雑草研究
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30 巻, 2 号
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  • 岩崎 桂三
    1985 年 30 巻 2 号 p. 93-106
    発行日: 1985/08/26
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    The author studied the physiological and ecological characteristics of Scirpus weeds, so-called “hotarui”, Scirpus juncoides Roxb. var. hotarui Ohwi, S. juncoides Roxb. var. ohwianus T. Koyama and S. wallichii Nees, then identified the dominant species of Scirpus weeds in paddy fields and determined the cause of the dominance of the species. Based on these data, the author attempted to establish an effective control method for this noxious weed.
    1. The numbers of chromosomes in the pollen mother cells of S. juncoides var. hotarui, S. juncoides var. ohwianus and S. wallichii were 22, 37 and 36 respectively.
    Although S. juncoides var. ohwianus was identified in all the seed samples collected from 17 research stations in 15 prefectures, S. juncoides var. hotarui was not detected at all. S. wallichii and S. hondoensis Ohwi var. leiocarpus Ohwi was identified in 3 and 1 seed samples respectively at very low rates.
    Scirpus plants S. juncoides var. hotarui were never observed in paddy fields where almost all Scirpus plants consisted of S. juncoides var. ohwianus and a few rest was S. wallichii.
    2. Seeds of the three species which overwintered under submerged conditions showed higher emergence rates than those in soils under damp and upland conditions in a greenhouse.
    The temperatures at which S. juncoides var. hotarui, S. juncoides var. ohwianus and S. wallichii emerged were in the range of 25-35°C, 15-35°C and 20-40°C, respectively.
    The emergence rates of S. juncoides var. hotarui and S. wallichii were reduced by covering with soil at depths of more than 1 and 1.5cm respectively, but those of S. juncoides var. ohwianus were not reduced by covering with soil at a depth of 3cm.
    S. juncoides var. hotarui and S. juncoides var. ohwianus sown in soils containing more than 75% of water in MWC base showed more than 70% emergence, but S. wallichii gave 94% emergence in soil containing 40% of water in MWC.
    3. When the seeds were sown in turn from April 12th to July 17th, the growth of S. juncoides var. ohwianus was faster than that of the other two species at any time.
    The growth of the three species was delayed almost linearly with the increase in shade intensity. But the decrease in the stem number of S. juncoides var. ohwianus with shading was less pronounced than that of the other two species under shaded conditions, compared with the control.
    4. Under natural day length conditions, the time of heading and flowering of S. juncoides var. hotarui was the most delayed.
    The heading of S. juncoides var. hotarui and S. wallichii was remarkably delayed or inhibited by shading whereas that of S. juncoides var. ohwianus was also delayed but to a lesser extent than that of the other two species.
