雑草研究
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1970 巻, 10 号
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  • 西 貞夫
    1970 年 1970 巻 10 号 p. 1-9
    発行日: 1970/11/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 嶋村 匡俊
    1970 年 1970 巻 10 号 p. 10-14
    発行日: 1970/11/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 第3報 耕地におけるヨモギの life cycle について
    伊藤 健次, 井手 欽也, 井之上 準
    1970 年 1970 巻 10 号 p. 15-18
    発行日: 1970/11/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    以上の結果を要約すると, 次のようである。
    (1) 3cmの深さに植え込まれた地下茎断片の節芽が出芽するまでの日数は, 平均気温10℃以上の2月~10月植え込み区では約20日以内であったが, 10℃以下の1月, 11月および12月植え込み区では30日以上であった。
    (2) 7月までの間に出芽した個体はすべて年内 (10月上旬) に開花したが, 8月以降に出芽した個体は翌年10月に開花した。
    (3) 新地下茎の発生は, 地上部の大きさが草丈約10cm, 展開葉数約10枚, 生体重2~3gになった頃に起こる。そのために, 4月~10月の間に出芽した個体は約1ヵ月後には新地下茎を発生するが, その他の場合は2~4ヵ月を要する。
    (4) 地中をほぼ水平に伸長する地下茎の先端は, 11月下旬~12月上旬頃までの間にほぼ揃って地上へ上向・出芽する。この地下茎の上向・出芽は, 地上部の状態 (開花, 未開花) とは必らずしも関係ないようである。
    なお, 地上へ出芽した地下茎の先端はロゼット状態で越冬し, 地下茎の節芽からの個体と同様の life cycle をたどる。
  • 渡辺 泰
    1970 年 1970 巻 10 号 p. 19-24
    発行日: 1970/11/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    (1) シロザの種子は, 開花後15日前後の未熟状態では容易に発芽するが, 成熟がすすむと光発芽種子の特徴が現われた。さらに完熟すると, 光を与えても恒温下では強い休眠を示した。ただし, 光の効果は変温によってかなり代替され, 完熟種子でも明所変温条件では30%以上発芽した。
    (2) 種皮による種子の吸水阻害はみられなかった。休眠種子の発芽は, 明所における高濃度酸素により著しく促進されたが, 暗所ではその効果が現われなかった。種子に対し硫酸処理, 発芽孔部の切除処理をすると, 明・暗所とも完全に発芽した。以上の結果から, シロザの種子は光発芽であるとともに, 休眠の主因は種皮の酸素不透性にあると推察される。
    (3) 低温処理によって休眠が打破され, 光要求性は著しく低下した。また, gibberellin は 500ppm以上で, kinetin が貯蔵種子の明所発芽にかぎり, それぞれわずかに覚醒効果が認められた。Gibberellin は光代替作用を 1,000ppm で若干示した。さらに, KNO3は前記の2物質に比べ効果が大きく, 明所では10-2M, 暗所では 10-2~10-1M が高い発芽率を示した。
  • 渡辺 泰
    1970 年 1970 巻 10 号 p. 24-28
    発行日: 1970/11/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    (1) シロザの種子は, チシャの種子や硫酸処理して休眠を打破したシロザ種子の発芽を抑制する物質を有することを認めた。この物質は休眠を示さない未熟種子にも存在した。未熟種子や採種後経過年数の長い種子ほど吸水後種子外に浸出しやすいようであった。
    (2) この物質は水抽出後pH2で醋酸エチルで振盪抽出される。イソプロパノール, アンモニア, 水 (10: 1: 1) を溶媒としてペーパークロマトグラフィーで展開すると, Rf 0.8~1.0に活性部位が分離した。螢光反応はなく, 作用は比較的弱いものであり, gibberellin によって抑制は回復した。
    (3) 光を2,000lux, 温度を25℃として2日間酸素のなかで種子に吸水させた結果, 種子の抑制物質の濃度は減少しなかった。また, 種子を2℃で2ヵ月間処理すると発芽率が5%から44%に増大し, 一方, 抑制物質も著しく減少した。
    以上, シロザの種子は発芽抑制物質を有するが, 休眠に果している役割について結論をくだすにはさらに検討が必要である。
  • 古谷 勝司, 片岡 孝義
    1970 年 1970 巻 10 号 p. 28-32
