敬心・研究ジャーナル
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  • ー 予期的社会化としての意義 ー
    三保 紀裕
    2026 年10 巻1 号 p. 1-10
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/08/06
    ジャーナル フリー

    本稿では、職業教育におけるインターンシップ・企業内実習の意義について、予期的社会化、職務的接続性の観点から概観した。先行研究のレビューを通じて、インターンシップ・企業内実習は、予期的社会化の観点からみると欠かせない存在であり、そのヒントとなるのがプロアクティブ行動であることを示した。そして、実習におけるプロアクティブ行動を促進する上では、実習前後の教育プログラムとの対応関係が重要であることを主張した。職務的接続性の程度は実習経験内容の相違に影響を及ぼしており、これらの点について、予期的社会化促進に関する課題整理を行った。以上を踏まえ、実践的示唆について議論した。

  • 水田 真理
    2026 年10 巻1 号 p. 11-22
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/08/06
    ジャーナル フリー

    本研究は専門学校の教育供給側の視点から専門学校の多様性の内実を解明するために、専門学校の設置主体に着目し、これらの役割認識を明らかにすることを目的としている。そのための研究方法として、専門学校経営層による挨拶文をデータとするテキストマイニング分析を採用した。その結果、医療分野とそれ以外の分野で傾向が異なり、従来の先行研究でいわれている社会の変化に対応した人材育成という役割認識は医療分野以外で見られる特徴であり、医療分野においては地域医療の担い手という役割認識が強いことが分かった。さらにそれを設置主体の法人種に着目して類型化すると、地域医療の担い手という認識はとりわけ地方圏の学校法人以外の設置主体に見られ、学校法人では医療分野においても様々な職種への対応を目指していた。以上の点から専門学校の多様性は教育供給側である設置主体の種別から見ると大きく2つの役割認識が混在することが分かった。

  • ー 愛知県名古屋市SukuSuku Nursery School Anjuにおける保育実践から ー
    古谷 淳
    2026 年10 巻1 号 p. 23-36
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/08/06
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は、①SukuSuku Nursery School Anjuにおける保育実践の好事例を収集すること、②それに基づく企業主導型保育事業における「生き残り戦略」の一例を提案することの2点であった。分析の結果、企業主導型保育事業ならではの柔軟性や自由度の高さを活かし、各園が独自の強みをもって差別化を図ること。他園の成功事例を表面的に模倣するのではなく、自園の理念や状況に即した施策として昇華させるためにも、トップマネジメントによる理念の徹底と一貫性のある運営体制を整備すること。また、保育士満足度の向上がそのまま保護者満足度につながるという認識の下、働きやすい職場環境づくりを重視すること。さらに、目先の収支にとらわれず先行投資をいとわない姿勢を持ちつつ、その投資を支えるための周辺事業や業務の効率化といった収益面での工夫にも積極的に取り組むこと、等が挙げられた。

  • ー 実務家教員養成に向けた方法論的検討 ー
    宮嶋 淳
    2026 年10 巻1 号 p. 37-48
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/08/06
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は、博士課程における研究指導実践を省察的に分析し、実務経験を有する院生が大学教員として求められる能力を形成していく過程において、研究指導が果たす教育的機能を明らかにすることである。

    本研究は、特定の学生個人を研究対象とするものではなく、筆者自身が行ってきた博士課程での研究指導実践を対象とした教育実践研究である。分析にあたっては、研究指導の過程で生じた判断、助言の構成、研究上の転換点に関する記録を基に、省察的分析を行った。

    その結果、実務経験を有する院生に対する研究指導においては、実践知を研究知へと再構成する支援、研究課題の社会的意義を言語化する支援、ならびに研究者としての自律性を涵養する関わりが重要であることが示唆された。これらは、博士課程における教育実践として、実務家教員養成に資する一つの方法論的示唆を与えるものである。

  • ー 警備業法をめぐる最高裁判所2026(令和8)年2月18日大法廷判決 ー
    梶原 洋生
    2026 年10 巻1 号 p. 49-54
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/08/06
    ジャーナル フリー

    日本では1972(昭和47)年に警備業法が制定され、1982(昭和57)年の改正以降、警備員の欠格事由として禁治産者・準禁治産者(後の成年被後見人・被保佐人)であることが定められてきた。この規定は2019(令和元)年法律第37号(成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律。以下「一括整備法」という)により削除されたが、削除以前に被保佐人となったことを契機として警備業の職を失った当事者が、当該規定の違憲性および国の立法不作為の違法性を理由として、国家賠償法1条1項に基づく慰謝料の支払いを求めた事案がある。これについて、2026(令和8)年2月18日、最高裁判所大法廷は、本件規定が本件退職時点において憲法22条1項および14条1項に違反するに至っていたと判断したものの、立法不作為が国家賠償法の適用上違法であるとはいえないとして、請求を棄却した。本稿では、本件判決の内容を整理し、若干の文献的考察を加える。

