雑草研究
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24 巻, 1 号
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  • 化学的生態学への一つの試み
    菅 洋
    1979 年 24 巻 1 号 p. 1-6
    発行日: 1979/06/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • (1) 多年生植物における分布と残留
    竹松 哲夫, 竹内 安智, 北条 志郎
    1979 年 24 巻 1 号 p. 7-11
    発行日: 1979/06/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    C-MHは多年生雑草の茎葉から吸収され, 地下部に移行して栄養繁殖器官の休眠を深化させることによりその後の再生を防止する。ここではこの栄養繁殖器官内のMHの残留と分布について, 3種類の植物を用いて検討した。
    1) エゾノギシギシでは秋季に茎葉処理した場合, 1か月後には通常, 最も再生力の大きい根冠部にMHが多量に存在しており, 再生力のほとんどない中央部や下端部には少なかった。9か月後の翌年においても, MHの濃度低下はわずかであり, 再生は認められなかった。
    2) サツマイモでは10月上旬の散布の場合, 塊根中のMHの濃度は収穫1か月後の11月下旬と2月下旬には休眠芽の多い塊根先端部に多量に分布しており, また塊根内部よりも皮層部により多く分布していた。
    2月下旬から8月下旬までガラス室内で土耕栽培したところ, MH処理区からの再生はほとんど認められなかった。また, 塊根内のMHの濃度は, むしろやや高まる傾向がみられたが, これは土耕中の夏季の高温条件下で呼吸消耗により乾物重が減少したためと考えられた。
    3) セイヨウタンポポに, 夏季にC-MHを散布してその後放任または地上部切除を行った結果, MH処理だけでは地上部の伸長抑制効果は不十分であったが, MH処理の9日後に地上部を切除した場合にはその後の再生を著しく抑制した。一方, 植物体内のMHの挙動を調べたところ, 地上部 (茎葉) のMHの濃度は施用後5日位で最大に達し, その後地下部に移行・集積して次第に低下した。しかしながら, 9日後に地上部 (茎葉) を切除した場合には, 地下部 (根茎) のMHの濃度はその後も高く維持された。これは地上部 (茎葉) の存在が地下部 (根茎) のMHの分解・不活性化を促すことを示唆している。
  • 大型雑草の刈取りに対する反応
    根本 正之
    1979 年 24 巻 1 号 p. 12-18
    発行日: 1979/06/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    人工草地において, しばしば優占雑草となる大型雑草, ヒメジョオン, ヨモギおよびエゾノギシギシの刈取りに対する反応について比較検討した。
    1) 孤立個体の反応
    ヒメジョオンは, 刈り取られても直ちに分枝を出し, その先端に花芽を形成した。刈り取られた場合は, 無処理に比べて生育期間が延びた。刈取りによる障害は開花直後の7月1回刈区で顕著であった。
    ヨモギは, 刈取りによって分枝を出すが, 蕾を形成するに至らなかった。また刈取りにより地下茎の先端が上向し, 出芽がみられた。
    2) 採草地内での消長
    採草地内では, 刈取り要因のほか, その再生過程における牧草との種間相互作用が大きく影響を及ぼした。
    ヒメジョオンは, ある程度刈り取ることによってその個体が維持されるが, 刈取りが少ないか無刈取りの場合減少した。刈り取らない場合, イネ科牧草が過繁茂状態となるため, その生育が著しく抑えられた。
    ヨモギは, 刈取りが少ないか無刈取りの場合のみ優占してきた。ヨモギは, 一度生育空間を占有してしまうと他種との競争に強い。刈り取られた場合, イネ科牧草などに比較して上方への再生長が遅く, しかも牧草によってその再生長はさらに抑えられた。
    エゾノギシギシは, 従来から言われているとおり, 2~8回程度の刈取りではその防除が困難であることが確かめられた。
  • 山田 忠男, 中村 拓, 坂本 真一, 松中 昭一
    1979 年 24 巻 1 号 p. 18-22
