除草剤CMMPの作用性を, 選択殺草性および殺草特性の両面において, 同じ酸アミド系の化合物DCMP, DCPAならびにDCMAと比較した。
1. 植物の発芽および初期生育抑制効果は, DCPA>>DCMA>DCMP≧CMMP の順である。
2. 雑草に対する選択殺草性は, 茎葉処理の場合のみに認められ, CMMP, DCMP, DCPAならびにDCMAいずれも広葉雑草には強力であるが, メヒシバには劣る傾向がある。 ただし, DCPA以外はイヌビユにも効果は劣る。
3. 作物に対する選択殺草性は, 土壌処理および茎葉処理いずれでも認められるが, とくに後者の場合にいちじるしく, 同一条件下における比較試験でもCMMPはトマトおよびミツバ, DCMPはミツバ, DCPAはイネ, DCMAはキュウリに作用が小さいことを確認した。
4. 処理時期と殺草効果との関係は, 各供試化合物ともきわめて類似し, 植物の稚苗期~幼苗期処理がもっとも高い効果を示す。
5. 強力な殺草作用の発現には, いずれの化合物も光が不可欠な要素と考えられ, かつ, 有機リン剤により増強されることは其通した性質である。
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