雑草研究
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34 巻, 3 号
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  • 南 栄一
    1989 年 34 巻 3 号 p. 181-187
    発行日: 1989/10/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 坂本 真一
    1989 年 34 巻 3 号 p. 188-195
    発行日: 1989/10/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 中山 裕人, 近内 誠登, 一前 宣正, 大渕 悟, 竹松 哲夫
    1989 年 34 巻 3 号 p. 196-203
    発行日: 1989/10/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    プロパニルの除草活性発現に及ぼす界面活性剤 (Table 1) の速効性賦与効果を, 界面活性剤水溶液 (0.1%) のプラスチック板上での拡がり (拡展性) とフェルト沈降法によるフェルト地への浸透性 (湿潤性) の二つの物性パラメーターとの関連から検討した (Table 2)。
    POEノニルフェニルエーテルタイプの界面活性剤水溶液の物性はHLB値により変動し, 拡展性はHLB12~13で, 浸透性はHLB11~15で優れていた (Fig. 1)。即ち, 両物性の間には相関関係が認められた。しかし, その他の界面活性剤では, 明確な関連性は認められなかった。
    温室内ポット試験では葉面の濡れを均一にするために150l/10aの散布水量とした。界面活性剤の添加によりプロパニルの食用ビエ (Echinochloa crus-galli L.) に対する殺草効果に速効性が付与され, 両物性ともに比較的優れていたPOEノニルフェニルエーテルタイプ (HLB値12~13) のものが優れた効果を示した (Figs. 2, 3, Table 2)。そこで, それぞれの物性と速効性賦与効果の関連性を検討したところ, 拡展性および湿潤性の値と速効性賦与効果との間の相関係数はそれぞれr=0.49, r=-0.57 (いずれも危険率1%以下で有意) であつたが, 更に両物性値の組合せについて検討した結果, 速効性賦与効果と, 〔拡展性の値〕×〔1/湿潤性の値〕の式から得られた値の間ではr=0.77 (危険率1%以下で有意) という比較的高い相関係数が得られた。このことから, 拡展性, 湿潤性の両物性に優れた界面活性剤はプロパニルに対する速効性賦与効果が高い傾向にあることが示された。
    また, 炭酸ガス吸収速度を指標に, プロパニル処理後の光合成能を経時的に検定した結果, ポット試験で効果の高かった界面活性剤の添加により, プロパニルの光合成阻害活性が増強され, かつ速効的に発現することが分かった。このことは, これらの界面活性剤はプロパニルの表皮層への浸透性を高めているものと考えられる (Fig. 4)。
  • 冨永 達, 小林 央往, 植木 邦和
    1989 年 34 巻 3 号 p. 204-209
    発行日: 1989/10/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    チガヤ (Imperata cylindrica var. koenigii) は, 防除が極めて困難な, 世界の熱帯から温帯に広く分布するイネ科の多年生雑草である。チガヤが密生している草地の現存量の季節変化を調査し, あわせてチガヤの主な繁殖器官である根茎の水平および垂直分布を調査した。
    1980年6月14日から1981年5月18日に和歌山県西牟婁郡串本町紀伊大島にみられるほぼ全域をチガヤに被われた放棄畑 (北緯33°28′, 東経135°50′, 標高約50m) において (Fig. 1) 調査を行った。50×50cm2のコドラート3個を調査地に設け, ほぼ1か月ごとに出現種および被度を調査した後, 地上部を地上から10cmごとに層別に刈り取り, 器官別に乾物重を測定した。地上部を刈り取った後, チガヤの根茎の水平および垂直分布を調査した。
