雑草研究
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29 巻, 1 号
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  • 河野 昭一
    1984 年 29 巻 1 号 p. 1-10
    発行日: 1984/05/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 草薙 得一
    1984 年 29 巻 1 号 p. 11-24
    発行日: 1984/05/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 沖 陽子, 中川 恭二郎
    1984 年 29 巻 1 号 p. 25-32
    発行日: 1984/05/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    種々の温度 (15℃, 20℃, 25℃及び30℃) とホテイアオイ実生株及び成株の生育や繁殖との関係を検討し, 次の結果を得た。
    1. 実生株の温度に対する生育特性は, 30℃区及び25℃区では形成された新個体の生育が優先されるのに対して, 20℃区では新個体を形成することが優先される傾向にあり新株形成数が最も多かった。また, 最適生育温度は200℃以上であった。
    2. 実生株の花序の形成時期及び形成数は高温になるのに伴い有意に早くかつ多くなった。また, 花序数と子株数との相関を検討した結果, 各温度設定区で, ある一定数の子株が形成された後, 花序形成へと質的変換が生じることが認められた。
    3. 成株の場合, 乾物重増加は各温度設定区で有意に異なったが, 25℃区と30℃区は差が認められず, 双方共, 最適生育温度と考えられた。
    4. 実生株と同様に20℃区及び15℃区で新個体の形成数が多く, 矮小化が認められた。また, 成株の花序形成は, 30℃区及び25℃区で有意に優れた。
    5. 以上の結果より, 実生株, 成株共に生育量, 増殖及び花梗形成の様相に各温度条件下で特有の型を有することが明らかになった。
  • 北岡 政弘, 植木 邦和
    1984 年 29 巻 1 号 p. 33-37
    発行日: 1984/05/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    1) ヨモギの耕種的あるいは化学的防除の基礎知識をうるため, 生育過程における物質分配, 特に地下茎の発達と炭水化物含量の変動について調査した。材料は1個体より栄養繁殖させた地下茎の1節芽から生長した幼苗を5月4日に素焼鉢に植え付け育成した。鉢は圃場に埋め込んだ。
    2) 地下茎数は生育初期から急激に増加し, 1か月で全発生数の半数が発生し, 最終的には平均12本となった。
    3) 純生産の分配率は, 最初は葉および根において高かったが, 植付後2~3か月目には地下茎で最大値を占めた。開花・結実後は葉および茎から地下茎への物質の再分配が認められた。
    4) 地下茎先端部には還元糖ならびに非還元糖が多く, イヌリンは少なかった。一方, 先端部以外には多量の非還元糖およびイヌリンが含まれているが, 還元糖はほとんど含まれていなかった。先端部以外の非還元糖含量は生育が進むにつれ, 漸次減少し続けた。
    5) 地下茎中のイヌリン含量は花芽形成時に急激に減少したが, 地下茎はその間も常に生長を続けていた。イヌリンの分解により生じたエネルギーは花芽形成に使用されたというよりもむしろ, 地下茎先端部へ供給されたものと推測された。1か月後には再び多量のイヌリンが, 先端部を除いた, 地下茎全体に蓄積した。
  • 小林 勝一郎, 一瀬 勝紀
    1984 年 29 巻 1 号 p. 38-44
    発行日: 1984/05/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    根部処理した naproanilide〔1-(2-naphthoxy) propionanilide〕のタマガヤツリ (Cyperus difformis L.), ミズガヤツリ (Cyperus serotinus Rottb.) ならびにイネ (Oryza sativa L.) の幼植物における吸収, 移行および代謝と選択殺草性との関連性について検討した。
