本研究の目的は,ユーモアコーピングがユーモアスタイルの一部として測定されていることによる問題などを考慮し新たにユーモアコーピング尺度を作成する,またユーモアコーピングとユーモアスタイルの弁別性に関して,健康との関連を比較することであった。
成人515名(男性257名,女性258名,平均年齢44.62歳,SD =13.96)のデータを用いて因子分析を行った結果,24項目4因子のユーモアコーピング尺度が作成された。
尺度の信頼性と妥当性を検証した結果,各因子.08以上のα係数及びGFI=.885,AGFI=.860, CFI=.923, RMSEA=.064(90%信頼区間:下限.059上限.069)のモデル適合度,併存的妥当性を測る外的基準変数との.20以上の有意な偏相関係数が示され,全体として概ね許容範囲と考えられる値が示された。
また協調的・自嘲的ユーモアコーピングにユーモアスタイルとは異なる抑うつとの関連が示されたことから,ユーモアスタイル尺度との弁別の意義が示された。
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