雑草研究
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43 巻, 3 号
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  • 根本 正之
    1998 年 43 巻 3 号 p. 175-180
    発行日: 1998/10/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 吉沢 長人, 小澤 啓男, 則武 晃二, 竹下 孝史, 鴨居 道明
    1998 年 43 巻 3 号 p. 181-185
    発行日: 1998/10/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • クサトリエースジャンボ・モゲトンジャンボ
    本間 豊邦, 谷澤 欽次, 藤本 昌彦, 染谷 進三, 小浦 誠吾
    1998 年 43 巻 3 号 p. 186-194
    発行日: 1998/10/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 田中 易, 山脇 孝博, 吉川 治利
    1998 年 43 巻 3 号 p. 195-202
    発行日: 1998/10/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    水稲用除草剤イマゾスルフロンの除草効果に影響を及ぼす要因について, 温室内のポット試験により検討した。また, 生物検定法を用いて, イマゾスルフロンの土壌中の移動性についても検討した。
    1. ミズガヤツリ, イヌホタルイおよびタイヌビエのイマゾスルフロン (90g a.i./ha) 薬液との接触期間がそれぞれ1, 7, 14日間およびそれ以上で地上部乾物重を90%以上抑制した (Fig. 1)。
    2. 萌芽期における90g a.i./ha処理では, ウリカワ塊茎の大きさの違いにより, 地上部乾物重の抑制は変動しなかった。しかしながら, 3g a.i./ha処理では, 塊茎の大きさが大きくなるにつれて地上部乾物重の抑制は低下した (Fig. 2)。
    3. 湛水深および温度の違いによる有意な除草効果の差はなかった (Fig. 3, 4)。
    4. 出芽前または1.5葉期のイヌホタルイに対し, 無漏水条件下では漏水条件下より効果は有意に高く, 処理時期の違いによる効果の差はなかった。一方, 漏水条件下では1.5葉期処理の効果は出芽前処理の効果より有意に高かった (Fig. 4)。
    5. イヌホタルイまたはウリカワに対する出芽前処理では播種または植え込み深度の浅い方が有意に効果は高かった。しかしながら, イヌホタルイの2葉期処理では, 播種深度の違いによる効果の差はなかった (Fig. 5, 6)。
    6. 150g a.i./ha処理後, 4cmの湛水深から1.5cm/日の割合で漏水させた水田土壌を用いて, 土壌中の移動性を検討した。土壌表面下2cm以内の深さにあった土壌に播種したタマガヤツリおよびイヌホタルイの生育は大きく抑制されたことから, イマゾスルフロンの水田土壌中での移動性は比較的小さく, 大部分が土壌表面下2cm以内に存在すると考えられた (Fig. 7)。
  • 田中 易, 山脇 孝博, 吉川 治利
    1998 年 43 巻 3 号 p. 203-209
    発行日: 1998/10/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    水稲に対するイマゾスルフロンによる薬害に及ぼす要因について, 温室内のポット試験により検討した。結果は以下のように要約される。
    1. 75g a.i./haから150g a.i./haまでの薬量で, 処理時期 (移植1~13日後) および湛水深 (1cmと5cm) の違いにより, 移植深度が2cmのイネの地上部乾物重に有意な減少は見られなかった (Fig. 1, 2)。
    2. 100g a.i./haの薬量処理による, -0.5cmまたは2cmの移植深度のイネの地上部乾物重は, 処理後の温度の違い (20/13, 26/19, 32/25 ℃/℃; 昼温/夜温) により有意な影響を受けず, また, それぞれの温度において, 移植深度の違いによる有意な差も見られなかった。しかしながら, -0.5cmの浅植えのイネは高温区で, 無処理との間に地上部乾物重の有意な減少が見られた (Fig. 3)。