    1) 根部からの14C-naproanilide の吸収量は, タマガヤツリ, ミズガヤツリ (感受性) に比べて, イネ (抵抗性) できわめて多かった (Fig. 1)。
    2) 根部から吸収された14C-naproanilide に由来する放射能は, いずれの植物においても茎葉部全体にみられ, naproanilide ならびにその代謝物が茎葉部へ移行することが示された (Fig. 2)。放射能量を植物間で比較すると, 茎葉部中ではタマガヤツリが最も多かったが, 根部中では, イネで極端に多かった (Table 2)。
    3) 14C-Naproanilide は, いずれの植物においても比較的速やかに代謝され, 1-(2-naphthoxy) propionic acid (M-1), methyl-1-(2-naphthoxy) propionate (M-2), 薄層板上の原点部あるいは未抽出残渣画分に代謝物がみられた。しかし, 各代謝物の割合は, 植物によって異なり, イネの根部中には, M-2がほとんどみられないなど, タマガヤツリ, ミズガヤツリに比べて, イネでは, 茎葉部, 根部共に, M-1およびM-2の割合が少ないことが最も顕著な相違であった (Fig. 3)。
    4) M-1およびM-2は, いずれも, タマガヤツリならびにミズガヤツリの生育を強く抑制したが, イネの生育に対する作用は弱く, naproanilide と同様な選択殺草性を示した (Table 1)。また, この結果は, naproanilide のM-1あるいはM-2への変化は, 解毒でないことを示した。
    5) 以上の結果から, 根部処理した naproanilide の選択殺草性には, 感受性植物と抵抗性植物との間における代謝能の差異, 特にM-1, M-2の生成能の差異が重要な要因として関与しているものと考えられる。
  • 第4報 種子繁殖に関する調査
    大隈 光善, 千蔵 昭二
    1984 年 29 巻 1 号 p. 45-50
    発行日: 1984/05/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    1) チクゴスズメノヒエの種子生産量, クリーク中の種子の発芽性及び実生個体の生育状況等をキシュウスズメノヒエと対比して, 種子繁殖の可能性を検討した。
    2) チクゴスズメノヒエの種子生産量は, 生育場所や繁茂程度等で異なったが, 1穂当り約100粒程度であり, クリーク一面に繁茂している場合, 1m2当り約10万粒と推定された。
    3) チクゴスズメノヒエ及びキシュウスズメノヒエ種子の稔実率は, いずれも全期間を通じて平均5~10%であった。
    4) 自然条件下でクリーク水中へ落下した種子は翌春まで生存しており, 高い発芽力がみられた。
    5) 稔実種子は, 5~10℃の低温と適度の水分条件に1か月間程度置床することにより, 一部に休眠が覚醒された。また, 変温の効果も認められた。
    6) 種子の発芽温度は, 本実験の範囲では最適30℃, 最低20℃, 最高40℃であった。
    7) チクゴスズメノヒエとキシュウスズメノヒエの間には幼植物においても, 2, 3の特徴的な形態的差異がみられた。
    8) 実生個体は, キシュウスズメノヒエでは7月中旬, チクゴスズメノヒエでは8月中旬までに, 栄養繁殖個体と同等の茎径を示す程度に生長した。
    9) これらの結果から, チクゴスズメノヒエは, キシュウスズメノヒエ同様に, 種子繁殖の可能性が明らかになった。
  • 鈴木 住夫, 伊藤 操子, 植木 邦和
    1984 年 29 巻 1 号 p. 51-54
    発行日: 1984/05/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    ギシギシの地下部からの再生能力を地下部切断片の部位, 大きさおよび生育時期との関係において明らかにするため, 地下部直根を1, 2, 4cmおよび7cmの長さに切断して土壌中に3cmの深さに埋め込み萌芽と初期生長について調査した。その結果はおよそ次のとおりであった。
    1) 直根基部から4cmまでと, それ以下では萌芽率に明らかな差異が認められ, 後者ではほとんど萌芽しなかった。また, 切断片長が1, 2, 4cmと長くなるに伴い萌芽率が高まり, 出葉数も増加する傾向が認められた。