    調査地ではチガヤが密に分布していたが, 分布様式は一様でなかった (Fig. 2)。チガヤの他にススキ, スイバ, ワラビなど31種の生育が確認された。チガヤの被度は1年を通じて76%以上であったが, その他の種の被度は10%以下であり (Fig. 3), 個体数も少なかった。チガヤは速やかに生長し, 調査開始時には既に草丈が89.7cmに達し, 草冠を被っていた (Fig. 4)。チガヤ, ススキ, ヘクソカズラ, スイカズラおよびハスノバカズラ以外の種は下層に位置していた。2月にはチガヤの地上部はほとんど枯死したが, 枯死葉は, 脱落せず, 枯死した状態で残存していた。調査地の地上部最大現存量は1月に883g/m2を示し, チガヤはそのうちの87.4%を占めた。チガヤの主な繁殖器官である根茎は複雑に分枝していた (Fig. 6)。根茎は, 深さ10cmまでに全量の約80%が分布し, 深いものでは30cmに達していた (Fig. 4)。根茎の現存量は年間を通じ全器官の40~50%を占め, その最大値は地上部の現存量が最大となる時期から約1か月遅れた2月に653g/m2を示した (Fig. 5)。
    複雑に分枝した根茎が地中深くまで分布し, 多量の同化産物を蓄積していることがチガヤの防除を困難にしている要因であると推定された。
  • 埴岡 靖男
    1989 年 34 巻 3 号 p. 210-214
    発行日: 1989/10/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    1. 埼玉県熊谷市の桑園において, 1986年5月にパラコートに対して強い抵抗性をもつオオアレチノギクのバイオタイプをみいだした。周辺地域の分布を調査した結果, その発生は全体的に少なく, 抵抗性ハルジオンのように群生するところは認められなかった。
    2. 葉片をパラコート溶液に浸漬して, パラコート濃度と葉色の退色程度を検討したところ, 感受性のものは1ppmで48時間後にかなり褐変したが, 抵抗性のものは10ppmでも緑色を失うことなく, 100ppmでわずかに褐変退色がおこった。この反応はパラコート抵抗性ハルジオン, ヒメムカシヨモギと類似の抵抗性を示した。
    3. 1988年6月下旬~7月上旬に埼玉県県内の主な養蚕地帯, 5地域合計243地点の桑園で抵抗性オオアレチノギクの分布実態を調査した。オオアレチノギクが出現した地点の54%で抵抗性の個体が確認された。
  • 埴岡 靖男
    1989 年 34 巻 3 号 p. 215-221
    発行日: 1989/10/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    埼玉県の桑園においてパラコート抵抗性ハルジオンの分布実態および特性等を調査検討した。
    1. 県内の主な養蚕地帯で, 1986年235地点, 1988年243地点の桑園においてパラコート抵抗性ハルジオンの分布実態を調べた。
    ハルジオンの出現率は両調査ともに 86%, 87%と高水準を示し, 県内の桑園で広く分布したが, ほぼピークと推察された。この内, 抵抗性ハルジオンは, 1986年には出現した地点の68%, 1988年には89%の地点で認められ, 更に比率は高まることが予測された。
    2. 感受性ハルジオンのみ出現した地点では, 発生順位が低いが, 抵抗性のみ発生地点では発生順位が極めて高く, 最優占種となることが多かつた。
    3. 桑園一筆内の抵抗性ハルジオンの分布推移を1982年から1988年にかけて調査した結果, 抵抗性個体は園内周辺から中央部に侵入する形跡が認められた。抵抗性の発生割合は6年間に30%から96%と高くなった。しかし, まだ感受性個体が僅かに認められた。
  • 第3報 異なる土壌あるいは処理薬量条件におけるフェノチオール・シメトリンとそのジメピペレート混合剤の形態的影響の変動
    藤田 究, 芝山 秀次郎
    1989 年 34 巻 3 号 p. 222-230
    発行日: 1989/10/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    フェノチオール・シメトリン剤が水稲に及ぼす形態的影響およびジメピペレートの薬害軽減効果について, 土壌の種類および処理薬量の影響を検討した。
    1) フェノチオール・シメトリン剤およびそのジメピペレート混合剤が水稲の茎葉部に及ぼす影響は, 本試験の範囲内では株の開張角度の拡大のほかは明らかな薬害症状は観察されず, 両薬剤間に差は認められなかった。
    2) 両混合剤の根部に対する形態的影響は, 根の屈曲および冠根基部の肥大を伴なう種々の形態異常として観察され, これらの異常根は, 処理直後に出根する第8要素下位根を中心として現われた。
    3) 根に現われる形態的影響を土壌間で比較すると, 埴壌土区よりも川砂混合土および砂壌土区において若干強く現われた。また埴壌土区における処理薬量間を比較すると, 標準薬量の300g/a区に比べてその倍量の600g/a区において, 形態的影響が強く現われた。
    4) フェノチオール・シメトリン剤にジメピペレートを加えることによる薬害軽減効果は, 形態異常根の根数およびその程度から判断すると, 若干ではあるが認められた。
