観察者による双眼鏡の保持が鳥類の逃避距離に与える影響を葛西臨海公園鳥類園にて調査した.観察者が対象個体を発見した時点での距離を発見距離,対象個体が逃避行動を示した時点での距離を逃避距離と定義した.園内に560 mのセンサスルートを設定し,シジュウカラParus minor,スズメPasser montanus,ムクドリSpodiopsar cineraceus,ヒヨドリHypsipetes amaurotis,ドバトColumba liviaの5種について,発見距離を記録するとともに双眼鏡を保持する処理と保持しない処理を設定し,逃避距離を比較した.その結果,発見距離は種間で差異があり,ドバトのそれは他の4種より長かった.逃避距離は5種すべてにおいて双眼鏡を保持する処理で長くなり,体サイズとの間で負の相関が認められたが,ドバトの影響によるものであった.双眼鏡を保持することでの逃避距離の増加率は,137.4~346.9%の範囲で,シジュウカラとドバトで大きかった.
カベアナタカラダニは,東京において春から初夏にかけて家屋の壁面,庭,建物屋上を這い回り,住民に不快感を生じさせる.このダニの効果的な防除方法を知るため,建物屋上と地上において産卵場所を調べた.屋上では防護壁と床面の間から多数の卵を採集した.また,地上でもコンクリート壁の割れ目から多くの卵を採集した.壁の割れ目の内部に塊状に産みつけられた卵がみられた.壁に生じた間隙や割れ目が主要な産卵場所と思われた.
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