    発行日: 1970/11/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    稚苗移植栽培において有望と考えられる除草剤について, 温度 (16, 23, 30℃) と稚苗に対する薬害およびタイヌビエに対する殺草力との関係を検討した。
    水稲の薬害に及ぼす温度の影響が小さかった除草剤はTOPE, トリフルラリン, CNP, NIPおよびG-315であった。高温において薬害がやや大きかったものはベンチオカーブおよびベンチオカーブ・CNP, かなり大きかったものはベンチオカーブ・シメトリンおよびシメトリンであった。
    1.5葉前後のタイヌビエに対する殺草力の温度変動の小さかった除草剤はシメトリン, ベンチオカーブ・シメトリンおよびベンチオカーブ・CNPであった。殺草力が低温でやや劣るものはベンチオカーブ, TOPE, トリフルラリン, CNPおよび NIPであった。
    水稲とタイヌビエ間の選択殺草性が高温で小さかったものはシメトリン, ベンチオカーブ・シメトリンおよびベンチオカーブ・CNP, 低温で小さかったものはTOPEおよびトリフルラリンで, ベンチオカーブは中温でやや大きい傾向にあった。CNP, NIPおよびG-315では選択殺草性の温度変動が小さかった。
  • 土壌中における分解および分解阻害剤について
    白川 憲夫
    1970 年 1970 巻 10 号 p. 32-36
    発行日: 1970/11/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    除草剤CMMPの土壌中における分解について検討した。その結果,
    (1) CMMPの土壌中での分解には, 水分が必要であることを確認した。
    (2) 分解は滅菌土壌中よりも無処理土壌中のほうが促進された。
    (3) CMMP処理後は明所放置よりも暗所放置のほうが, 分解を促進した。
    (4) さらに, 好気条件下のほうが嫌気条件下よりも分解を進促した。
    (5) CMMPの分解は一次分解 (CMA生成) と二次分解 (CMA分解) とが同時に進行することが確認された。
    (6) 殺菌剤PMTS処理でCMMP分解はかなり抑制された。このことはCMMPの土壌微生物による分解を意味している。
    (7) 一方, 殺虫剤 Phenitrothion, carbaryl 処理土壌中では, 前者の場合20日, 後者では60日以上CMMPの分解を阻害した。
  • 植木 邦和, 山末 裕二, 片子沢 朋子
    1970 年 1970 巻 10 号 p. 36-39
    発行日: 1970/11/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    1) 本研究は, 大麦種子を用い, 除草剤 EPTC (ethyl N, N-dipropylthiocarbamate) のα-amylase 生合成阻害の機作について追究しようとしたものである。
    2) EPTCは大麦種子において発芽抑制効果を発現したが,α-amylase 活性も同時に低下させた。
    3) 内的GA3によるα-amylase 生合成経路を遮断した大麦胚乳においてGA3を添加すると,α-amylase 活性は増大したが, 同時にEPTCを添加することにより, このα-amylase 活性の阻害がみられた。また, 標品のα-amylase 液は in vitro でEPTCにより活性阻害は認められなかった。
  • 松中 昭一
    1970 年 1970 巻 10 号 p. 40-43
    発行日: 1970/11/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    新除草剤G-315の作用機構のオルト位置換ジフェニルエーテル系除草剤のそれとの類似性を, 殺草にあたっての光要求性ならびに移植水稲葉鞘 (身) 褐変現象について, NIPと比較した結果, G-315およびNIPの間で質的な差異をみとめることはできなかった。ただし, G-315の作用力はNIPよりはるかに大きい。両者の化学構造が甚だしく相違しているのに, 作用機構が極めて類似しているのは, 多くの示唆を与えることといえよう。
    また, NIPと構造類似の除草剤であっても, オルト位置換のないHE-314 (TOPE) 等にあっては殺草時の光要求性なく, またイネ葉鞘 (身) に褐変を生ずることのないことが再確認された。
    したがって, G-315は, 土壌混和処理でも有効であるというNIPとは異なる特性をもってはいるが, これは吸収・移行などの場での性質の相違であって, 作用点における働き方, すなわち作用機構はNIP等の光活性型のオルト位置換ジフェニルエーテル系除草剤のそれと同一であると推定される。
  • 中 精一, 佐藤 清美
    1970 年 1970 巻 10 号 p. 43-49
    発行日: 1970/11/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    畑雑草の機械的防除技術を確立し, その利用限界を明確にするために, メヒシバの生育期における除草効果について検討した。