  • 東根 ちよ
    2026 年10 巻1 号 p. 55-60
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/08/06
    ジャーナル フリー

    近年、不登校の児童生徒に対する支援は社会で解決すべき公共的問題と広く認識され、政策問題と捉えられている。そのような政策問題への対応の一つに、各地方公共団体が行うオンラインやメタバース(仮想空間)を活用した支援があるが、政策過程は焦点化されていない。本稿では、2025年度に堺市で行われたオンラインを活用した不登校児童生徒支援事業の実施内容・実施体制を概観したうえで、同事業の政策過程の特質について考察した。結果、①ICTを活用したコンテンツの内実を比較検討していく必要があること、②多機関・多部署間連携が前提となる同事業では、実施主体者間の調整や指揮を含むコーディネート機能を、誰が、どのように担うかという点が政策過程の要所となることを指摘している。

  • 古谷 淳
    2026 年10 巻1 号 p. 61-70
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/08/06
    ジャーナル フリー

    本稿は、女子専門学校・女子短期大学において進行する共学化を、文化・市場・経営の三つの視点から批評的に検討する評論である。少子化を背景に、共学化はしばしば「改革」や「多様性の実現」として正当化されてきた。しかし本稿は、この言説が教育市場の構造、女子校文化の機能、経営戦略の合理性を見誤った〈幻想〉であることを明らかにする。

    第一に、女子専門学校・女子短期大学は構造的に女子市場によって成立しており、共学化によって新たな男子需要が生まれる根拠は存在しない。第二に、女子が多数派であることによって成立してきた心理的安全性や協働文化は、共学化によって文化の「重心」が移動することで不可逆的に破壊される。第三に、共学化は女子校として蓄積されてきた無形のブランド資産を一挙に失わせる経営判断であり、凡庸化と志願者減少を招く高リスクな戦略である。

    以上を踏まえ、本稿は、共学化が女子専門学校・女子短期大学の延命策ではなく、むしろ学校の独自性と存在理由を失わせる「自己否定的選択」であると結論づける。その上で、女子市場の深耕こそが、これらの教育機関にとって唯一の現実的な生存戦略であることを論じる。

  • 吉田 直哉, 豊田 真知
    2026 年10 巻1 号 p. 71-79
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/08/06
    ジャーナル フリー

    本稿は、2003年に英国教育技能省が刊行した「全日保育:8歳未満児の保育のための全国基準」のうち、前半(序文等および14項目の基準のうち第5項目まで)を訳出したものである。本基準は、トニー・ブレア首相率いる労働党政権の看板政策であったシュア・スタートを支える理念を理解する上で必須であり、かつ具体的な保育内容に関する全国基準として画期的である。シュア・スタートは、1998年以降、英国(イングランド)で実施されている就学前の子どもとその家族を対象とする支援プロジェクトである。本基準の前半部分に当たる本稿では、シュア・スタート保育全般に言及する序文、基準の適用範囲、基準のうち、適任者、組織、保育・学び・遊び、物的環境、備品に関する5つの基準を訳出した。

  • 吉田 直哉, 豊田 真知
    2026 年10 巻1 号 p. 80-87
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/08/06
    ジャーナル フリー

    本稿は、2003年に英国議会に提案された政府緑書「こどもみんなだいじ Every Child Matters」の概要 Executive Summary の日本語訳である。全6章からなる本文に先立つ本概要において、政府目標として、①健康であること、②安全であること、③楽しみ、成長すること、④人の役に立つこと、⑤経済的に満たされていること、という5項目が設定されている。そして、これらの目標を実現するため、①親・養育者への支援、②早期の介入・効果的な保護、③局地的、地域的、全国的の各レベルでの説明責任と統合、④職能改革という4種のアクションプランが提起されている。

  • 豊田 真知, 吉田 直哉
    2026 年10 巻1 号 p. 88-97
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/08/06
    ジャーナル フリー

    本稿は、2003年に英国教育技能省が刊行した「全日保育:8歳未満児の保育のための全国基準」のうち、後半(第6項目から第14項目まで、および別添資料)を訳出したものである。本基準は、トニー・ブレア首相率いる労働党政権の中核的政策であったシュア・スタートを支える理念を理解する上で必須であり、かつ具体的な保育内容に関する全国基準として画期的である。シュア・スタートは、1998年以降、英国(イングランド)で実施されている就学前の子どもとその家族を対象とする支援プロジェクトである。本基準の後半部分に当たる本稿では、安全、健康、食べ物と飲み物、公平な機会、特別なニーズ(特別な教育的ニーズおよび障害を含む)、行動、保護者・養育者との協働、子ども保護、記録資料の9項目、および保育施設ごとに該当する別添資料3点を訳出した。

