水田雑草におけるスルホニルウレア系除草剤 (SU) 抵抗性の有無を, 生育中期の植物体を用いて簡便に検定できる方法を確立した。イヌホタルイ (
Scirpus juncoides Roxb. subsp.
juncoides Roxb.), コナギ(
Monochoria vaginalis Presl var.
plantaginea Solms-Laub.), アメリカアゼナ (
Lindernia dubia Penn.) の生育中期の個体の茎葉部および根部を各々基部より2cm程度の長さに切断し, これを代かきを行った湛水土壌中に移植し, 移植翌日にベンスルフロンメチル7.5g a. i./10aを処理した後, 経時的に観察を行った。その結果, 3草種いずれにおいても薬剤処理後2~3週間程度で, SU抵抗性バイオタイプでは薬剤処理区でも薬剤無処理区と同程度の旺盛な地上部の再生が認められたのに対し, SU感受性バイオタイプでは薬剤処理区ではほとんど再生が認められなかった。薬剤処理区における地上部の再生の差が非常に明瞭であるため, この方法によりSU抵抗性の有無を検定することが可能であると考え, この方法を地上部再生法と命名した。本方法では, 生育中期の植物体をそのまま検定に用いることができ, また土壌を介して検定を行うことで, 簡便にSU抵抗性の検定を行うことができると考えられた。
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