    2) 開花期の直根の切断片は結実期, ロゼット期のものより高い萌芽率を示し, 草丈も大きかった。出葉数については3生育時期の間に大きな差異は認められなかった。
    3) 切断片の生体重が初期生長に与える影響は時期によって異なり, 開花期の直根では草丈との相関が高いのに対し, ロゼット期のものでは出葉数との相関が高かった。
  • 金 吉雄, 中山 治彦
    1984 年 29 巻 1 号 p. 55-60
    発行日: 1984/05/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    昼温25℃, 夜温20℃に制御した自然光下でのファイトトロンで, ハマスゲの塊茎形成に対する植物生長調節物質の影響を検討した。その結果, 次のようなことが明らかにされた。カイネチン処理により, 個体当り平均31.7%におよぶ塊茎数の増加が認められた。すなわち, カイネチンの10-6M処理で29%, 10-5M処理で32%, 10-4Mで45%の増加がそれぞれ認められた。またカイネチン処理はハマスゲの地上部の生長には抑制的に作用することが示された。地上部と塊茎を合わせた全体の乾物重には, カイチネンの影響は認められなかった。カイネチンはハマスゲの地上・地下部のバランスに重要な役割を果たしているものと考えられる。TIBAの場合は10-4Mで塊茎数の増加が認められた。B-9, CCCは10-4Mで塊茎数の増加の傾向がみられたが, カイネチン, TIBAのような顕著な影響は認められなかった。またさらにGAとカイネチンの各種の濃度 (10-4~10-7M) の組合せ処理区を設け, これらの併用効果を検討した結果, カイネチンの10-5MとGAの10-6M処理の場合を除き, 無処理より塊茎数は少なかったが, GAを高めると塊茎数が僅かながら増加した。すなわち, ハマスゲの塊茎数に及ぼすカイネチンの効果はGAの存在で攪乱されることが示された。
  • 梨木 守, 野本 達郎, 目黒 良平
    1984 年 29 巻 1 号 p. 61-70
    発行日: 1984/05/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    公共育成牧場について行った悉皆調査の一部を利用して, ギシギシとワラビの発生要因を数量化II類により解析した。数量化II類の適用の問題点にカテゴリの分類基準の客観性, 妥当性があいまいなこと, また, 母集団分布の仮定やモデルの設定がなく, 推定, 検定理論が未確立であることが指摘されている。しかし, 従来の判別関数法による判別は要因が計量値として与えられていなければならず, 本解析での分類値で与えられている土壌や土性などの要因は取り扱いにくい。また, 要因は比例して判別に影響を与えるとは限らず, ある限界点で不連続に変ることもある。これらの点において数量化による判別法は適しており, 本解析はこれらの有利性を考慮して適用した。解析に供した要因は牧場の年平均気温, 標高, 土壌, 土性, 年間降水量, 傾斜度, 牧場完成年度, 耕起造成率, ヘクタール当りの延牧放頭数, 年間N施肥量, 利用畜種の11項目である。その結果次のことが明らかとなった。
    1) ギシギシの発生要因としては, 傾斜度, 年間N施肥量がとくに強く関与し, 年平均気温, 標高, 土壌, 年間降水量の順に発生に強い影響を及ぼしていると推定された。ワラビでは傾斜度, 年間降水量が重要な要因で, 利用畜種, 年間N施肥量, 牧場完成年度, 年平均気温の順に発生とかかわりが大きいと思われた。
    2) ギシギシとワラビの発生要因の差異は傾斜度, 年間N施肥量およびヘクタール当りの延放牧頭数にみられた。緩傾斜の条件でギシギシ, 急傾斜条件でワラビ, 年間N施肥量の多い条件でギシギシ, 少ない条件でワラビ, 放牧の強い条件でギシギシ, 弱い条件でワラビの危険度が高いという傾向がみられた。草地の管理, 利用が濃密にされることを示すカテゴリが揃う牧場ではギシギシ, 粗放な管理, 利用下を意味するカテゴリの揃う牧場ではワラビの危険性が高いと推定された。
  • 小林 央往, 冨永 達, 中山 壮一, 松本 宏, 小林 勝一郎
    1984 年 29 巻 1 号 p. 71-79
    発行日: 1984/05/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
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