  • ー 計量テキスト分析による研究動向の可視化 ー
    矢野 正
    2026 年10 巻1 号 p. 98-106
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/08/06
    ジャーナル フリー

    本研究は、主に小学校における学級崩壊に関する先行研究を対象に計量テキスト分析を行い、当該研究領域の語彙的傾向および概念構造を明らかにすることを目的とした。CiNii Researchを用いて体系的に文献検索を行い、選定基準に基づき最終的に17編の論文を分析対象とした。分析にはKH Coder 3を用い、形態素解析および共起ネットワーク分析を実施した。その結果、学級崩壊研究は「児童―教師―指導―関係」を中核とする相互作用的枠組みを基盤としつつ、事例分析、実践対応、学級経営、学校組織支援、予防的教育構築へと多層的に展開していることが明らかとなった。さらに、共起クラスターの統合的解釈により、学級崩壊は①個人行動層、②相互作用層、③集団・経営層、④組織・制度層からなる四層構造として整理できることを示した。本研究は、断片化しがちな先行研究を横断的に構造化し、学級崩壊を関係・集団・組織の相互連関において捉える理論的枠組みを提示する点に、教育的意義を有する。

  • ー 2015~25年刊行書籍における ー
    吉田 直哉, 東根 ちよ
    2026 年10 巻1 号 p. 107-115
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/08/06
    ジャーナル フリー

    本稿は、2015年から25年にかけて刊行された地域福祉研究関連書籍において提示されている地域認識に関する言説を抽出し、その特色を複数のカテゴリーに分類することで、地域認識の現状における多側面を明らかにするものである。検討対象は、単行本として刊行された学術書である。検討結果として、対象書籍において提示された地域認識として、①地域衰退論、②地域衰退の原因としての「都市化=市場化」、③家族の延長としての地域、④「住み慣れた」生活の場としての地域、⑤封建的コミュニティによる排除の5カテゴリーを抽出し得た。

  • 包國 友幸
    2026 年10 巻1 号 p. 116-124
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/08/06
    ジャーナル フリー

    促通を用いた身体が動かしやすくなり即座に効果(即時効果)を実感することができる運動プログラムは1997年に開発された。本研究の目的はその運動プログラムの効果を検証することであり、対象者は東京都シルバー人材センターCブロック幹事主催の「腰スッキリ講座」に参加した44名(男性19名、女性25名)の高齢者(平均年齢74.71±5.79歳)であった。質問紙による調査項目とその結果は以下にようであった。①NRS調査では腰に対する主観的な感覚が運動後に有意に改善した(p<0.01)、②状態不安調査では運動後に有意に低下した(p<0.01)。③講座の内容についてでは「大変良い」が57%、「良い」が43%、④運動後の腰の感覚では「とてもすっきりした」が55%、「ややすっきりした」が43%、⑤自由記述では肯定的内容がほとんどであった。

  • ー 学修成果基盤型教育と高等教育質保証の観点から ー
    久保田 寛, 内田 和宏, 島谷 綾郁, 小泉 文子, 齊藤 美由紀, 川廷 宗之
    2026 年10 巻1 号 p. 125-136
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/08/06
    ジャーナル フリー

    本研究は、日本の介護福祉士養成教育における「介護実習」シラバスを対象として、その記載内容の実態を分析し、介護実習教育に内在する課題と改善の方向性を検討することを目的とする。中央教育審議会(2008)「学士課程教育の構築に向けて(答申)」に加え、大学基準協会、大学評価・学位授与機構、日本高等教育評価機構のシラバス関連評価観点を参照し、大学51校、短期大学36校の公開シラバスを分析した。分析の結果、到達目標は形式的には広く明示されているものの、学修成果を行動や達成水準として具体化する記述は限定的であった。また、実習内容や回次計画は列挙されている一方で、学生の学修プロセス、授業外学修量、評価方法と到達目標との対応関係については、十分に言語化されていない傾向が確認された。以上から、介護実習教育における経験的学修が、シラバスという教育設計文書上では必ずしも十分に可視化されていないことが示唆された。以上の知見は、介護福祉士養成課程における介護実習教育の改善に向けた基礎的知見を提供するものである。

  • ー 「売る」から「推される」へ ー
    宮田 雅之
    2026 年10 巻1 号 p. 137-147
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/08/06
    ジャーナル フリー