    (1) 除草用爪は埋没, 引抜きおよび断根の作用を保持するが, ダブル・エッジ・ショベルは引抜きと埋没, シングル・エッジ・ショベルは埋没と引抜き, スイープは断根, スプリング・ツースは引抜きの主作用を保持する。
    (2) メヒシバに対する作用は, 1~2葉期においては引抜き, 埋没, 断根作用が効果大であるが, 4~5葉期は断根作用が大である。
    (3) メヒシバの1~2葉期においては, ダブル・エッジ・ショベル, シングル・エッジ・ショベル, スイープは爪の両側5~15cm以下において除草効果「大」であるが, 4~5葉期においてはスイープ以外の機種は効果が著しく小さい。したがって, 作業時期の限界は, スイープは4~5葉期においても作業可能であるが, 他の機種は1~2葉期と推察される。
    (4) 除草効果「大」以上を保持する爪相互の間隔とねらいとする作業位置は, ダブル・エッジ・ショベルは20cm (畦間), シングル・エッジ・ショベルは左側10, 右側20cm (畦内), スイープは30cm (畦間) であるが, スプリング・ツースは明確でない。
  • 白須 弘, 山本 進, 行永 寿二郎, 上山 良人
    1970 年 1970 巻 10 号 p. 49-52
    発行日: 1970/11/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    1) 薬剤散布と土壌混和を一連の作業で実施できる耕耘機の付属品として除草剤散布機を試作し, その土壌混和の均一性について, また同じ耕耘機のロータリーを用いて, 手散布したトリフルラリン粒剤の土層別混入程度をコムギ農林61号を検定植物とする生物検定によって検討した。
    2) 試作機を利用して, トリフルラリン乳剤を散布と同時に土壌混和した結果, 耕耘機の走行速度の遅速による土壌混和処理のむらは認められなかったが,作業上かちみると低速 (34.9m/分) が高速 (63.8m/分) より作業が容易であった。
    3) 耕耘機のロータリーを用いて土壌混和したときの薬剤の土層別分布は, 浅い層に多く, 深い層ほど少なかった。
  • 鈴木 嘉一郎, 宇田 昌義, 佐本 啓智, 山川 勇
    1970 年 1970 巻 10 号 p. 52-56
    発行日: 1970/11/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    (1) 水管理の異なる乾田直播水田の雑草量の推移を調査した結果, 雑草量は, 終始無湛水の全期乾田区では, 慣行乾田直播の全期湛水区に比べ, 分けつ期・減数分裂期に著しく多いが, 登熟期には湛水区と大差なくなり, 減数分裂期に湛水に切りかえた減数分裂期以後湛水区では, 湛水後に著しく増加し, 登熟期には他よりも著しく多くなった。
    (2) 水管理の差異による雑草草種の差異については, 全期湛水区ではノビエが最も多く, マツバイ・カヤツリグサ・コナギ・メヒシバがこれに次いだが, 全期乾田区・減数分裂期以後湛水区では, メヒシバ・ノビエの生育量が大きくて他の雑草の生育を抑制した。
    (3) 雑草による水稲の減収率は, 全期乾田区が全期湛水区よりも高かった。これは全期乾田区では水稲と雑草との間の水分競合が著しいことと, イネ科雑草が多発したことによるものと考えられた。また除草効果は全期乾田区>減数分裂期以後湛水区>全期湛水区の順となり, 無湛水栽培における除草の意義は慣行乾田直播よりもさらに大きいと考えられた。
    (4) 終始無湛水の全期乾田区における雑草放任の悪影響は, 次年度のみならず翌々年までみられた。
    (5) 土壌水分と雑草発生量との関係を知るため, 最大容水量の異なる3種の土壌を用いて調査した結果, 雑草の発生量は, 土壌水分が最大容水量比で約 90% (pF約1.0) で最も多く, 100~70% (pF 0~1.5) で比較的多く,それ以下の土壌水分では急減した。
    (6) 無湛水栽培において, 数種の新除草剤を用いて除草体系を検討した結果, NIP (播種後)+DCPA (生育期)+DCPA (生育期) の体系が,薬害および除草効果の点から有望とみられた。しかし大型散布機具を用いた除草剤散布の効果は, 水稲が繁茂した後では雑草への接触が悪くて十分とはいえず, 中耕や手取り除草を必要とした。
    (7) 以上のように, 無湛水栽培では, 慣行乾田直播栽培よりもイネ科雑草の発生が多く, かつ発生量も多いので, 除草剤による防除のみでなく, 機械的防除や生態的防除をも考慮して除草体系を組立てる必要があろう。
  • 日本雑草防除研究会用語委員会
    1970 年 1970 巻 10 号 p. 57-64
    発行日: 1970/11/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 植木 邦和, 清水 矩宏, 松中 昭一, 中村 拓
    1970 年 1970 巻 10 号 p. 65-78
    発行日: 1970/11/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
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