  • 小林 勝一郎, 一瀬 勝紀
    1989 年 34 巻 3 号 p. 231-238
    発行日: 1989/10/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    ミズガヤツリ (Cyperus serotinus ROTTB.) の親株あるいは分株別に処理したナプロアニリド〔2-(2-naphthoxy) propionanilide〕の株間の移行性と塊茎形成に対する作用との関連性について検討した。
    1. 親株 (M株) および分株の地下部に本剤を同時に処理した場合 (全株処理) では, M株および分株のいずれにおいても塊茎形成は完全に阻害された。M株のみに処理した場合 (M株処理) では, M株の塊茎形成が完全に阻害されただけでなく, 各分株の塊茎形成もかなり抑制された。しかし, 一次分株中で最大のもののみに処理した場合 (n-1株処理) には, n-1株から発生した株 (n-2株) 以外の分株およびM株の塊茎形成は抑制されなかった。なお, いずれの処理においても塊茎形成が抑制された株でも根, 茎葉に対する生育抑制作用は弱かった (Table 1)。
    2. 本剤の代謝産物である2-(2-naphthoxy) propionic acid および methyl 2-(2-naphthoxy) propionate は本剤に類似した作用性を示した (Table 1)。
    3. 14C標識ナプロアニリドの全株処理では, 親株, 分株のいずれにおいても茎葉中の14C量は吸収終了後でも経時的に増加した。各器官中の14C量は, いずれも親株より分株で多い傾向を示した (Fig. 3, Table 2)。M株処理では, 親株中の14C量が最も多かったが, 処理時にすでに発生していた一次分株だけでなく処理後に発生した二次分株にも14Cが存在し, その量は経時的に増加した (Table 3, Fig. 3)。この結果は, ナプロアニリドあるいはその代謝産物が分株に移行していることを示した。n-1株処理では, 処理後に発生したn-2株に多量の14Cが認められたが, その他の分株ならびにn-1株と連結していた根茎以外の親株の各器官には14Cはほとんど存在せず (Fig. 3, Table 3), 本剤ならびに代謝産物のいずれもが分株から親株にはほとんど移行しないことを示した。
    4. 以上の結果から, ミズガヤツリの特定の株のみにナプロアニリドを処理した場合に, 非処理株の塊茎形成に対する作用が処理株の相違によって異なるのは, 本剤あるいはその代謝産物の株間移行性が親株あるいは分株に処理した場合とで異なるために発現するものと想定された。
  • 横田 清, 高舘 城雄, 野中 政伸
    1989 年 34 巻 3 号 p. 239-245
    発行日: 1989/10/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    エゾノギシギシが優占雑草となっているリンゴ園においてグリホサート液剤, グルホシネート液剤, ビアラホス水溶剤およびDBN・DCMU粒剤の秋処理の実験を行った。処理翌春の雑草の生育状況, 土壌中のN量の変化および雑草に吸収されるN量を調査し, さらにリンゴ園における除草剤の使用体系について考察した。
    1. 11月中旬の処理で翌春の雑草量を抑え, 除草剤処理あるいは刈り取りの時期を6月上旬まで延ばすことができ, とくにリンゴ園で最も問題となっているエゾノギシギシを効果的に防除しうることが認められた。
    2. 秋処理の効果は散布時期に大きく影響され, 雑草が冬枯れに入る前の散布で効果が大きかった。とくにグルホシネートとビアラホスではこの傾向が顕著であった。
    3. 春先のリンゴ園土壌中のNO3-Nは雑草の多少によって影響され, 草量の少ない区ほど高いレベルが維持された。
    4. 施肥時期に雑草の発生が多かった対照区では施肥したNのほとんどが直ちに雑草に吸収され, リンゴの根群域にはほとんど到達しないことが推定された。
    5. 雑草のN含有率は乾物当たり3.1~3.8%の範囲であり, 6月上旬まで草を繁茂させると施肥量に相当する10a当たり約15kgのNが雑草に吸収されることがわかった。
    6. 秋処理によって春先の草量を減らすことが施肥の効率を高め, 土壌中のNO3-Nを高いレベルに維持できることが認められた。
    7. 以上の諸結果からリンゴ園での除草剤の秋処理は, 労力が集中する春先に草生管理を軽減できると同時に施肥の効率化の面からみても意義が大きく, 年間の雑草管理体系に組み入れることの有利性が認められた。
  • 石川 尚雄, 保坂 秀夫, 川名 貴