    The three species cultivated under natural conditions regrew after their aerial parts were cut off on the 25th of October. Although 50% of the regrown plants of S. juncoides var. ohwianus headed, none of the other species did.
    The mean numbers of seeds per stem of S. juncoides var. hotarui, S. juncoides var. ohwianus and S. wallichii were 93, 317 and 267 respectively.
    5. S. juncoides var. hotarui, S. juncoides var. ohwianus and S. wallichii overwintered regardless of soil moisture content.
    When the weights of overwintering stumps of S. juncoides var. hotarui and S. juncoides var. ohwianus were reduced to less than 32% of the initial weight by drying
  • 岩田 岩保
    1985 年 30 巻 2 号 p. 107-116
    発行日: 1985/08/26
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 鳥生 誠二, 兼頭 明宏, 渡辺 全
    1985 年 30 巻 2 号 p. 117-122
    発行日: 1985/08/26
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    ノミノフスマの多い水田裏〓麦作田に有効な除草剤の播種直後土壌処理法を確立するため, トリフルラリンを中心に数種類の除草剤を取り上げ, 単用またはトリフルラリンとの混用処理による除草効果と収量に及ぼす影響, 〓麦の光合成と生育に及ぼす影響を検討した。
    1. ノミノフスマに対するトリフルラリンの除草効果はベンチオカーブ・プロメトリンのそれに比べ著しく大きいが, イネ科雑草にはやや小さいことが明らかになった。また, トリフルラリンにプロメトリンあるいはシマジンを混用するとイネ科雑草への除草効果が向上した。しかし, 収量には影響がみられなかった。
    2. 播種直後の土壌処理の場合, 光合成阻害型除草剤のシマジン, プロメトリン, DCMUでは光合成と生育を著しく抑制したのに対し, CIPCとDBNでは抑制の程度は小さかった。しかし, トリフルラリンでは光合成と生育に阻害的な影響はみられなかった。
    3. トリフルラリンと光合成阻害型除草剤シマジン, プロメトリン, DCMUとの混用土壌処理の場合, 全ての組合せで生育初期から光合成の顕著な抑制がみられた。しかし, 生育に伴い光合成の回復も認められた。光合成と生育に対する抑制程度はシマジンとの組合わせで大きかった。
    4. ノミノフスマが多くしかもイネ科雑草も無視できない水田裏〓麦作田の雑草防除には, プロメトリンとトリフルラリンの混用土壌処理が有効であると判断された。
  • 與語 靖洋, 石塚 皓造
    1985 年 30 巻 2 号 p. 123-130
    発行日: 1985/08/26
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    根部及び茎葉部処理でのシコクビエ (Eleusiue coracana (L.) Gaertn.) の propanil 抵抗性機構について, 吸収・移行・代謝, 特に解毒酵素の面から検討した。
    1) シコクビエはイネ (Oryza sativa (L.) cv. Nihonbare) には若干及ばないが, propanil に対し大きな抵抗性を示した。しかしメヒシバ (Digitaria ciliaris (Retz.) Koeler), オヒシバ (Eleusine indica (L.) Gaertn.), タイヌビエ (Echinochloa oryzicola Vasing.) はシコクビエに比して propanil に対して著しく感受性大であった (Fig. 1, 2)。
    2) 根部・茎葉部両処理において, 14C-propanil の根部・茎葉部中の代謝を調べたところ, イネではシコクビエ・タイヌビエに比べてメタノール未抽出残査画分に多く放射能が見出され (Table 1), シコクビエやタイヌビエでは propanil は変化せず, そのままの形で残存していることが薄層クロマトで示された。
    3) シコクビエはタイヌビエ同様, propanil を加水分解せず, イネだけが propanil を分解し (Table 2, Fig. 3,
    4), propanil の他 propionanilide, 2, 3-dichloropropionanilide を基質とした。また, シコクビエはイネ・タイヌビエ同様, arylacylamidase IIの活性を有していた (Fig. 5 (A), (B), (C))。
    4) 14C-propanil の茎葉部からの吸収は, タイヌビエで最も多く, イネ, シコクビエの順であった (Fig. 6)。また 14C-propanil の根部処理における根部から茎葉部への移行はイネ・タイヌビエに比べシコクビエで低い傾向が示された (Fig. 8, 9)。
    5) 以上のことからシコクビエの propanil 抵抗性機構は, イネに見られる arylacylamidase I による解毒ではなく, 根部から茎葉部への少ない移行及び茎葉部からの少ない吸収による植物体内, 特に茎葉部での蓄積が少ないことに主として基づくと考えられた。
  • 梨木 守, 野本 達郎, 目黒 良平
    1985 年 30 巻 2 号 p. 131-136
    発行日: 1985/08/26
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    草地に繁茂したワルナスビ防除と草地更新の両面に適するグリホサートの散布適期について検討した。
    1) ワルナスビの生育ステージが開花中~後期から成熟初期に相当する8月30日散布で抑制効果が高かった。また, ワルナスビを散布前に傷付けないことがグリホサートの効果を高める傾向にあり, 散布前の草地の利用は控えることが好ましい。
