コナギのスルホニルウレア系除草剤(SU剤)抵抗性生物型がこれまで顕在化していない静岡県において,この抵抗性生物型の発生の有無を調査した。その結果,静岡県東部から西部地域にかけて抵抗性生物型が広く発生していることが明らかとなった。認められた抵抗性生物型は,すべて
ALS1あるいは
ALS3のPro
197部位に変異が認められたが,そのうち2地域からのSU剤抵抗性生物型は,コナギではこれまで報告のないプロリンからトレオニンへのアミノ酸置換であった。抵抗性生物型が採集された伊豆地域では,1km以内の距離にある異なる水田で異なるアミノ酸置換が認められたことから,抵抗性生物型は,それぞれの地域で独立して起源したと考えられた。この結果から,コナギの残草が顕在化していない水田においても抵抗性生物型が発生していることが明らかとなった。
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