず,
Monanops 亜属は亜属単位で初めての導入の確認となった.さらに,本研究を遂行するうえで,日本産本科の分類学的問題点が判明し,以下の変更を加えた:平野(2009, 2010)で分布疑義としながら,日本産種に含められていた
Monanus antennatus Grouvelle の日本からの分布の削除;ミナミホソヒラタムシ
Silvanus robustus Halstead の日本からの分布の削除.ミナミホソヒラタムシは平野(2009)によって記録されたが,本種は,
Silvanus lateritius (Broun) か
Silvanus castaneus MacLeay であることが判明した.
抄録全体を表示