雑草研究
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46 巻, 1 号
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  • 千坂 英雄
    2001 年 46 巻 1 号 p. 3-4
    発行日: 2001/03/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 小荒井 晃, 芝山 秀次郎
    2001 年 46 巻 1 号 p. 5-12
    発行日: 2001/03/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    水田における数種一年生雑草について, 代かき時期別に発生本数, 発生消長および出芽深度を調査した。4月から6月までの期間では, 代かき時期が遅れるほど雑草の発生本数は増加した。ヒメミソハギおよびタマガヤツリは, 6月以降も発生本数は増加したが, コナギ, アゼナ類, ミゾハコベおよびキカシグサは, 7月になって発生本数が減少した。いずれの草種も, 主として出芽深度が土壌表層の5.0mmまでに限られており, 例外的には7.0mmまでの深度からも発生した。タマガヤツリの出芽深度は他の草種よりも深く, 5.0~7.0mmの土層からも多く発生した。発生本数が多かった6月および7月代かき区では, 3.0mmまでの土壌表層からの発生本数が多かったが, 3.0mmより深い層からの発生本数については, 代かき時期による差異は認められなかった。また, 最大出芽深度も, 代かき時期によって大きく変化しなかった。
  • 浅野 紘臣
    2001 年 46 巻 1 号 p. 13-18
    発行日: 2001/03/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    神奈川県愛川町において1994-1996年の3年間にわたってアイガモ農法田と慣行農法田における表層土壌からの雑草の発生数を調査した。発生した雑草はヒエ類, コナギ, アゼナ類, ミゾハコベ, キカシグサ, カヤツリグサ類 (主としてタマガヤツリとコゴメガヤツリ), チョウジタデ, ヒメミソハギ, アブノメ, イヌホタルイ, ダネツケバナ, マツバイ, オモダカ, セリの14草種であった。雑草の発生総数をみると, アイガモ農法では土壌表層0-2cm層では少なく, 慣行農法は0-2cm層で多かった。この理由として, アイガモ農法は, アイガモによる抑草期間が8月上旬 (放飼日数50-70日) に及び除草剤のそれよりも2-3倍長く, アイガモ農法田はアイガモを引き上げた後に発生する雑草が少ないことによると考えられた。土壌表層2-10cm層では, 両農法間で発生総数に差がみられなかった (第2表)。アイガモ農法を連用することによりコナギ, キカシグサなどは減少したが, チョウジタデ, ヒメミソハギおよびカヤツリグサ類は減少しなかった (第2表, 第1, 2図)。1994年と1995年の調査では, 慣行農法に比べてアイガモ農法は発生総数が少なかった。アイガモ農法田は, カヤツリグサ類とアブノメが増加する一方, チョウジタデとヒメミソハギは減少しなかったため, 慣行農法田に比べて発生総数が増加した (第3図)。
  • 浅野 紘臣, 磯部 勝孝, 兼平 勉
    2001 年 46 巻 1 号 p. 19-24
    発行日: 2001/03/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    アイガモ農法を1-8年継続した水田土壌における雑草の発生量を調査した。出現草種はヒエ類, カヤツリグサ類, コナギ, アゼナ類, アブノメ, キカシグサ, ミゾハコベ, チョウジタデ, ヒメミソハギ, タカサブロウ, ホシクサ, ミズキカシグサ, ヒデリコ, ウリカワの14草種であった。アイガモ農法継続1-8年の平均における発生数はアゼナ類, ミゾハコベ, キカシグサ, カヤツリグサ類およびコナギの順であり, 同農法を継続しても上位5草種に変化はなかった (第1図)。アイガモ農法を1-4年継続した土壌からの全雑草の発生数は, 2,857-401本/m2であった。継続5-7年は, 1,123-1,608本/m2であり, 慣行農法田 (2,296本/m2) に比べて継続5-7年では49-70%少なかった (第4図)。このことは適切な栽培管理を行えばアイガモ農法を継続することにより, 雑草の発生は慣行農法に比べて減少する可能性を示唆していると考えられた。
  • 神崎 充, 竹内 正毅, 白川 憲夫
    2001 年 46 巻 1 号 p. 25-30
    発行日: 2001/03/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    タイヌビエ (Echinochloa oryzicola Vasing.) に対する除草効果を指標に, 湛水条件下におけるカフェンストロールの除草効果変動要因を調べた。処理薬量1~3g a. i./aの範囲において, 温度, 土質および漏水の有無は, カフェンストロールのタイヌビエに対する除草効果にほとんど影響しなかった。しかし, 湿潤条件や薬剤処理後の田面水の保持時間およびタイヌビエの薬剤接触時間が短い場合に, 除草効果は低下した。
    以上の結果から, 湛水深, 田面水保持時間および雑草の薬剤接触時間が湛水条件下におけるカフェンストロールの除草効果におよぼす主な変動要因と考えられ, とくに, 田面の露出を防ぐことがカフェンストロールの効果を発揮させる上で最も重要であることが示唆された。
  • 浅野 紘臣
    2001 年 46 巻 1 号 p. 31-36
