ビタミン
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78 巻, 11 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 田村 庸信
    原稿種別: 本文
    2004 年78 巻11 号 p. 539-543
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2017/10/10
    ジャーナル フリー
    自然界に存在する[6S]-5-formyltetrahydrofolate(5-HCO-H4PteGlu)は, 1948年に細菌から抽出固定され, citrovolum factor(現在のlencovorin)と命名され, この自然型の[6S]-5-HCO-H4PteGluはヒトやその他の生物でも葉酸としてのbioactivityがある, ことは同定後ただちに確認された. しかし, その異性体である[6R]-5-HCO-H4PteGluはbioactivityが全く無いと過去50年以上にわたり考えられてきた. したがって, 後に構造も明らかになり化学合成された[6RS]-5-HCO-H4PteGluは, 各異性体の1:1の混合であるが, ヒトでは50%のbio-activityしかないと信じられてきた. 我々は経口投与した[6R]-5-HCO-H4PteGluがヒトでbioactiveであるという仮説のもとに, その検討を行った.
  • 一瀬 宏
    原稿種別: 本文
    2004 年78 巻11 号 p. 544-
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2017/10/10
    ジャーナル フリー
    「ヒトの栄養に必須であるものの, 体内で生合成することができず食品から摂取しなければならない微量有機化合物」というビタミンの定義から考えると, 厳密な意味でのビタミンには含まれないが, ヒトの健康に重要な意味を持つ生理活性有機化合物が知られている. これらをビタミン類縁化合物と称する. ビタミン類縁化合物は大きく分けると, 必須の生理作用を有するが体内で生合成されうるもの, 体内で生合成されないがその化合物の作用が生命維持に必須とは考えられないものに分類できる. 体内で生合成される化合物であっても, 生体内での必要量は発達や老化, 運動負荷や病態時などには変わる可能性があり, 生体内での生合成量が必要かつ十分であるかについては慎重な検討が必要である. また, 動物体内で生合成されず, 主に植物や微生物によって生産される化合物については, 膨大な数の化合物があるが, 疾病予防のために有効な化合物も多数存在すると考えられる.
  • 佐伯 武頼
    原稿種別: 本文
    2004 年78 巻11 号 p. 545-554
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2017/10/10
    ジャーナル フリー
    カルニチンは, 発見当初, ビタミンBTと称されたが, 生体内で合成されるので, ビタミンではないとされた. しかし, 厳格な菜食主義者やカルニチンを含まないミルクを投与された乳児では血中のカルニチンは低下する. 老齢者ではカルニチン投与の効果が報告されている. また, さまざまな病態で血中濃度が低下し, 薬理作用を含め, カルニチンには多彩な機能が想定されている. 基本的には, カルニチンの機能は, 長鎖脂肪酸の酸化においてアシルCoAをミトコンドリアヘ輸送する担体となることである. また, カルニチンアセチル転移酵素の作用によってアセチルCoA/CoA比の制御にかかわっている. さらに, 先天性代謝異常症において蓄積するアシル化合物や, 投与される薬剤のアシル化合物の排泄に重要な役割を果たしている. 薬理的な量のカルニチン, およびアセチルカルニチンに関しては, 抗酸化作用やアポトーシス抑制の作用などが報告されている. 本稿では, われわれが数年来解析を進めているカルニチン欠損マウスにおける多彩な症状が, どのような機構によって生じるかを明らかにして, カルニチンの生体作用を解明しようと試みている現状について述べる.
  • 清水 誠, 薩 秀夫
    原稿種別: 本文
    2004 年78 巻11 号 p. 555-563
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2017/10/10
    ジャーナル フリー
    食品中の栄養素や機能性成分が体内に吸収される場として小腸上皮はもっとも重要である. 小腸における吸収(物質輸送)の効率を変化させれば, 体内に入る栄養素の量をコントロールすることができる. 近年開発が急速に進んでいる特定保健用食品の中には, 腸管における栄養素吸収を制御することを主要なメカニズムとする製品も多い. 糖の消化吸収を抑え血糖値の上昇を抑制する食品, コレステロールの吸収を抑えて血清コレステロールレベルを制御する食品, 中性脂肪の消化吸収を抑えて肥満を予防しようという食品, ミネラルの腸管吸収を促進する食品など, 腸管における栄養素の消化吸収を制御することは, 生活習慣病の予防のための簡単でかつ実効性の高い戦略と認識され, 利用されている. また, 腸管上皮は食品成分をはじめとする腸管内容物と直接接触する組織であり, 食品成分の影響を受けやすい組織でもあると推定される. 物質の吸収のみならず, 食品成分が持つさまざまな情報を受容し, それに応答する組織としても腸管上皮は興味深い.
  • 小田 宗宏, 桑田 有
    原稿種別: 本文
    2004 年78 巻11 号 p. 565-567
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2017/10/10
    ジャーナル フリー
    生活の向上や環境衛生の改善により生活習慣病やアレルギー性疾患が多くなっている. そのため, 日常的に利用できる食品が, 健康維持や疾病予防改善に対して貢献することに大きな期待が寄せられている. 食生活では, 摂取カロリーや栄養バランスなどに配慮することが重要であることは勿論であるが, 食品あるいはその成分で保健効果や安全性が科学的に実証されたものについては, それらを適切に摂取していくことも生活習慣病予防の観点からは重要なことである. 2. 整腸食品の主な有効成分とその機能 我が国では, 1991年に特定保健用食品制度が制定されて以来, 2003年末までに398品目が「特定保健用食品」の表示許可を受けている. これら食品の中で, 保健の用途として整腸作用を訴求する品目数は193品目にのぼり, 特定保健用食品のほぼ半数を占めている. いずれも「お腹の調子を整える」等の旨を表示できる食品として厚生労働省より表示許可を受けていることから, これらを整腸食品ということができる.
  • 吉村 徹
    原稿種別: 本文
    2004 年78 巻11 号 p. 569-570
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2017/10/10
    ジャーナル フリー
  • 新 真理子, 梅澤 智佐江
    原稿種別: 本文
    2004 年78 巻11 号 p. 571-575
    発行日: 2004/11/20
    公開日: 2017/10/10
    ジャーナル フリー
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