    2) 草地のオーチャードグラス追播による更新も8月30日散布が優れた。この散布時期は牧草播種までに2週間があり, ワルナスビを含む既存植生の破壊に十分であって追播後の雑草発生を押え草地の生産性は回復された。
    3) 以上の結果から, ワルナスビ発生草地の更新には8月下旬の散布が有効と判断される。
  • 本江 昭夫
    1985 年 30 巻 2 号 p. 137-142
    発行日: 1985/08/26
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    1980年8月上旬~中旬に北海道十勝地方全域の畑地から, 1981年8月上旬に本学構内の耕作放棄地からシバムギの稈をそれぞれ477本と150本採取し, 種子数, 花序の形態, 発芽率を調査した。
    1) 稈あたりの小花数は正規分布を示し, 60~120個のものが全体の64%を占め, また, 稈や花序の長い程多くの小花をつけていた。
    2) 稈あたりの種子数はL字型分布を示し, 0個, 1~10個, 10個以上のものがそれぞれ37, 33, 30%を占めた。
    3) 発芽率は秋播きコムギ畑とトウモロコシ畑からの稈でそれぞれ77と63%であった。また, 発芽可能な種子数を見積るとそれぞれ15.7個と7.4個で, 全体を平均すると8.9個であった。
    4) 芒の長さが1mm以下のものが52%を占めたが, 3mm以上のものも23%を占めた。
    5) 芒の長さが多様な稈を含む個体群ほど, 多くの種子をつける傾向にあった。また, 1つの地域内では境界に位置した稈の方が内側のものより多くの種子をつけていた。
  • 第2報 タチスズメノヒエの生育と種子生産に及ぼす窒素施肥量の影響
    石嶺 行男, 宮里 清松, 松本 重男
    1985 年 30 巻 2 号 p. 143-147
    発行日: 1985/08/26
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    窒素施用量 (10a当たり0, 5.0, 10.5及び21.0kg) がサトウキビ畑の主要雑草タチスズメノヒエの生育と種子生産に及ぼす影響について検討した。
    1. 草丈は全処理区で栄養生長期間を通して急激に伸長したが, それ以後無施肥区で伸長が止まった。その結果, 最終調査時の草丈は無施肥区で最低となり, 施肥区との間に大きな差を示した。
    2. 分けつ数, 葉面積及び地上部乾物重は窒素施用量の増加にしたがって著しく増加したが, 最長根長と地下部乾物重には大きな変動はみられなかった。
    3. 到穂日数と千粒重には窒素施用量の違いによる差異はほとんど認められなかった。
    4. 穂数と穂重は窒素施用量の増加にしたがって増大したが, 有効分けつ率は急激に低下した。
    5. 栄養生長器官では分けつ数と地上部乾物重の変異係数が大きく, 特に分けつ数は著しく高い値を示した。生殖生長器官の変異は個体当たり穂数・穂重が大きく, 千粒重と到穂日数で極めて小さかった。
    6. 本草種は多量の窒素を施与した場合は地上部で過繁茂状態となり, 作物に大きな被陰の影響を及ぼすことが考えられる。
  • 第3報 タチスズメノヒエの生育と種子生産に及ぼす遮光の影響
    石嶺 行男, 宮里 清松, 松本 重男
    1985 年 30 巻 2 号 p. 148-150
    発行日: 1985/08/26
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    遮光処理 (相対照度100%, 80%, 70%, 50%, 30%) がタチスズメノヒエの生育と種子生産に及ぼす影響を検討し, 次の結果を得た。
    1. 草丈は遮光度が強まるにしたがって増大したが, 分けつ数は減少した。
    2. 全乾物重と地上部乾物重はいずれも70%区と80%区で大きな値を示したが, これは葉面積と分けつ数の増大が原因と思われた。
    3. 種子生産形質は千粒重以外はすべて80%区で増大し, その結果種子生産量はこの処理区において最大となった。
    4. 本草種は弱遮光条件で生育と種子生産が盛んになるので, 防除は作物の被陰が大きくなる以前に行う必要があると思われる。
  • 第4報 タチスズメノヒエの生育と種子生産に及ぼす土壌水分の影響
    石嶺 行男, 宮里 清松, 松本 重男
    1985 年 30 巻 2 号 p. 151-154
    発行日: 1985/08/26
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    タチスズメノヒエの防除に関する基礎的研究の一環として, 本草種を乾土重に対する土壌水分を20%, 32%, 58%及び64%として1/5,000aワグネルポットで栽培し, 土壌水分と生育・種子生産構造との関係を調査した。
    1. 草丈は土壌水分の高い処理区ほど伸長し, 成熟期に64%区で最高, 20%区で最低となり, 両区間に著しい差が認められた。分けつ数についてもほぼ同様な結果を得た。
    2. 生長量形質, すなわち地上部乾物重, 地下部乾物重及び全乾物重はいずれも64%区で最高値を, 32%区で最低値を示し, 両区間に著しい差が認められた。
    3. 種子生産形質, すなわち個体当たり穂数・穂重, 1穂重及び千粒重についても生長量形質と同様な傾向の結果を得た。
    4. 有効分けつ率は64%区で最高値を示し, 32%区で最低となった。
    5. 生長量形質と種子生産形質は土壌水分による差異が著しく, 生長量形質では地上部乾物重の可変性が最も高かった。種子生産形質では個体当たり穂数が変異性は最も高く, 千粒重は最低値を示した。
    6. 本草種は特に多湿地域において生育・繁茂が盛んになり, その除草作業も高い土壌水分のため十分な効果をあげることは期待できないので, 多湿地域におけるサトウキビ栽培に当たってはこの点を十分に考慮する必要がある。
  • 田中 肇
    1985 年 30 巻 2 号 p. 155-156
    発行日: 1985/08/26
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 小林 央往, 冨永 達, 中山 壮一, 松本 宏, 小林 勝一郎
    1985 年 30 巻 2 号 p. 160-168
    発行日: 1985/08/26
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
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