    発行日: 2001/03/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    雑草発生の不斉一性は, 農耕地における雑草防除の最大ともいえる問題点である。この不斉一性には, 種子の内外に多くの要因があるが, ここでは外的要因解明の1つとして, 水田雑草の発生に及ぼす遮光の影響を水田状態において調査した。
    1. 無遮光区における雑草の総発生数は852本/m2であり, 遮光率が高い区ほど発生数は減少した。遮光率が81%区の発生数は無遮光区の29%となり, 5%水準 (Tukey 法) で有意に低かった。草種毎の発生数も遮光率が高い区ほど減少した。特にヒメミソハギは, その傾向が大きかつた。ヒメミソハギの発生数と遮光率には高い相関関係が認められ, 相関係数は-0.985**であった (第1表)。
    2. 遮光解除後の雑草の発生数は, 遮光期間中の発生数が少ない区ほど多くなり, 無遮光区は852本/m2であった。遮光と遮光解除の合計の発生数は, 無遮光区 (遮光率0%) が1,705本/m2と最大であった。両者の合計において, 遮光率0-40%区と81-100%区の間には, 5%水準 (Tukey 法) で有意な差異があった (第2図)。
    3. 遮光率が高い試験区ほど, 遮光処理解除後にヒメミソハギの発生が多く認められた。これは遮光率が0-94%の各処理区間で5%水準 (Tukey 法) で発生数に有意な差異があった。また遮光率と遮光解除後の発生数の相関は高く, その相関係数は0.847**であった (第2表)。
    4. 水田で多発したアゼナ, チョウジタデ, ヒメミソハギ, ミゾハコベ, キカシグサ, アブノメは, いずれも遮光の影響が大きい草種であると考えられた。
  • 佐合 隆一, 松浦 瑠美子, 松田 照男
    2001 年 46 巻 1 号 p. 37-40
    発行日: 2001/03/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 佐藤 節郎, 舘野 宏司, 小林 良次
    2001 年 46 巻 1 号 p. 41-47
    発行日: 2001/03/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    九州地域の飼料畑で最も被害の大きい雑草は, 夏作飼料作物ではトウモロコシ (Zea mays L.) 圃場に発生するイチビ (Abutilon theophrasti Medic.), 冬作ではイタリアンライグラス (Lolium multiflorum L.) 圃場に発生するカラクサナズナ (Coronopus didymus L.) とされている。トウモロコシの播種時期を5月下旬まで遅らせることは, イチビの被害を回避する有効な方法であることが明らかになっており, また, イタリアンライグラス圃場に発生するカラクサナズナは, 播種量を2倍にする密植栽培により十分に防除できることが明らかになっている。これらの結果をもとに, 九州の典型的な飼料作物生産体系である「トウモロコシ+イタリアンライグラス」体系において, この両雑草の被害を回避する4種の生産体系を示した。これらの生産体系の中で,「密植栽培したイタリアンライグラスを二番草まで収穫した後, 5月下旬にトウモロコシを播種する」体系が, 収量と雑草防除費用からみて最も優れていた。
  • 前中 久行
    2001 年 46 巻 1 号 p. 48-55
    発行日: 2001/03/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    ある植物が, その植物固有の性質として雑草性をもっているとしても, 人間活動を妨害していなければ現実の雑草ではない。自然環境の構成要素として, 人間が植物に求めている役割には, 植物が存在することで生じる機能, 景観・緑環境の形成要素, 文化財や生活のアメニティ要素, 生物的自然要素がある。農耕地では雑草である植物が, 市街地においては, このような働きを果たすこともある。代表的な場面が, 地面が植物で被われることが, 第一義的に意味をもつ, 芝生地やのり面である。現実に大阪府下の公園緑地の芝生地には, スズメノカタビラ, シマスズメノヒエ, シロツメクサなどが優占する。踏みつけ強度のやや低いと思われる草地では, 出現する種類数が増加し, ニワゼキショウ, カタバミ, セイヨウタンポポなどが出現するようになるなど, 利用の実態に応じた芝生ができあがっており, 多様なレクリエーション活動に役だっている。
    造成後時間をへたのり面で, 出現頻度が比較的高いものは, 当初の緑化草種ではなく, ススキ, セイタカアワダチソウ, チガヤ, メリケンカルカヤなど, 後から侵入した植物であるが, これらも, 土砂流出防止や裸地の視覚的遮蔽などの効果をもっている。セイタカアワダチソウを, 6月から9月まで時期をかえて刈り取った場合, 成長シーズンの終わりの地下部の現存量は, 地下部への蓄積が開始される8月に刈り取ったときに最も小さくなった。6月刈の場合, 開花時期は無刈り取りとほぼ同じであった。
    7月刈はややおくれて11月上旬に開花し, 草丈は約60cmであった。6月刈や7月刈では, 花序, 草丈ともに小型化したために, 通常の見苦しさがなく観賞にも耐える状況であった。
  • 萩本 宏
    2001 年 46 巻 1 号 p. 56-59
    発行日: 2001/03/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 春原 由香里, 郷原 雅敏, 三浦 励一, 石川 枝津子, 橘 雅明, 内野 彰
    2001 年 46 巻 1 号 p. 60-65
    発行日: 2001/03/30
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
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