雑草研究
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42 巻, 2 号
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  • 小林 勝一郎
    1997 年 42 巻 2 号 p. 57-64
    発行日: 1997/08/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 白倉 伸一
    1997 年 42 巻 2 号 p. 65-72
    発行日: 1997/08/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 梅本 信也, 山口 裕文
    1997 年 42 巻 2 号 p. 73-80
    発行日: 1997/08/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    伝統的水田の畦畔に広がる植物群落の動態を検討するために, 大阪府堺市と和歌山県古座町で通常の管理が行われている畦畔に12本の調査プロットを設置し, それぞれ8回および5回の刈り取りを行い, 単位面積当たりの現存量について経時変化を調べた。畦畔の植物群落における乾物生産の季節変動には次の4つの反応型が認められた。持続生産型: 刈り取りに対して乾物生産は安定している。大部分の関西型畦畔, くろなし型畦畔および未分化な畦畔にみられた。減少型: 刈り取りによって乾物生産が漸減する。翌年には回復する。畦板付きの関西型畦畔や, 1年生植物が卓越している関西型畦畔でみられた。増加型: 刈り取りに伴って乾物生産が増加する。くろなし型畦畔にみられた。不安定型: 乾物生産は不安定な変動を示した。単純止水型の手畦が該当した。全畦畔植物に占める双子葉植物の割合 (DR) をみたところ, DRは, ほとんどの畦畔で, 春期には増加し, 夏期には減少し, 秋期にはわずかに増加し, 景観の美しい時期に増加する傾向にあったが, 一年生草本の多い生産量が少ない畦畔や不安定な生産を示す畦畔ではDRのパターンは一般的な傾向を示さなかった。伝統的畦畔に見られた刈り取りストレスに対する乾物生産の補償作用と季節に応じたDRの変化は, 伝統的な水田畦畔がもつ多機能性に大きな役割を果たしていると考えられ, 畦畔植物の保全では畦畔を文化・植物資源複合ととらえて現状で動的に保全 (on situ conservation) することが重要と考えられた。
  • 嶺田 拓也, 沖 陽子
    1997 年 42 巻 2 号 p. 81-87
    発行日: 1997/08/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    埋土種子集団は防除体系や耕起法など圃場に対する過去の人為的働きかけを反映する。そこで農生態系における雑草種の管理戦略を組み立てるために, 雑草防除法, 耕起法, 作付け様式などの管理の異なる岡山県南部の水田8圃場の土壌を, 入水前の6月に地表から0-5, 5-10, 10-15, 15-20cmの4層に分けて採取し, 炭酸カリウム50%溶液を用いた比重分離法で埋土種子を回収した。埋土種子総数は, 手取り除草中心の圃場よりも除草剤連用の水田で少なかった。そして休耕田や粗放管理の圃場では, ノビエ類を中心に埋土種子数が除草剤連用水田の3倍以上であった。また不耕起田では, 種子の分布は表層部に偏り, 反転耕を行っている圃場では地下20cm近くまで種子の分布が多くみられた。草種別ではコナギ・アメリカコナギの種子数が, 手取り除草を続けている圃場で多くなる傾向を示した。そしてイネ単作圃場より, 麦やレンゲを栽培し秋から春にかけての耕起回数が少ない圃場で, スズメノテッポウを中心とする冬生雑草が多くなった。また主な草種において比重分離法で回収された種子と発芽法にて発生してきた本数との間には有意な回帰式を導くことができた。
  • 嶺田 拓也, 日鷹 一雅, 榎本 敬, 沖 陽子
    1997 年 42 巻 2 号 p. 88-96
    発行日: 1997/08/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    レンゲ冬作による草生マルチと不耕起を基軸としたLISA水稲直播栽培試験を実施している水田2筆において, レンゲ群落, 発生雑草, および水稲収量の推移を3年間にわたり調査した。 またレンゲ草生マルチの夏生雑草に対する抑草効果を評価するためにマルチ除去実験を行った。 本栽培試験の初年度はレンゲはよく繁茂し冬生雑草の発生も少なかった。 湛水後は, 前年の慣行栽培時に多数発生したコナギが消滅したほか, 他の草種の発生も少なく, また水稲収量も470kg/10a以上を得た。 しかし2年目以降, レンゲ群落の衰退に伴い雑草の発生数は著しく増加し, 水稲収量も減少した。 しかしレンゲ草生マルチをレンゲ開花期の5月上旬に除去すると, 湛水後に一年生のカヤツリグサ科を主とした水田一年生の雑草密度が顕著に増加したことから, レンゲマルチによる抑草効果が推察された。