    3. イネの株基部または根部先端を露出させて90g a.i./haの薬剤を処理すると, 地上部乾物重には無処理との間に有意な減少が見られた (Fig. 4)。
    4. 150g a.i./haの薬量で, 漏水 (2cm/day, 処理後より3日間) により, 1cmの浅植のイネの地上部乾物重には無処理との間に有意な減少が見られ, 3cmの移植深度のイネより減少した (Fig. 5)。
  • 加持 集三, 五島 敏男, 大津 悠一
    1998 年 43 巻 3 号 p. 210-219
    発行日: 1998/10/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    高知県南国市の早期および普通期栽培水田において, ノビエの発生消長ならびに葉令の進展を1991~1996年まで作期別に調べ, メフェナセットのノビエに対する最適処理時期と最適薬量を検討した。
    早期栽培における, ノビエの発生および生育の進行は, 普通期栽培に比べて全般的に遅れたが, 累積発生率をプロビット変換し, 対数有効積算水温で比較すると, 発生終期を構成する個体群の温度反応のみに差が見られた。また, 早期栽培におけるノビェの葉令進展は, 普通期栽培に比べ日数を要したが, 有効積算水温で比較すると, 両者とも同一の直線関係を示した。
    メフェナセット 4%粒剤は, 早期および普通期栽培共にノビエの1.0葉期時の処理が最も効果的であり,長期間にわたる優れた残効性が見られた。回帰分析により, 植代後経過日数, メフェナセットの残効期間, ノビエの葉令進展, 発生期間のすべてを積算水温として表すことで, ノビエ防除の最適処理時期とその時の最適処理薬量を, 早期栽培においては植代後19日・700g a. i./ha, 普通期栽培においては植代後7日・600g a. i./haと推定した。
  • 羅 烈紅, 水澤 直樹, 山下 魏
    1998 年 43 巻 3 号 p. 220-229
    発行日: 1998/10/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    熱帯起源のブドウ科雑草ヤブカラシは, 光合成反応での最も熱に弱い酸素発生反応において45℃・5分処理に対し耐熱性を持つことが, 葉・葉緑体・光化学系II粒子のクロロフィル蛍光変化温度・酸素発生失活温度・機能的必須因子のMnや在外性ペプチド (18-, 24-, 33-kDa) の酸素発生中心からの流失温度を調べて明らかにされた。45℃で5分処理した葉の光合成反応開始時のクロロフィル蛍光の誘導・立ち上がり (図1の破曲線) を調べると, ホウレンソウ・カボチャ・トウモロコシ・ギシギシ・クズの葉の蛍光は, 初期に小さいが鋭く上昇し, その後緩慢に増加したが, ヤブカラシ葉では初期上昇が見られず着目された。次に, 熱処理をしたヤブカラシ葉のクロロフィル蛍光の大きな変化は50℃以上で現れること (図2), 45℃で5分処理をした葉から調製した葉緑体の酸素発生活性がホウレンソウでは消失したがヤブカラシでは残存したこと (表1), ヤブカラシ葉から調製した葉緑体や光化学系II粒子の酸素発生活性は50℃以上でないと失活しないこと (図3, 表2) から, ヤブカラシが45℃・5分処理での耐熱性を示すことが確認された。このヤブカラシの耐熱性は, 酸素発生中心の機能的必須因子のMn (表2) や在外性ペプチド (図4) が, 熱処理をしても光化学系II粒子外に流失されにくいことと関連つけて説明できる。
  • 山河 重弥
    1998 年 43 巻 3 号 p. 230-236
    発行日: 1998/10/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    本研究は若狭湾から紀伊半島南端までのほぼ経線沿いの近畿地方を中心とした地域から採取したオモダカにおける再生産効率の変異およびその生育地に対する適応性について調査検討したものである (Fig. 1およびTable 1)。実験材料は海抜高度10mから610mにわたった20ヶ所の水田から採取した。
    各系統の現存量と採取地の高度および地表の形態との間には明らかな関連性が認められた (Fig. 2)。一般に, 高度が高いほど現存量の最高値は小さくなる傾向が認められた。また, 日照が山陰で遮られる狭い谷間で水温の低い用水を使用する棚田由来系統の現存量は特に小さかった。高度および地表の形態は生育するオモダカに与えられる光量に大きく影響するものと思われ, 受光量の差異により個体サイズのクラインが形成されているものと推察された。