    発行日: 1979/06/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    ベンチオカーブを3~5年連用した宮崎 (県総合農試), 鴻巣 (農研) と北海道各地の水田土壌を稲収穫期から冬の初めに採取し, ベンチオカーブ残留量を測定した。有機溶媒による土壌抽出液中には多量の単体イオウが共存してガスクロマトグラフによる測定を妨害するので, このイオウを除く処理を採り入れた。測定値は宮崎, 鴻巣, 北海道の順で大きくなり, ベンチオカーブの当年施用量に対する残留率で示すと, それぞれ平均して4%, 15%, 30%であった。これは気温の低い地域で残留量が多いことを示している。
    宮崎の連用試験では, 第1年目の残留値がわずかに大きいがその後はほとんど同じ低い値であった。この場合, 土壌の風乾操作と保存中のベンチオカーブ消失傾向は認められなかった。製剤間では, 単剤に比べ混合剤の方が残留率で高い例もあった。ベンチオカーブの残留量は作土の浅い層に多く, 下へ行くほど少なくなった。対照区にもベンチオカーブがかなり多く検出され, これは灌漑水による汚染と考えられた。
  • 小林 勝一郎, 石塚 皓造
    1979 年 24 巻 1 号 p. 23-28
    発行日: 1979/06/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    Barban の選択殺草機構を明らかにするため, 根部処理による barban の選択性ならびに植物体内における barban の行動の面から, 根部処理 barban の選択殺草機構について検討した。
    (1) 根部処理による barban の選択殺草性を調べた結果, 茎葉処理に比べてその幅は小さくなるが, エンバク (感受性) とコムギ (抵抗性) との間に茎葉処理の場合と同様な選択殺草性を示し, 茎葉部に対する作用と生育抑制作用との間に高い相関性が認められた。
    (2) 選択殺草性発現の要因を吸収, 移行ならびに化学的形態変化の面から検討した結果, 吸収量では植物間での差は認められなかったが, 移行量および化学的形態変化の速度に差異が認められた。しかし, 両者を比較すると移行量の相違に比べて化学的形態変化の速度の差ははるかに小さいものであった。
    (3) 吸収, 移行ならびに化学的形態変化の結果として発現される茎葉部における barban 濃度の高低と感受性の大小との間に高い相関性が認められた。
    (4) Barban の根部処理による選択殺草性の発現には作用部位と思われる茎葉部での barban 濃度の高低が大きく関与しており, この差異は移行量の相違を主因としていると推察された。
  • 第2報 イヌホタルイ種子の休眠覚醒に及ぼす温度と光の影響
    石倉 教光, 曾我 義雄
    1979 年 24 巻 1 号 p. 28-32
    発行日: 1979/06/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    イヌホタルイの種子の休眠覚醒に及ぼす冷湿処理中の種子の貯蔵方法, 温度, 明・暗条件, 薬剤などの影響について検討し, 大要次の結果を得た。
    1. 5~20℃の畑水分土, 湛水土, 水に埋没・浸漬されると休眠覚醒が進んだ。15~20℃の畑水分土と湛水土の貯蔵が最も有効で, 処理14~30日後から高い発芽率を示した。
    2. 5~30℃に6か月間風乾貯蔵しても休眠覚醒はなく, まったく発芽しなかった。
    3. 浸透価0の水で冷湿処理した種子の発芽率が高かったのに比べて, 浸透価5~6以上の水溶液で処理した種子はほとんど発芽しなかった。
    4. 冷湿処理中の暗期の短い種子に比べて, 暗期の長い種子ほど休眠覚醒が進み, 高い発芽率を示した。そして採種後日数の経過につれて, 発芽に対する暗条件の必要性が減少した。
    5. チオ尿素よおびLグルタミン酸0.01~1%水溶液の休眠覚醒効果は高く, 次いでLグルタミンで, 硝酸加里, 亜硝酸加里, GA3では休眠覚醒効果が低いかあるいはほとんど認められなかった。
  • 高林 実, 中山 兼徳
    1979 年 24 巻 1 号 p. 33-35
    発行日: 1979/06/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 阪本 寧男, 河原 太八
    1979 年 24 巻 1 号 p. 36-40
    発行日: 1979/06/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 植木 邦和, 百武 博, 小林 勝一郎, 高林 実
    1979 年 24 巻 1 号 p. 41-46
    発行日: 1979/06/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
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