  • 中山 祐一郎, 梅本 信也, 草薙 得一
    1997 年 42 巻 2 号 p. 97-106
    発行日: 1997/08/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    オオバコ種内2型の生活史特性とその成立過程を検討するために, 京都市北東部の8集団を供試して栽培実験と発芽試験を行い, さらに, 自生地での季節消長を調査した。
    1) minima 型は普通型よりも全乾物重が小さく, 早く出穂し, 繁殖分配率が大きかった (Fig. 1, 2および Table 2)。また, 年間の種子生産数は, 栽培1年目では2型間に差異はなかったが, 栽培2年目では普通型が minima 型を大きく上回った (Table 2)。
    2) 普通型では, 明条件下で20℃から30℃までのいずれの温度区でも高い種子発芽率が得られた。一方, minima 型では25℃で種子発芽率が最大となり, 20℃では発芽速度が顕著に遅かった (Fig. 3)。
    3) 普通型が生育する畦畔や農道では, 植生が密で, 成熟個体の死亡することが少なく, 競争が激しかった。一方, minima 型が生育する神社の境内では, ストレスが大きく, 乾燥した夏の掃き掃除や不定期な除草, 改修工事などの攬乱が予測不能な死亡要因として作用していた (Fig. 4)。また, 出芽の時期は2型間で異なった (Fig. 4)。
    以上のことから, オオバコ種内2型の生活史特性は, ストレスや攬乱, 競争の質や程度が異なるそれぞれの自生地の環境に適応して成立したものと推定された。
  • 大塚 俊之, 根本 正之
    1997 年 42 巻 2 号 p. 107-114
    発行日: 1997/08/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    畜産や農業に伴う土壌の富栄養化が耕地水系に沿つて分布する河川周辺雑草群落に及ぼす影響を明らかにすることを目的として, 茨城県新治郡の帆崎川において雑草群落の構造と土壌環境の調査を行なった。 スギ植林地に近い上流部では土壌中の窒素および炭素含量は少なく, 植生はメヒシバやイヌタデなどの雑草が優占するものの, ツリフネソウなどの野草的な種も多く含んでおり多様性が高いことが特徴であった。 これに対して水田地帯を流れる中流部では土壌中の窒素および炭素含量は上流部の5倍以上あり, 好窒素的な一年草のミゾソバやカナムグラが寡占して多様性の低い群落が形成されていた。 また下流部では護岸工事がなされており, 撹乱の強い中洲ではクサヨシが1種優占群落を形成していた。 中流部付近にはシロザが純群落を作る豚糞堆積場があり, この土壌は中流部のさらに2倍程度の窒素と炭素を含み, C/N比が低かった。 これらのことから豚糞堆積場からの有機物や水田に施用された化学肥料が, 降雨時に流出して土壌が富栄養化し中流部の群落の多様性を低下させたものと考えられた。 従来から良く知られている都市河川と同じように, 農村地域集水域の河川植生の動態も農業や畜産の集約化に伴う人為的な影響を強く受けていることが示唆された。
  • 今泉 誠子, 藤森 嶺
    1997 年 42 巻 2 号 p. 115-124
    発行日: 1997/08/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    スズメノカタビラ用微生物除草剤である Xanthomonas campestris pv. poae (JT-P482) のスズメノカタビラ体内における増殖および移行を, リファンピン耐性菌 (Rif-482) を用いて追跡した。試験に先立ち, リファンピン法について検証を行った。JT-P482およびRif-482 (それぞれ菌濃度は109cfu/ml) を接種したスズメノカタビラ体内の菌数は, 3日後に1.0×108cfu/g FW, 3週後には最大1.5×1010cfu/g FWに達したのち, 9週後には5.4×108cfu/g FWまで減少した。生重の減少率で表した防除率 (% Control) は, 処理4週後にJT-P482では88%, Rif-482では86%となり, この時の病徴は激しい萎凋から枯死にいたるいわゆる青枯れ症状を呈した。以上のように, 菌数の変動および防除率に関し, JT-P482およびRif-482間に有意な差は認められなかった。また菌数および防除率それぞれのピークには約1週間の時間差が見られた。一方, JT-P482およびRif-482の, 103から1010cfu/mlに至る各濃度をスズメノカタビラに処理し, 3週間後に菌数および防除率を比較した場合にも, 上記試験同様, 両菌株間に有意な差は認められなかった。以上の結果に基づいて, Rif-482を用い, 本菌の植物体内の増殖・移行過程を追跡した。スズメノカタビラの完全展開葉1枚の先端部位にハサミでRif-482を接種し, 植物が幼苗期から出穂期にいたるまで菌数の変化を追跡したところ, (1) 菌は接種部位より茎を通って根にいたり, ついで植物各部位に移行 (全身感染) した。(2) 菌の増殖にともない病徴の進展および植物体内水分の減少が認められた。以上の事実から, 本菌の作用機作は, Xanthomonas campestris pv. poae が, 宿主であるスズメノカタビラの導管内で増殖し導管を閉塞させた結果, 植物各部位への水分供給を絶ち, 植物を萎凋, 枯死に至らしめるものと考えられた。
