雑草研究
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35 巻, 4 号
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  • 竹内 安智
    1990 年 35 巻 4 号 p. 305-316
    発行日: 1990/12/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 根本 正之
    1990 年 35 巻 4 号 p. 317-324
    発行日: 1990/12/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 水戸 信彰, 吉田 亮, 大塩 裕陸
    1990 年 35 巻 4 号 p. 325-331
    発行日: 1990/12/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    ホルモン型除草剤と分類される一群の除草剤がある。これらの除草剤は, 種々の生物検定法に於いてIAAと同様にオーキシン活性を示すが,その詳細な作用機構は不明である。そこで, 種々のホルモン型除草剤の作用メカニズムを明らかにする為, 同一の生物材料を用い, 二つの生物検定法でホルモン型除草剤の活性を調べた。生物検定法には, 薬剤によって誘導されるエチレンを指標にしたエチレン発生試験と, 生長促進を指標にしたスリット試験を用い, ヤエナリ下胚軸を生物材料とした。
    まず, 本研究に用いた薬剤のヤエナリの生長に及ぼす影響について調べたところ, 10-6~10-4Mで,すべての供試化合物が下胚軸の伸長を抑制し, 2, 4-D, dicamba が最も強い活性を示した (Fig. 2)。次にエチレン発生試験およびスリット試験における活性を調べた。IAA, NAA, 2, 4-Dおよび dicamba は, ヤエナリ下胚軸のエチレン発生を誘導したが, quinclorac および fenac はエチレン発生を誘導しなかった (Fig. 5)。しかしスリット試験においては, quinclorac はIAAとほぼ同等の活性を示した。また fenac はスリット試験においても活性は認められなかった (Fig. 6)。以上の結果により, 同じホルモン型除草剤に分類される薬剤でも, その作用機構は異なることが示唆された。
  • 水戸 信彰, 吉田 亮, 大塩 裕陸
    1990 年 35 巻 4 号 p. 332-339
    発行日: 1990/12/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    ホルモン型除草剤の作用機構を明らかにする為, 前報で報告したエチレン発生試験, スリット試験に加え, ヤエナリ下胚軸のH+放出および, アントシアニン生合成を指標とした2つの生物検定法 (H+放出試験, アントシアニン生合成試験) によってホルモン型除草剤の作用性を更に調べた。
    H+放出試験では, IAA, NAAが強い活性を示したのに対し, quinclorac および fenac はほとんど活性を示さなかった (Fig. 4)。またアントシアニン生合成試験では, fenac 以外のすべての供試化合物 (IAA NAA, 2, 4-D, dicamba およびquinclorac) が活性を示した (Fig. 7)。今回の研究で調べた4つの生物検定法におけるホルモン型除草剤の活性を比較すると (Fig. 8), 同じホルモン型に分類される除草剤でも異なった活性のパターンを示すことがより明かとなった。例えば, dicamba はエチレン発生試験, アントシアニン生合成試験でIAAよりも強い活性を示すのに対し, H+放出試験ではIAAよりも弱い活性しか示さなかった。また, quinclorac はエチレン発生試験ではIAAよりも遙かに弱い活性しか示さないのに対し, スリット試験ではIAAとほぼ同等の活性を示した。
    オーキシンのホルモンシグナルは, 細胞内に存在する複数のリセプターによって伝達されるという考えがある。今回研究に用いた種々のホルモン型除草剤が, それぞれのリセプターに対し異なる親和性を有しているとすると, ホルモン型除草剤の種類によって誘導される生成活性も異なると考えられる。今回得られた結果はこうした考えを支持するものである。
  • 堀江 秀樹, 根本 正之
    1990 年 35 巻 4 号 p. 340-345
    発行日: 1990/12/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    アレチギシギシ, ナガバギシギシ, ギシギシ, エゾノギシギシの4種におけるリンおよびアルミニウムの生育への影響を比較した。
    1) リンを4水準で施肥し, 栽培試験を行った結果, 4種はすべて無リン条件での生育は極めて不良であるが, リンを与えるとその生育量は著しく増加した。土壌中の可給態リン濃度が低い場合の全乾物重はギシギシ, エゾノギシギシ, アレチギシギシ, ナガバギシギシの順であった (Figs. 1, 4)。
    2) ナガバギシギシではT/R比は最小であったが (Fig. 2), 側根の占める割合が小さく, 根長は最も短かった (Fig. 4)。ナガバギシギシでの低リン耐性が低い要因は根長が短いことによると考えられる。
    3) アルミニウムを20ppm添加して4種を水耕栽培した結果, エゾノギシギシの全乾物重は他の3種より有意に大きかった (Table 1)。
    4) 日本の人工草地ではリン欠乏やアルミニウムの害が問題になるが, このような土壌条件下では低リン耐性および高アルミニウム耐性にまさるエゾノギシギシがナガバギシギシよりも生育しやすいと考えられる。
  • スワナメク アンポーン, スワンケットニコム ランシット
    1990 年 35 巻 4 号 p. 346-352