    本研究ノートでは、「推し活」を単なる若者文化としてではなく、現代の消費者行動およびブランド戦略を捉え直す視点として考察する。従来の「売る」ことを目的としたマーケティングに対し、「好き」「応援したい」といった感情を起点として、継続的な購買や情報拡散を促す「推し活マーケティング」の可能性を整理した。具体的には、消費者心理の分析、ブランド戦略論の検討、さらにアイドルグループのケーススタディを通じて、その構造と課題を明らかにするとともに、一般商品・サービスへの応用可能性について考察した。以上を踏まえ、今後のマーケティングにおいては、「売る」から「推される」への視点転換が重要であることを示唆する。

  • ー 第1ステージ探索研究 ー
    柴田 美雅
    2026 年10 巻1 号 p. 148-154
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/08/06
    ジャーナル フリー

    本研究は、作業療法士養成教育における障害当事者参加型授業の教育的意義を明らかにすることを目的として実施した実践研究である。対象は、本校作業療法学科において障害当事者による授業を実施している発達障害治療学Ⅰ、地域作業療法学Ⅰ、職業関連活動学の3科目とした。第1ステージでは探索研究として、各科目の教育目標、ディプロマポリシー(DP)との関連、作業療法士養成教育モデル・コア・カリキュラムとの対応関係について分析を行った。その結果、障害当事者による授業は、対象者理解、倫理観、コミュニケーション能力、多職種連携意識など、専門職に求められる情意領域の教育に寄与する可能性が示唆された。また、DPに示される人間性、問題解決能力、協働性などの資質形成にも関連する教育内容であることが明らかとなった。今後は、学生の学修成果分析、教育内容改善への展開を予定している。

  • ー 米国におけるシラバス研究を手がかりに ー
    内田 和宏, 久保田 寛, 小泉 文子, 島谷 綾郁, 齊藤 美由紀, 川廷 宗之
    2026 年10 巻1 号 p. 155-160
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/08/06
    ジャーナル フリー

    日本ではシラバスは制度的に整備されてきたが、統一様式に基づく管理的文書として運用されることが多く、学習支援や関係性形成の機能は十分に発揮されていない。一方、米国では、シラバスの文体や構成、提示方法が学生の教員に対する印象や認識、学習参加意欲に影響を及ぼし、さらには学習成果や教育機会の格差とも関連することが示されている。以上を踏まえ、本論文では対人援助職教育の特性に着目し、シラバスを授業開始前から教員と学生、さらには学生同士の関係性のあり方を方向づけ、実践知の生成を促す「学習への入口」として位置づける。そのうえで、経験から得られた暗黙知を言語化し、他者との対話を通じて理解を深め、それを実践知へと接続していく学習コミュニティの設計図として、シラバスを捉え直す必要性を論じる。

  • ー 日米の「シラバス」評価基準の比較から ー
    川廷 宗之, 内田 和宏, 久保田 寛, 小泉 文子, 島谷 綾郁, 齊藤 美由紀
    2026 年10 巻1 号 p. 161-174
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/08/06
    ジャーナル フリー

    授業のアウトカムが重視されている。そのアウトカムを生み出す授業を効果的に展開していくのは、日本の高等教育において喫緊の課題である。授業内容は、シラバスを見ることで、その内容はほぼ推測できるので、それを評価する適切な評価基準が作成されれば、その基準によりシラバス評価を行うことで、当該授業の改善方法を探ることが出来る。このような前提のもとで、シラバス改善(授業改善)を行うためには、修得すべき能力としてアウトカムの具体化が必要なのだが、その点について米国の動向と日本の動向の比較検討を行い、日本で設定されているアウトカムの曖昧さが日本の授業改善の妨げになっている点を指摘した。その上で、日米のシラバス作成基準や評価基準を比較し、大きな格差がある点を指摘し、今後の日本の高等教育を国際基準で展開していくためには、様々な改善点が必要である点を、米国のシラバス研究を上げつつ指摘した。その上で、当面の改善目標としてのシラバス評価基準(シラバス作成のガイドライン)を提案した。

  • ー 個人要因と制度要因から ー
    檜垣 昌也
    2026 年10 巻1 号 p. 175-181
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/08/06
    ジャーナル フリー

    本稿は、〈ひきこもり〉支援制度が捕捉し得る層と捕捉し得ない層を、個人要因と制度要因の両面から整理した。個人側では、生活能力・経済的自立力・社会的自立力の三要素に加え、地域資源などの外的環境が重要であることを示した。制度側では、精神障害者手帳と生活保護認定の有無が捕捉可能性を規定し、両認定を持たない層が最も不可視化されやすい。

    さらに、対象者選定の曖昧さ、窓口依存、アウトリーチの倫理的制約が制度の限界を形成している点を指摘した。

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