  • 1997 年 42 巻 2 号 p. 124
    発行日: 1997年
    公開日: 2009/12/17
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  • 今泉 誠子, 藤森 嶺
    1997 年 42 巻 2 号 p. 125-134
    発行日: 1997/08/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    スズメノカタビラ用微生物防除剤である Xanthomonas campestris pv. poae (JT-P482) の効果を, 生態型を異にする2種のスズメノカタビラを用いて試験した。一年生タイプとして栃木県の宇都宮産 (平野部に産生; Aタイプ) を, 多年生タイプとして群馬県の嬬恋産 (ゴルフ場に産生; Pタイプ) を形態的特徴および休眠性を指標として選抜した。それぞれについて, 3温度条件下 (25℃/20℃, 20℃/15℃, 15℃/10℃; 昼温/夜温) における X. campestris pv. poae (JT-P482) のスズメノカタビラ体内における増殖と効果 (無処理区に対する地上部生重の減少率で評価) を比較したところ, いずれの温度条件であっても菌の増殖パターンはAタイプとPタイプとの間に差はみられなかった。しかし効果に関しては, 25℃/20℃の比較的高温側では両生態型ともに同様の値を示したものの, 20℃/15℃, 15℃/10℃ではAタイプがPタイプよりもわずかに高い効果を示した。さらに両生態型スズメノカタビラ体内における菌の増殖および移行を, それぞれ1葉に接種を行った固体を用いて追跡したところ, Pタイプより新生する茎内で高濃度の菌が検出された以外は, 両者間に有意な差は認められなかった。しかし効果においてはPタイプが処理後6週目に約20%Aタイプを下回った。一方, 両生態型の無処理スズメノカタビラの生重および茎数 (2次分げつを含む) を比較したところ, Pタイプのスズメノカタビラは生重にして1.7倍, 茎数にして4.1倍Aタイプより高い値を示した。これらの事実から, JT-P482の効果がスズメノカタビラの生態型によって異なる現象は, 菌の増殖能によるものではなく, 植物体の成長の程度によるものであることが示唆された。
  • 汪 光煕, 草薙 得一, 伊藤 一幸
    1997 年 42 巻 2 号 p. 135-143
    発行日: 1997/08/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    ミズアオイとコナギの生育並びに種子生産に対する播種時期, 遮光および施肥量などの影響について検討し, 次のことを明らかにした。
    1) 草丈はいずれの播種時期においてもミズアオイがコナギよりも高かった。主茎葉数は5月までの播種期においては, ミズアオイがコナギよりも多かったが, 6月以降の播種期においてはコナギの方が多かった。
    2) 種子生産量は, 両草種ともに5, 6月播種で大きい値を示した。
    3) 各器官への乾物分配率を4月と8月播種で比較すると, 前者では生殖器官への分配が生育後期に集中したのに対して, 後者では, 生育前期より生殖器官への分配が認められた。
    4) 草丈は両草種ともに無遮光条件では無施肥区が最も低かったが, 遮光が強化されるに伴い, 逆に無施肥区で草丈が最も高くなり, 倍量施肥区が最も低く推移し, 標準施肥区は両者の中間の草丈を示した。
    5) 種子生産量は無遮光条件では施肥量の増加に伴い, 明らかに多くなった。しかし, 遮光処理区では両草種ともに播種後90日に25%遮光開始の倍量施肥区で種子生産量が最大となった。
  • 一前 宣正, 青木 美里, 倉持 仁志, 近内 誠登
    1997 年 42 巻 2 号 p. 144-146
    発行日: 1997/08/30
    公開日: 2009/12/17
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  • 一前 宣正, 朱 漢, 王 占升, 高橋 英紀, 松本 聰
    1997 年 42 巻 2 号 p. 147-150
    発行日: 1997/08/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 沈 利星, 三浦 励一, 石川 枝津子, 橘 雅明, 内野 彰, 石坂 真澄
    1997 年 42 巻 2 号 p. 151-160
    発行日: 1997/08/30
    公開日: 2009/12/17
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