Veterinary Nursing
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20 巻, 2 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 幼稚園の飼育ウサギに対する名づけの有無と飼育管理状況との関連性についてー
    森元 真理, 谷田 創
    2015 年 20 巻 2 号 p. 1-8
    発行日: 2015年
    公開日: 2020/05/07
    ジャーナル フリー
    わが国の多くの幼稚園では子ども達の心を育む教育のためにウサギが飼育されている。しかし、ウサギの福祉は十分に配慮されておらず、飼育管理状況の不適切な幼稚園もある。その一因としてウサギに対する保育者の関心や愛情の低さが考えられる。ペットに対する「名づけ」は飼い主のペットに対する関心や愛情を表しているとされている。そこで本研究では、幼稚園におけるウサギへの名づけ行為も保育者の関心と愛情の表現であり、名前をつけている園の方がつけていない園よりもウサギの飼育状況が良好であるとする仮説を立てて調査を行った。研究の結果、ウサギに名前をつけている園の方がつけていない園よりも適切な飼育管理を実践していることが示唆され、仮説を支持するものであった。特に名前の種類(名づけの質)が飼育管理状況に関連している可能性があると考えられた。
  • ~顎模型を使用しての市販犬用歯ブラシとの比較~
    蒔田 成美, 竹本 貴子, 望月 眞理子, 左向 敏紀, 松原 孝子
    2015 年 20 巻 2 号 p. 9-15
    発行日: 2015年
    公開日: 2020/05/07
    ジャーナル フリー
    中・高齢犬のような歯磨きに不慣れな犬には、細やかなブラシ動作は難しいため、歯磨き工程の簡略化が必要である。先行研究において、中・高齢犬の飼い主にとって使いやすいと思われる新型犬用歯ブラシを提案することができた。そこで、今回は顎模型に塗布した人口プラークを用いて、その除去効果とストローク数、ブラッシング時間を新型犬用歯ブラシと市販犬用歯ブラシにおいて比較検討した。その結果、新型犬用歯ブラシの方がストローク数、ブラッシング時間の減少傾向が見られたため、歯磨き工程の簡略化が期待出きた。よって新型犬用歯ブラシは、中・高齢犬の飼い主が、歯磨きの導入として使用できるのではないかと考えられる。
  • 小泉 亜希子, 西尾 裕将, 池田 理沙, 植田 李美, 関口 麻衣子, 大辻 一也
    2015 年 20 巻 2 号 p. 17-20
    発行日: 2015年
    公開日: 2020/05/07
    ジャーナル フリー
    膿皮症および外耳炎由来菌に対する脂肪酸の抗菌効果を検討した。供試菌は膿皮症に罹患したイヌの膿疱および外耳炎に罹患したイヌの耳垢から分離し使用した。脂肪酸はカプリル酸(C8:0)、カプリン酸(C10:0)、ラウリン酸(C12:0)、ミリスチン酸(C14:0)、パルミチン酸(C16:0)、ステアリン酸(C18:0)、オレイン酸(C18:1)、リノール酸(C18:2)を供試した。各希釈濃度の脂肪酸乳化液に菌を接種し、37°Cで24時間培養した後、各種寒天培地に植菌し、生育の有無から最少阻止濃度(MIC)を決定した。その結果、膿皮症由来菌に対する脂肪酸のMICはC8:0で0.16%、C10:0で0.32%、C12:0で0.16%、C18:2で0.32%となったが、C14:0、C16:0、C18:0、C18:1では0.32%以下の濃度では抗菌効果を示さなかった。外耳炎由来菌に対する脂肪酸のMICはC8:0で0.005%、C10:0で0.01%、C12:0で0.04%、C14:0で0.08%、C18:2で0.01%となった。C16:0、C18:0、C18:1では0.32%以下の濃度では抗菌効果を示さなかった。以上の結果から、脂肪酸が膿皮症や外耳炎の治療に効果的である可能性が本研究から強く示唆された。
  • ―去勢手術の機会を利用した前期学習の振り返り―
    栗島 みゆき, 灘山 真未, 左向 敏紀, 松原 孝子
    2015 年 20 巻 2 号 p. 21-26
    発行日: 2015年
    公開日: 2020/05/07
    ジャーナル フリー
    動物看護教育において、実習はとても重要であると言える。本研究は、去勢手術の機会を利用した周術期動物看護の前期の実習で、学生がどのような学びを受けているのかを明らかにし、動物看護教育の示唆を得ることを目的とした。研究対象は動物看護専門学校に通う3年生21名で、研究方法は前期2回分の実習の各教育目標の達成を、1レポートの記述量、2レポートの内容、3動物看護経過記録の書き方から評価した。その結果、実習1回目の教育目標はほとんどの学生が達成できていた。一方実習2回目の教育目標の達成率は低く、学生は単なる繰り返しと捉えていた可能性が示唆された。これらの結果から、来年度は教育目標を反復して提示し、実習の詳細な行動スケジュールと各実習毎の目標到達度の自己評価表を作成することで、学習意欲の向上へとつなげられると考えられる。
  • 阿部 仁美, 川村 和美, 小沼 守, 大内 詠子, 桜井 富士朗
    2015 年 20 巻 2 号 p. 27-32
    発行日: 2015年
    公開日: 2020/05/07
    ジャーナル フリー
    動物看護教育において、実習はとても重要であると言える。本研究は、去勢手術の機会を利用した周術期動物看護の前期の実習で、学生がどのような学びを受けているのかを明らかにし、動物看護教育の示唆を得ることを目的とした。研究対象は動物看護専門学校に通う3年生21名で、研究方法は前期2回分の実習の各教育目標の達成を、1レポートの記述量、2レポートの内容、3動物看護経過記録の書き方から評価した。その結果、実習1回目の教育目標はほとんどの学生が達成できていた。一方実習2回目の教育目標の達成率は低く、学生は単なる繰り返しと捉えていた可能性が示唆された。これらの結果から、来年度は教育目標を反復して提示し、実習の詳細な行動スケジュールと各実習毎の目標到達度の自己評価表を作成することで、学習意欲の向上へとつなげられると考えられる。
  • 銀 梓, 村中 志朗, 石岡 克己, 松原 孝子
    2015 年 20 巻 2 号 p. 33-37
    発行日: 2015年
    公開日: 2020/05/07
    ジャーナル フリー
    近年、中国では著しい経済成長に伴って人々と飼育動物の関係が大きく変化をとげ、飼育頭数も年々増加している。中国における家庭飼育動物の関連業種は大きな市場になりつつあるが、未だ動物看護師という職業は存在しない。今回、中国における動物の飼育方法や獣医療のあり方を明らかにするため、中国河南省新郷市の44頭の犬の飼い主と1軒の動物病院にインタビューを行った。飼い主調査の結果、飼い犬のワクチン接種は狂犬病1回のみ、適切な栄養指導を受けたことが無く、正しい飼育の知識を持っていない人がほとんどであることが判明した。また、調査を行った動物病院において獣医師は専門学校の卒業生であり、動物看護師という職種そのものが知られていなかった。発展の途中にある中国の獣医療において、動物の飼育や健康管理に必要な知識を飼い主に指導および支援を行い、動物と人間の関係をより良くしていく存在として、動物看護師が参入する可能性があると考えられた。
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