雑草研究
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48 巻, 3 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 山河 重弥, 王 旻, 山口 裕文
    2003 年 48 巻 3 号 p. 109-116
    発行日: 2003/10/10
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    希少植物スブタ (Blyxa echinosperma (Clarke) Hooker) の水田での生活史と生育を明らかにする目的で, 和歌山県紀伊大島において, スブタの発生程度と水田の特徴を調べ, 一水田でのフェノロジーと繁殖特性を観察した。スブタは, 年間を通じて湛水状態にある水田で安定してみられ, 除草剤が使用されていても生育していた。スブタは, コナギ (Monochoria vaginaris (Burm. f.) Presl var. plantaginea (Roxb.) Solms-Laub.) やイヌホタルイ (Scirpus juncoides Roxb. var. ohwianus T. Koyama) などより2週間ほど遅れて6月上旬から出芽を始め, 個体数は6月下旬まで増加した。その後, 定常状態を維持し, 水稲収穫時には撹乱により個体数が減少した。その時に生じた裸地に新しい実生が多数出現し, 秋期に個体数のピークが観察された。7月中旬に植物体の大きい30葉以上を付けた個体から開花が始まり, 開花は次第に29葉以下の小さな個体でもみられた。個体あたりの果実数は8月から10月にかけて増加した。果実あたりの種子数は果実の長さに比例し, 個体当たりの種子数は個体の生体重が重いほど多くなる傾向にあった。水稲収穫後に発生する小型個体も少数であるが一定量の種子を生産した。個体サイズに依存して果実と種子を長い期間にわたって形成し, 埋土種子を形成するスブタの特徴は, 水田の水管理に伴う水環境の変化や季節的な雨量変化など水供給量の大きな変化に対しても後代を確保できるように機能していると考えられる。
  • 浦口 晋平, 渡邉 泉, 久野 勝治, 星野 義延, 藤井 義晴
    2003 年 48 巻 3 号 p. 117-129
    発行日: 2003/10/10
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    外来種の侵入, 河原固有の在来種の衰退が顕著な多摩川中流域の河川敷から, 56種の葉部を採取し, サンドイッチ法により他感作用活性を検定した。ハリエンジュ, アレチウリ, オオブタクサのように大きな群落を形成する外来種や, クズ, ススキ, イヌコリヤナギなど安定的な植生を形成する在来植物がレタスの幼根伸長を強く阻害した。また, 絶滅が危惧されるカワラノギクとその周辺に多く生育する植物10種を砂耕栽培し, サンドイッチ法, プラントボックス法により他感作用活性を検定した。オニウシノケグサなどカワラノギク周辺の外来種は葉部, 根部ともにレタスの幼根伸長を著しく阻害し, 強い他感作用活性が示唆された。これらの結果は, 多くの外来種の侵入と優占に他感作用が関与している可能性を示唆した。また, カワラノギクの葉部, 根部にも強い他感作用活性が示唆され, 成立から10年ほどで衰退・消失するというカワラノギク個体群の特性の原因として, 他感作用の自家中毒的作用の関与が示唆された。カワラヨモギなど, 他の河原固有種は強い活性を示さなかった。また, 河川敷植生構成種の他感作用は, 生育段階および, 環境条件により変動する可能性が推察された。
  • 鈴木 光喜
    2003 年 48 巻 3 号 p. 130-139
    発行日: 2003/10/10
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
    秋田県の主要畑雑草であるハコベ, エゾノギシギシ, メヒシバ, イヌビエ, ツユクサ, オオイヌタデ, イヌタデ, ハルタデ, シロザ, イヌビユ, スベリヒユ, スカシタゴボウ, エノキグサを1998年6~10月に採種し同年12月に, オランダミミナグサ, ノボロギク, オニノゲシを1999年6月に採種し, 同月にそれぞれ15cmの深さに埋土した。前者は1999年4月, 後者は1999年7月以降, 1~2か月毎に掘り出して発芽率および出芽率を調査し, 二次休眠性に注目した休眠・発芽特性を明らかにした。主な結果は以下のようである。
    1) 埋土1年目 (埋土の翌年), 埋土2年目 (埋土の翌々年)とも二次休眠が明確なもの: オオイヌタデ, ハルタデ, イヌビエ, ツユクサ。
    2) 埋土1年目の二次休眠は明確であるが, 埋土2年目は弱いかはっきりしないもの: イヌタデ, スカシタゴボウ。
    3) 二次休眠の認められないもの: エゾノギシギシ, シロザ, イヌビユ, スベリヒユ, ハコベ, オランダミミナグサ, ノボロギク, オニノゲシ。
    4) 二次休眠の有無が不明なもの: エノキグサ, メヒシバ。
    5) オオイヌタデ, イヌビエなど二次休眠を持つ種子の寿命より, エゾノギシギシ, シロザなど二次休眠を持たない種子の寿命が長い傾向がみられ, 休眠性と寿命との関係は判然としなかった。
  • 三浦 励一, 土井 倫子, 吉野 真弘
    2003 年 48 巻 3 号 p. 140-142
    発行日: 2003/10/10
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 森田 弘彦, 西田 智子, 伊藤 操子, Bruce Auld, Peter Michael
    2003 年 48 巻 3 号 p. 143-154
    発行日: 2003/10/10
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 牛木 純, 白倉 伸一, 服部 眞幸, 松尾 光弘
    2003 年 48 巻 3 号 p. 161-165
    発行日: 2003/10/10
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
  • 森田 弘彦
    2003 年 48 巻 3 号 p. 166
    発行日: 2003/10/10
    公開日: 2009/12/17
    ジャーナル フリー
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