市販のキャラメル製品1個(5g)あたり,孵化後1日以内のノシメマダラメイガ幼虫1個体を放して,温度25,28,30℃,相対湿度70%で飼育し,その生死確認を約1ヶ月に1回の頻度で行った.飼育途中で湿度上昇によりキャラメル表面がべたつく現象が起きたと思われ,幼虫はキャラメルに接着して死亡し,いずれも羽化まで達しなかった.キャラメル表面がべたつかない状況では,本種幼虫の生存期間は少なくとも25℃で93日,28℃で59日まで確認された.25℃では生存期間中に3回の脱皮が確認された個体があり,28℃でも1回の脱皮が確認され,速度は遅いが発育したと考えられた.
伊豆大島では,島の重要な産業資源であるツバキを食害するタイワンリス(クリハラリスの台湾亜種)の駆除事業が継続的に実施されている.本調査では,住民ならびに観光客を中心とした来島者に対して,リス及びその撲滅のための事業に対する認知や態度に関するアンケート調査を2010年と2012年に実施した.その結果,住民の多くは島にリスが生息していることを知っていたが,来島者の6割は知らなかった.タイワンリスが外来生物であることを知っていたのは住民で7割,来島者で4割弱であった.リスの撲滅事業については,住民の3割は知っていたが,来島者のほとんどは知らなかった.来島者は住民よりもリスを好む傾向があり,島においてリスを見たいと答えた回答者は7割を越えた.今後リスをどうすべきかとの問では,住民,来島者ともに「野外でのリスの生息を認める」との立場が「認めない」をわずかに上回った.リスは観光資源として必要か否かの問では,住民で36%,来島者で46%が必要であると回答した.
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