    発行日: 1990/12/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    Artemisia vulgaris の防除において2,4-D (ジメチルアミン塩) とピクロラムの相乗効果を調べた。比較的低温 (試験期間中平均18℃) のタイ北部高地における圃場試験と, 高温 (同平均31℃) のバンコックにおける温室試験を行った。両試験において2,4-Dおよびピクロラムの混合施用はそれぞれ単剤の施用に比較して大きな殺草効果を現わした (第1および2表)。また温室条件でピクロラムと2,4-Dを別々に1~12日までの間隔で連続施用した場合も, 相乗効果を現わすことが認められた (第3表)。温室条件でピクロラムと硫安1%との混合施用にも相乗効果が認められた (第4表)。
    14C-ピクロラムを用いた温室試験で, 2,4-Dはピクロラムの植物による吸収や体内移行に対して一定の効果を与えなかったが, 硫安はピクロラムの吸収を促進した (第5~7表)。植物体内に取り込まれたピクロラムは大部分代謝されずにそのままの形で留まっており, 2,4-D, 硫安ともにピクロラムの代謝を促進するというおとはなかった。
    従って硫安とピクロラムとの混合による相乗効果には, 硫安によるピクロラムの吸収増加が大きく貢献したと考えられる。他方, 2,4-Dとピクロラムとの相乗効果については, 2,4-Dによる吸収促進効果が認められなかったことから, もっと別な要因, たとえば作用点上の検討などが必要であると考えられる。
  • 藤井 義晴, 渋谷 知子, 安田 環
    1990 年 35 巻 4 号 p. 353-361
    発行日: 1990/12/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    発芽・生育試験に, ロジスチック関係をあてはめる生長解析法によるバイオアッセイ手法を確立した。この方法を用いれば, (1) 発芽・生育曲線を生物学的に意味のあるパラメーターで解析することができる。(2) ある検定植物によるバイオアッセイ最適試験条件を求めることが出来る。(3) 生理活性物質の作用性を評価することが出来る。(4) 生理活性物質の活性の強さを定量的に求めることができる。
    2) この生長解析手法を用いて, 他感作用候補植物を検索するための諸条件を求めた。その結果, 植物体の粗抽出液を用いる場合には浸透圧が0.5atm (≈50kPa) 以下にする必要があることが判明した。この浸透圧は電気伝導度で1mS/cmに相当していた。
    3) このような手法を用いれば, レタス以外の植物を用いた他感作用候補植物の検索を, 効率的に行うことが可能である。
  • 藤井 義晴, 渋谷 知子, 安田 環
    1990 年 35 巻 4 号 p. 362-370
    発行日: 1990/12/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    1) 発芽・生育試験に, ロジスチック関数をあてはめる生長解析法によるバイオアッセイ手法を用いて, 他感作用候補植物を代表的な雑草や作物から検索した結果, 従来他感作用の報告されているセイタカアワダチソウ, ヨモギ, ヒマワリ, クズ, ライムギ等には活性が見られたが, この他にムクナ, ヨウシュヤマゴボウ, ドクダミ, サトイモ等にも活性を見出した。このようにして検出された他感作用候補植物は, ドクダミ, クズ, ムクナ, ヨウシュヤマゴボウ, ヨモギ等, これまでに薬用植物として知られているものが多かった。
    2) 今回用いたRICHARDS関数による生長解析の手法を用いれば, 他感作用候補植物が, 発芽のどのレベルに作用しているのか (発芽の開始を遅らせるのか, 最終発芽率を阻害するのか, 発芽の速度=斉一性に影響するのか) が明らかとなる。
  • 冨永 達
    1990 年 35 巻 4 号 p. 371-372
    発行日: 1990/12/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 森田 弘彦, 川名 義明, 中山 壮一
    1990 年 35 巻 4 号 p. 373-376
    発行日: 1990/12/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 佐藤 光政, 伊藤 一幸, 宇佐美 洋三, 小泉 博
    1990 年 35 巻 4 号 p. 377-384
    発行日: 1990/12/25
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    日本国内における除草剤に抵抗性を示す雑草のバイオタイプの出現の状況を把握するため, 1989年3月にアンケート調査を実施した。
    1. ハルジオン, ヒメムカシヨモギ, オオアレチノギク, ヒメジョオン, オニノゲシ, スズメノカタビラ, ノボロギク, オニタビラコ, イヌガラシの9種およびノエビ類において除草剤抵抗性のバイオタイプが見られた。比較的多くの地点で抵抗性バイオタイプが見られたのはハルジオン, ヒメムカシヨモギ, オオアレチノギクの3種で, ハルジオンの除草剤抵抗性バイオタイプは関東地方を中心に出現し, ヒメムカシヨモギとオオアレチノギクの抵抗性バイオタイプは関東地方から九州地方に至る比較的広い地域に出現した。
    2. 除草剤抵抗性バイオタイプが見られるようになった時期は,「5年以上前から」または「2~3年前から」が多かった。
    3. 除草剤抵抗性バイオタイプは果樹園, 桑・茶園, 路傍, 畑地および放棄地などで多く見られた。それらの場所で使用している除草剤はパラコートが多かった。
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