    1989 年 34 巻 3 号 p. 246-252
    発行日: 1989/10/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    アロキシジムとセトキシジムの殺草特性を検討すると同時にその相違を調べた。
    1. 27種のイネ科植物に対する活性をポット試験で茎葉散布処理を行い調べた結果, 両剤いずれも処理量を高めるとほとんどの草に対し除草効力を示した。しかしオオウシノケグサ (Festuca rubra L.) およびスズメノカタビラ (Poa annua L.) に対しては効力は低く, この両種は強い耐性をもつことが明らかとなった。全体的にみてアロキシジムは0.5kg/haの処理で高い効力を示し, 他方セトキシジムでは0.125kg/haないし0.25kg/haでこれと同等の活性を示した。これよりセトキシジムはアロキシジムの3ないし4倍の活性を有することが明らかとなった。
    2. 両剤のダイズに与える薬害について日本産13品種, 米国産12品種を用いてポット試験で検討した結果, 全体的にイネ科植物より耐性が高く, 品種別でみると特にキタムスメが両薬剤に耐性を, また逆にタチスズナリはやや感受性の傾向を示した。日本産と米国産で耐性に大きな差は認められなかった。薬害はダイズ葉に点状の褐変となって発現した。また薬害発現の薬量はセトキシジムで2kg/ha, アロキシジムで4kg/haと観察された。したがってこの結果と両剤の除草効力差を対応してみるとセトキシジムのもつ適用可能な薬量域はアロキシジムよりも広く, ダイズ栽培におけるイネ科雑草防除において本化合物がより高い適用性をもつものと考えられた。
    3. メヒシバの生育時期の違いによる両薬剤の効力変動を圃場試験で調べた結果, メヒシバの生育の進展にともなう効力低下はセトキシジムで小さく, アロキシジムではより大きかった。
    4. 両剤の活性レベルの差を明らかにするためポットで育成したメヒシバを用い全面散布あるいはメヒシバ葉面のスポット塗布を行い殺草活性を比較したところ, いずれの処理においてもセトキシジムの活性が高く, 前者の処理で約4倍, 後者では約8倍の活性差が認められた。
    5. 散布水量を変えて一定量の薬液を散布した場合の殺草活性の変動をポットで育成のメヒシバを用いて検討した結果, 散布水量が少ない程活性が高まる傾向がみられ, 特にセトキシジムにおいてそれが顕著であった。
  • 高柳 繁, 草薙 得一
    1989 年 34 巻 3 号 p. 253-260
    発行日: 1989/10/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    畑雑草の発生予測モデル開発の一段階として, メヒシバについて, 出芽量の経時変化パターンを耕起後の毎日の日平均気温と土壌水分とによって定量的に表現する動的モデルを策定した。
    1) モデルは次の式から成る。
    Y=1/(1+99999 exp(-λ・lnX))…(1)
    X=ΣXi…(2)
    x=a (TM-T0)・b(WS-W0)…(3)
    ただし, TM<T0またはWS<W0のときはx=0
    ここで, Yは耕起後の累積出芽率 (0<Y<1), Xは耕起後毎日の出芽当量xの日積算値 (iは耕起後i日目を示す), TMは日平均気温 (℃), WSは1日の土壌水分 (含水比%) であり, T0 (出芽下限温度℃), W0 (出芽下限水分%) およびa, b, λはパラメータである。
    2) パラメータの値は, 3年間にわたり, 4~7月まで時期を変えて耕起を行う合計10区の調査区を圃場に設け, これらの区におけるメヒシバの出芽数を, 耕起日から9月末日まで3~4日ごとにカウントした結果を基に, シンプレックス法で求めた。そして, T0=13.20℃, W0=37.63%, a=0.984, b=0.917, λ=1.613が実測値を満足する値の組であった。
    3) 本モデルは, 圃場におけるメヒシバの発生消長の実際を概ね良好にシミュレートすることがわかった。
  • 本村 輝正
    1989 年 34 巻 3 号 p. 261-265
    発行日: 1989/10/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 中谷 敬子, 松尾 和之, 森田 弘彦, 重川 弘宜
    1989 年 34 巻 3 号 p. 266-270
    発行日: 1989/10/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
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