    オモダカの2種類の繁殖体, 種子および塊茎の再生産劾率と個体現存量の関係は全く異なっていた (Fig. 3および4)。種子の再生産効率と現存量の間には明瞭な関係は認められなかったが, 塊茎は明らかな負の相関関係を示し, 高度が低い地域由来の大型の個体は栄養繁殖への投資率が低いことが示された。
    オモダカは低高度地域では, 受光量は多いが, 最大の競合者である水稲との競合に対して高いエネルギー投資が必要となるため, 塊茎への再生産効率を低くしている。一方, 比較的高い高度の地域では, 受光量は少ないが, 水稲の生育も低高度地域に比べ旺盛ではないので競合に対する高い投資を必要としないため, 高い塊茎への再生産効率を確保している。従って, 主たる個体群維持の手段である塊茎への再生産効率が生育地の物理的・生物的両条件に適応的であることが示唆された。また, 塊茎の大きさと個数の関係においても, より高い競合力が必要とされる低高度地域では, 比較的少数の大型塊茎を生産し, 高い高度の地域では, 比較的小型の多数の塊茎を生産することによって, 個体群の維持を図っており, 生育地の環境条件に適応的であることが示された (Fig. 5)。
  • 住吉 正
    1998 年 43 巻 3 号 p. 237-243
    発行日: 1998/10/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    寒冷地の水田においてホタルイ類雑草の草種として発生が多いタイワンヤマイ (Scirpus wallichii Nees) について, 種子の二次休眠に及ぼす貯蔵温度の影響をイヌホタルイ (S. juncoides Roxb. var. ohwianus T. Koyama) と比較検討し, 以下の結果を得た。
    1) 湛水土壌中における種子の二次休眠の誘導に有効な貯蔵温度は, タイワンヤマイおよびイヌホタルイともに20~30℃で, 温度が高いほど誘導が早かった。同じ貯蔵温度では, タイワンヤマイはイヌホタルイよりも二次休眠の誘導が遅かった。
    2) 一次休眠覚醒後の貯蔵温度が種子の発芽温度に影響し, タイワンヤマイでは, 貯蔵温度15℃では置床温度15℃, 貯蔵温度20℃では置床温度15~20℃の発芽率が低かった。イヌホタルイでは, 貯蔵温度10℃では置床温度15~20℃, 貯蔵温度15℃では置床温度15~25℃の発芽率が低かった。
    3) 水田から回収したタイワンヤマイ種子を定温器内の湛水土壌中に貯蔵したところ, 貯蔵温度20℃では発芽率が低下し, 貯蔵温度10℃では発芽率が向上した。また, 貯蔵温度30℃では, 4月~6月の回収では貯蔵中に大部分の種子が発芽し, 8月および9月の回収では貯蔵中の発芽率が67%および15%で, 貯蔵中に発芽しなかった種子の発芽率は回収時に比べて低下した。
  • 梅本 信也, 小林 央往, 植木 邦和, 伊藤 操子
    1998 年 43 巻 3 号 p. 244-248
    発行日: 1998/10/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    Eclipta prostrata (L.) L. と記されてきた日本産タカサブロウの2変異型を分類学的に検討するために, おもに近畿地方2府4県ならびに沖縄, 福井, 石川, 埼玉および茨城県の水田畦畔において採取した127系統を同一条件で栽培し, 得られたさく葉標本のそう果と葉の形態を観察した。その結果, すべてのさく葉標本と採取系統は, そう果が大型で狭卵形から披針形の葉をもつ Round 型と, 痩果が小型で披針形から挟披針形の葉をもつ Slender 型の2群に区別された。
    従来, 日本産タカサブロウに対しては, Eclipta prostrata (L.) L. が宛てられてきたが, 原記載の引用図譜には明らかな多細胞性の開出毛がある。そこで、タカサブロウ属に関する分類学文献と京都大学理学部 (KYO) 所蔵のさく葉標本を用いて検討したところ、えられた2群は E. prostrata とは別種であり、前者は Eclipta thermalis Bunge タカサブロウ, 後者は E. alba (L.) Hasskarl アメリカタカサブロウとするのが妥当であると考えられた。
  • 山口 裕文, 梅本 信也, 前中 久行
    1998 年 43 巻 3 号 p. 249-257
    発行日: 1998/10/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    大阪府堺市における整備段階の違う水田において5月から12月の間, 約1月間隔で畦畔植生を調査し, 出現する種の構成と多様性の変化を検討した。棚田地帯の隣接した水田から, 伝統的水田, 基盤整備後1年目の水田, 基盤整備後5年を経過した水田を選び, 畦畔の平坦面の植生を全推定法により調査した。未同定種を含めて161種の植物の生育が認められた (Table 1)。伝統的畦畔には83種, 整備後5年を経た畦畔 (5年畦畔) では92種, 整備後1年目の畦畔 (直後畦畔) では94種が認められたが, 群落を構成する種は大きく異なっていた (Table 2)。伝統的畦畔では, 在来の多年草が有意に多く, チガヤ, ヨモギ, ノチドメ, スイバが優占し, 半地中植物が多い傾向にあった。また, 帰化植物は, 非常に少なかった。5年畦畔では, 多年生帰化植物が多く, 春にはカラスノエンドウが, 秋にはメヒシバが優占し, 帰化植物率が高かった。直後畦畔では, イヌビエやイヌタデの出現が顕著で, 在来および帰化の1年草 (1回繁殖型植物) の生育が多く, 在来の多年草は少なかった。
    伝統的畦畔では, 種多様度が高く, 冬季にも多様度は低下しなかった (Fig. 1)。直後畦畔では春季の種多様度は比較的高かったが, 夏季から冬季に向かって多様度の顕著な低下がみられた。5年畦畔では種多様度はやや低く, 季節変動も小さかった。基盤整備により改修された畦畔では本来の畦畔植生への遷移とは異なる系列を辿っていると考えられた。
  • 猪谷 富雄, 平井 健一郎, 藤井 義晴, 神田 博史, 玉置 雅彦
    1998 年 43 巻 3 号 p. 258-266
    発行日: 1998/10/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    サンドイッチ法は寒天培地中に包埋した供試植物の乾燥葉から浸出する物質のアレロパシー活性を, 寒天培地上に播種した検定植物の種子根等の伸長抑制程度から判定する方法である。この方法によって, 広島県立大学キャンパスおよび広島大学医学部薬用植物園内で採取した雑草・薬用植物計152種のレタスに対するアレロパシー活性を検定した。その結果, カタバミ, ヒメスイバ, イシミカワ, ヤブラン, メギ, ショウジョウバカマがレタス根長の伸長程度 (対照区比) 10~20%と強いアレロパシー活性を示した。上記のような強いアレロパシー活性の認められたもの23種を供試植物とし, 検定植物としてレタスの他にアカクローバー, キュウリおよびイネの4種を用い, サンドイッチ法によって供試植物のアレロパシー活性を検討した。得られたデータの主成分分析の結果, 50%の寄与率を持つ第1主成分は4種の検定植物が共通して示すアレロパシーに対する感受性を表し, かつ検定植物中レタスで最も高い第1主成分の因子負荷量が得られた。これより, サンドイッチ法の検定植物として従来用いられているレタスが適当であることが示唆された。また, 26%の寄与率をもつ第2主成分は, 検定植物のレタス・アカクローバーとキュウリ・イネとで同一物質に対して異なる感受性の方向を示すと考えられた。このことから検定植物間で選択性をもつアレロパシー物質の存在が推定された。
  • 保田 謙太郎, 梅本 信也, 山口 裕文
    1998 年 43 巻 3 号 p. 267-270
    発行日: 1998/10/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 長尾 明子, 臼井 健二, 松本 宏
    1998 年 43 巻 3 号 p. 271-273
    発行日: 1998/10/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 梨木 守, 目黒 良平, 福田 栄紀
    1998 年 43 巻 3 号 p. 274-276
    発行日: 1998/10/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 梅本 信也
    1998 年 43 巻 3 号 p. 277-281
    発行日: 1998/10/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 澁谷 知子, 浅井 元朗, 川名 義明, 白倉 伸一
    1998 年 43 巻 3 号 p. 282-285
    発行日: 1998/10/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
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